見出し画像

Need more Teen film ~『ワンダラーズ』~

意気揚々と張り切ってみたものの、前回の投稿からしばらく経って現在2021年です。。今年も良い一年をみなさんと共に。

さて今回は、「Teen film」つまりは「青春映画」についてのお話し。

誰しも経験したことあるだろう、漠然とした思いや、満たされない何かに支配されていたり、はたまたこの世はまさにワールドイズマイン、恐ろしいくらい怖いもんなしだったあの青い十代。ときが経って思うのは、とてつもなく愛おしい時間だったてこと。そんな時代を思い出させて心を踊らせてくれるものこそ、"青春映画"ってわけです。

特に好きなのは、アメリカやイギリスの高校を舞台とした映画で、往年の名作だと『アメリカングラフィティ』、最近だと『ブックスマート』なんかはめちゃくちゃおもしろかったな。まあこれらについてはまた次回じっくり書くとして、今回紹介したいのは『ワンダラーズ』について。

1979年公開の映画『ワンダラーズ』舞台は1963年、ニューヨークの下町ブロンクス、オレンジとえんじ色が目立つスカジャンで揃えたイタリア系不良グループの「ワンダラーズ」を中心とした、剃り上げた頭と革ジャンが特徴のスキンズ集団「ボルディーズ」、紫のスタジャンで決めた黒人グループの「デル・ボマーズ」、名前が全員ウォンのつくアジア系の「ウォンズ」、そして作中一番過激な武闘派、アイルランド系の「ダッキーズ」などなど、当時のアメリカを象徴したような多種多様な人種のティーンエイジャー達がおりなす不良グループによる抗争を描いた映画だ。

ケンカに恋に、車にアメフト、そしてロックンロール。60'sのアメリカの青春映画には欠かせない重要事項が盛り込まれまくっている。そして"イケてる"。

冒頭でも紹介したとおり、それぞれのグループにはコスチュームがあり、それが象徴として描かれている。

物語の主人公グループ「ワンダラーズ」のチームスカジャン、襟をたてたシャツの上に羽織る揃いのスカジャンがカッコいい。イギリス映画の「さらば青春の光」でお馴染みの見立てたスーツにモッズコート、タイトめのリーバイスのジーンズにドクターマーチン、フレッドペリーのポロシャツなど、当時のヤングカルチャーにはファッションがアイデンティティで、後世に残した影響は計り知れない。もちろんこのスカジャンもシーンに影響を与え、日本でもこのデザインをオマージュした洋服が実は多かったりする。

今でも50's、60'sのファッションがリバイバルして人気があるが、当時のリアルな不良ファッションがこの映画には反映されているのが見所の一つだ。他にも、パーティーでの着飾るスーツとドレス、マフィアが揃えて着ているアロハの柄シャツなど、作中にはオシャレで"イケてる着こなし"が数々見られるので、ぜひ注目して欲しい。

そしてこの映画にもロックンロールが鳴っていて、映画タイトルとも同名の「Dion」の「The Wonderer」がテーマ曲だ。彼もまたニューヨーク・ブロンクス出身のイタリア系アメリカ人である。ネタバレになってしまうが最後の主人公の結婚を祝う際に、敵、味方関係なく「The Wonderer」を合唱するシーンがあり、心踊り出す一曲となっている。その他にも、知らない人はいないであろう名曲「Ben E. King」の「Stand By Me」、時代の変わり目を演出するようなシーンで印象的に聴こえる「ボブ・ディラン」の「The Times They Are A-Changin'」など重要な場面で挟まれる音楽がまた絶妙だ。オールディーズ好きな人にはたまらなく、あまり馴染みがない人もきっと気に入るグッドミュージックに溢れている。


今回紹介した以外にも、当時の時代背景がわかる人種間の対立や、恋物語や仲間との友情劇など、2021年から半世紀以上前のティーンエイジャーの生き様がとてもカッコよく、そして愛おしく感じさせてくれる”青春映画”だ。

"Wonderer"="さすらう" 

現代、大変な世の中になってしまったが、戦後の黎明期をたくましく生きる若者達が元気だった"あの時代"のこの映画からなにかヒントを得て生きていけたら。
さて次はなんの青春映画を語ろうかな...。ではまた :-) 


いいなと思ったら応援しよう!