晴れた夜とモテない女
晴れの日はそれだけで気分が悪くない。傘をささなくていいので両手がふさがらないで済む。洗濯物も乾くし、足元も濡れない。夜景を見に行ったって晴れてなければ眺めることもできない。
職場の子が結婚を切望しているが彼氏ができないといつも通り嘆いていた。その状況を望んでいるとしか思えない望みの高さで自らの身を転げ落としそうになっていた。
モテない子は「彼氏できない」
モテる子は「何も言わない」
考えてみれば当たり前のこの光景を人生で何度見てきたことか。モテる子は彼氏がいるから、あえてそれを言う必要がない。そのことでモテない子とモテる子のコントラストが残酷なまでにはっきりしてしまう。
モテない子は自分の話がないからか他人の恋に興味を持ち、すみっこまで聞き出そうとただの野次馬に成り上がる。話を聞いて満足して恋に恋し始めたら最後。本当に恋をしても鈍感になってしまっていて、なかなか一歩が踏み出せない。
彼女たちはジムやホットヨガで自分を励ましている。
見た目も大切だけど、その貧しい心を豊かにすることの方が急がれる。
2回席のカフェから歩いているカップルがよく見える。今日は晴れた夜だから。