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ラクに生きるための食事法#2

はじめに(無料公開中)
第1章「高カロリー」≠「太る」は思い込みというお話(無料公開中)
第2章  生物としての食事のお話

 ・本能の食事のお話    
 ・人間の食事のお話
第3章  現代の食事のお話
 ・なぜ生きているかのお話
第4章  何を食べたらいいのかのお話
 ・タンパク質のお話
 ・エネルギーのお話
 ・吸収できる体づくりのお話
 ・果たして、科学は万能なのかというお話
第5章  体の声を聴く
 ・食べたくなるのはなぜかのお話
 ・油のお話
 ・お水のお話
おわりに

第2章 生物としての食事のお話


 食事をするのは人間に限りません。
 犬、猫、その他の動物たちも、何かを食べています。一方、植物は、水や光を吸収していますが、そのほかの生き物を食べる必要はありません。植物は生きるために必要なエネルギーを自ら作ることができるからです。
 食事はその他の生命体から、エネルギーや栄養をもらうために行なっているのです。
 それでは、その摂取した栄養素を何に使っているのでしょうか、生きるために必要なエネルギーとは何でしょうか。それを知るために、まず生物の定義をおさらいします。

生物の定義
1外界と膜で仕切られていること。
2代謝を行なっていること
3繁殖すること

 以上3つが生物の定義としてあげられています。
 1つ目は外界と膜で仕切られていること。すなわち細胞を持っていることです。
 2つ目に、代謝をおこなう。動物ならその他の動物や植物を、植物であれば水を吸収して、エネルギーを作ります。このように、外から取り入れたものでエネルギーを作る、そして取り入れたものを排出する。この一連の流れを代謝と呼びます。
 最後は、繁殖すること。自分と同じ種のものを増やすことです。
 昨今は、毎日「菌」や「ウィルス」という言葉をよく耳にすると思います。この2つは似ているようで、大きく違います。それは生物の定義に当てはまっているかどうかです。ウィルスというのは、自ら代謝を行なっていません。その他の生物の代謝を利用しています。一方で菌はこれらの定義を満たしているため生物です。この定義を、覚えておいてください。

本能の食事のお話

 私たち人間を含め、その他の動物はなぜ食べているのでしょうか。
 それぞれの食べる理由を考えて行きたいと思います。
 身近な存在である犬や猫、サバンナの象やキリンのような動物、海に生息する魚も何かしらを食べているわけですが、基本的に彼らは食欲という本能で食べています。
 しかし人間は、脳が発達しすぎてしまったがゆえに食欲がその他の動物とは異なる働きを促している場合があります。
 食べ物から味や風味を抽出することができるようになり、人工的に作った甘さやうまさを知ってしまいました。また、自然のものを自然の状態で食べることが少なくなってきてしまった。
 それゆえに、たとえ必要ないものであっても、食べたいと感じるようになったり、過剰な刺激を脳に与えることで、その味を何度も欲してしまうこともあります。


 本能は、その生物が生存するために必要なものを教えてくれます。
 動物が食欲を感じて、食べるのは生存するためです。先ほど触れた生物の定義である代謝を行うために、私たちは食べています。具体的にはカロリーを摂取すること、ビタミンやミネラルの栄養を取ること、そしてタンパク質、脂質を摂ること。これらが生きるために必要としている、食事の目的です。

人間の食事のお話


 それではここで1つ考えて欲しいのは、あなたはどんな時に食事をしているのかということです。


 お腹が空いたと感じた時は、もちろんですが、それ以外にも食事をする時があると思います。
 ただ、欲求を満たすだけでなく、ビジネスではランチミーティングをして食事をしながらアイデアを出し合ったり交渉を進めることをします。日曜夕方のアニメで一家がちゃぶ台を囲んで食事をするシーンがあるように、家族や友人と時間を楽しむための食事があります。


 野生動物にとって、食べることは生きるために必要なことでもあります。食べ物を囲む相手は、仲間であり信用できる存在でないといけません。食事をしている時間は相手に心を開いている時間でもあるのです。
 人間にとって食事が果たす役目の1つとして最も重要なことは、家族や友人と食事を楽しむことです。私にとって食事は娯楽であり、楽しむことが重要です。それは多くの人にも共通することです。


 1人で美味しいものを食べに行ったり、家族で何かを食べに行って感想を共有したり、またそれが思い出になり残っていく。なので私たちにとって、食事はその時間が重要であり、どんな栄養をどれくらいとったかは、そこまで気にする必要はないのです。


 必要な栄養を摂取することは、より簡単になってきました。カロリーがどうだとか、栄養がどうだとか、これは体に悪いとか、これらのことをどんどん考えて、果たして食事は楽しいでしょうか。
 食事は第一に楽しむこと。これを前提に必要な知識を取り入れていきましょう。より、ラクに考えること。難しく考えることはもうやめましょう。

