ゆりかもめに乗ってみた
年が明けたって何も変わりはしないけど、験担ぎするように「あけましておめでとうございます」を言っている。
何か変わるのか、何が変わるのか分からないけど年明けに期待している人たちの気が知れない。飛躍の1年と宣言した人たちの誓いの繰り返しはロトのように積み上げられどこかの誰かに還元されているのだろうか。
夕方のゆりかもめに乗ってみた。最前列の2人席に1人で座った。ビックサイトが見えた後に止まった後の駅で家族連れがいっぱい乗ってきた。
小さい子が前の席に乗りたいとダダをこねだす。2人席の奥に行きたいのだが、最前列のそこは出っ張っていてスペース的に私は奥に行けない。
すると母親が靴を脱ぐように子供に言う。脱いだ子供抱え上げた次の瞬間、子供を空いたスペースに置いた。
「マジでか!?」
斬新なアイデアで驚いた。席がないからとあやすのではなく、空いて入れば飛び込むその親子のハングリー精神たるや。汐留の商社マンような親子はどこか満足気だった。
小学生でやった席取りゲームが人生の縮図だと気付かされる。椅子の取り方は漠然と習うが椅子の作り方は教えてもらえない。
降りると新橋。ルノアールと新橋珈琲が並んでいて意図的にふるい分けられた。
「今日は帰るの早いから」そう言ったあの人からの連絡を待つ。その連絡だけは期待してしまう。