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プラモデルを作ってみませんか

こんにちは。キャラモデラーのTです。

普段は3Dソフトでのデジタル作業を行っておりますが、趣味等でアナログ作業を行っていると改めて気付かされることが多々ありますというお話です。少々長めの記事となりますがお付き合いのほどよろしくお願い致します。

ずばり私の趣味はプラモデル作り(スケールモデルメイン)です。組み立て~表面処理~塗装までの工程を一通り行っております。


スケールモデルは素組みだと成形色まんまなので塗装する必要がある
1/72  F-16CJ
1/48 ブリュースター B-339 バッファロー(髪の毛みたいな細さのアンテナ線張ってます)
1/35 4号戦車J型 (カッターマットが汚いのは作業の証…)

2017年頃に「よしやってみよう」と未経験者唯一の武器である【無鉄砲さ】で、突然ハンドピース&コンプレッサーのエアブラシセットを買って以来、細々と続いている趣味です。(武器が無鉄砲とは此れは如何に)
模型屋さんに飾られていた完成品への憧れが今もなお私を突き動かしているのです。

冒頭にもありますように通常業務がデジタル作業なので、いざアナログ作業と対面すると戸惑うことばかりです。それはなにか…

アンドゥが効きません。ctrl + zが効きません。

当たり前過ぎて何をいってるんだ とお思いの方もいるでしょう。えぇわかります。でもわかってても頭の中で「なんでctrl + zが効かないの!!!」と叫んでいる私がいます。

つまりは「1つ手前の作業で失敗した」ということですね。具体的な事例を挙げてみましょう。

・ゲートかと思って切り離したらディテールだった
・ニッパーで切り離したらどこかに飛んだ
・塗料の希釈を間違えた(濃すぎた)
・塗料の希釈を間違えた(薄すぎた)
・処分したランナーに極小パーツが残っていた
・ヒケるだろうなと思いつつサフを吹いたらヒケた
・まだ工程が1/3残っているのに説明書を捨てていた
・ピンセットでパーツをつまんだ瞬間に飛んだ
・紛失パーツ回収に掃除機を床一面にかけても見つからず、床が綺麗になっただけだった
・塗料瓶の蓋をしっかり締めずによく撹拌した
・塗料瓶の蓋をしっかり締めすぎて開かなくなった
・ハンドピースの分解洗浄が終わった瞬間に塗り残しに気づいた  etc

こんなのは氷山の一角で、それはもう「なんでこうなっちゃったの!!」という失敗の連続を乗り越えてようやく完成にたどり着くのです。

たまに「手先が器用なんですね」なんていわれますが、8割の失敗を泣きながら楽しみに変えているだけです。そもそも器用な人は8割失敗しません。私は失敗するたびに「あーもう!だからいったじゃないッッ!!」とのたうち回っています。

1/48 P-40E ウォーホーク(シャークマウスは鬼のマスキング塗装)
1/35 38 (t) E/F型
1/72 スピットファイアMk.Vb(カッターマットが汚いのは(ry
1/35 M1A2エイブラムス
1/35 チーフテン MK.5
幼少期 唯一笑顔の写真 車載銃架上のブローニングM2っぽいなにかを構えてご満悦

で辿り着いた答えがですね

「失敗してナンボ、リカバリーしてナンボ」

失敗することは即ち「原因究明」「次同じことをやらないようにするにはどうすればよいか」というシミュレーションができる唯一の機会なのです。そしてリカバリーを通して「世の中は1発で物事が決まるわけがない」という当たり前の現実を知ることになるのです。

プラモデルは手先の器用さよりも、失敗に動じず淡々とリカバリーを如何に平常心でこなすかが重要です。でもわかってても頭の中で「なんでctrl + zが効かないの!!!」と叫んでいる私がいます(2回目)

これって突き詰めるとアナログデジタル関係なくなっていきます。デジタル作業でもアンドゥできようが時間を消費したことには変わりませんし、回数制限もあるでしょう。
何よりもその人それぞれにその時に必要な失敗がかならずあるのです。

これを見ないふりをして他責思考のままだと人は成長の機会を失ってしまいます。とはいえ誰かのせいにしたい気持ちも少しありますが、そこは自分の顔しか思い浮かばないのです!
半分プラモネガキャンになりかけてますが、それでも興味が湧いた方は是非ハセガワ 1/72 F-16CJを買ってみてください。とても楽しいキットです(パイロットフィギュアが謎に沢山ついている)

米粒に字を書くような苦しみを乗り越え、ようやく黒目が描けた瞬間、
実は双眼鏡を目に当てているポーズだと気づいたときの絶望感

あえてやり直しが難しい作業にチャレンジすることで、ctrl + z というやり直しがききやすいデジタル環境のありがたみがわかりますし、何かしら実際に手を動かしていけばいつかかならず完成にたどり着きます。

楽しみ、時に落ち込み、乗り越える大切さを私はプラモデルから教えてもらいました。苦しみを経験することでしか得られない矛盾ですが、年を重ねてもできること・できたことが増えるのは嬉しいことです。

何かしら皆さまの参考になれば幸いです。
長々とお付き合い頂きありがとうございました。