第3章 現代の食事のお話


 食べるという行為は生き物にとって非常に重要な行為です。そして、食料を安定的に手に入れるために、人類は長いあいだ苦戦してきました。それゆえに、人間は食べ物に関する技術を発展させてきました。今では当たり前になったサプリメント。希少な栄養素や、吸収されにくい栄養を選んで摂取することができるようになりました。カロリーがわかりやすいクッキーやタンパク質を多く含んだお菓子が売られています。
 それでは、生きることだけを考えて食事をしようとした時、それらのサプリメントだけ摂取していれば十分なのでしょうか。
 答えはNoです。
 これは実証されたことではありません。ただ、こう考えることができます。人間の歴史は約700万年あると言われています。人類がサプリメントを手にしてからの時間の方が圧倒的に短いのです。初期の人類と言われているアウストラロピテクスが生まれたのが約400万年前、現代の人の種であるホモ・サピエンスが誕生したのがおよそ25万年前と言われています。その歴史の中で、火を使えるようになり食事の内容は変化したと言われています。
 高タンパクの食料を摂取できるようになりました。他にも魚を獲ったり、木の実や草を食べたりと、自然のものから栄養を摂取していた歴史がほとんどです。
 サプリメントが誕生したのは歴史の中で約百年以内の出来事です。人間の歴史の中のほんの一部の時間です。


 人間の体はその長い時間の間に進化してきましたが、その進化のスピードを考えると、自然の食料ではなくサプリメントのみで生きていくことに対応するための進化は長い時間を要するでしょう。ただ、ホモ・サピエンスが誕生してから現代を生きる私たちとの骨格的な違いはほとんどないと言われています。ビタミン、ミネラルが錠剤で取れるようになったり、カロリーをクッキーで必要量が取れるようになったことで、人間の食べものは大きく変化しました。人の体の変化はその何倍の長い時間を要します。
 もしかしたら、サプリメントの誕生を起点に人間の骨格が変化していくかもしれません。その結果が出るのは、果たして何年後になるかはわからない。今この瞬間を生きている私たちは、サプリメントが誕生して約百年以内の人類です。サプリメントを中心とした食事をするには、人間の体が対応しきれなだろうと考えています。


 生物が生きるために行う代謝。それを行うために、水を飲むこと。活動のエネルギーとなるカロリーを摂取すること。体の組織を作るためにタンパク質を摂ること。これらを自然の中にある食料や食べ物から吸収することが、人間にとっては必要なことなのです。

なぜ生きているかのお話


 前の章で生き物は、生きるために食べているというお話をしました。
 では生き物はなぜ生きているのかについて考えて生きたいと思います。
 これは禅問答のように人間はなぜ生きているのか、どのように生きていけばいいのだろうか、というメッセージではなく、生物がなぜ生きているのかという話です。


 結論からいうと、生物の生きる理由は「生まれたから」に他なりません。ここまで、命が繋がってきているから、私たちは今を生きているのです。人間も、そのほかの動物も、道端の雑草もバクテリアのような目に見えない生物も遺伝子を持っています。この遺伝子は生物が繁殖をするときに複製されて、次の世代にどんどん繋がって行きます。
 生き物はある意味、遺伝子の乗り物のような存在です。宿命的に遺伝子をつなげるために生きていて、それを目的としてそれぞれの種にはそれぞれの生存戦略というものが存在するのです。
 繁殖を終えたら、文字通り死んでしまう生き物もいます。そのような生存戦略を取っている存在として有名なのは、魚の鮭。川を登り産卵したらそのまま死んでします。 
 次に、虫のカマキリは交尾をして子供を産んだら、メスはオスを食べてしまいます。遺伝子を次の世代に繋いだことで役割を終えて、もう必要のない存在であるとその種の中では判断されるのです。
 このように次世代に遺伝子をつなぐ、繁殖することを1つの生きる使命としている。これがほとんどの生き物に共通している生きる意味でもあります。
 これは人間にも当てはまるのでしょうか。
 答えはイエスです。ただ、人間は子供を産んだからといって生命を終えるように仕組まれてはいません。お母さんになりおばあちゃんになり、ひいおばあちゃんになっても、寿命が尽きるまで人間は生きています。これは人間の生存戦略として、必要なことなのです。
 人間はある程度、母体で子供を成長させてから出産します。それでも超未成熟児の状態です。一度に複数の子供を産むこともありますが基本的には1人です。1つの母体から1つの子供が生まれます。この1人の人間を確実に成長させるための戦略を取っています。
 当たり前のことですが、生まれたばかりの子供が歩けるように、そして食べ物を食べれるようになるには二年ぐらいかかります。自分で自分の食べ物を用意して調理して食べるようになるには、もっと時間がかかります。
 そして、生まれた子供がまた子供を産むことができるようになるまで、次の世代に遺伝子をつなぐことが可能になるまで少なくとも20年以上はかかります。
 その間にも、単純に子孫を増やすのであれば、もう1人もう1人と子供を産むことができます。
 しかし、その間にも先に生まれた子供の世話をして、成長させていかなければなりません。人間の子供は少なくとも、1人では生きていけないからです。その期間、母親の両親が子供を育てていくという構図が、人間という種の生存戦略であると考えることができます。
 生まれてすぐに歩けるようになり、人と比較するとものすごいスピードで成長し、次の世代を産むことが可能な種も存在します。一回で何十万、何百万を産卵し生まれるのは数匹という生物も存在します。全てはそれぞれが進化の過程で選択してきた生存戦略によります。
 人間は、確実に1人の子供を成長させていくための戦略を取っているのです。
 子供を産めなければ、生きている意味がないなどというつもりは毛頭ありません。人は独自の進化を遂げて、繁殖すること以外にも様々な意味を見出して生きています。ただ、シンプルに人間を生物の一種であると考えた時に、生きる意味は他の動物と同じであるということを伝えたいのです。
 何度も繰り返しいっていることですが、生き物の食べる理由は、生きるため。なので本能的に食べているのです。しかし、今は本能が鈍ってきています。次に本能は一体何を求めているのかについて話して生きたいと思います。

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