見出し画像

【作例あり】期限切れフィルムとの付き合い方

※2019年の頭に書いたまま下書きに保存しておいたものを公開します。話題にタイムラグがありますがご了承下さい

⭐︎⭐︎⭐︎

あけましておめでとうございます。

みなさんフィルム写真ライフいかがお過ごしでしょうか。

2018年は富士フイルムのいくつかのフィルム(X-TRA400、Natura1600等)が廃盤になったりLomographyのフィルムが値上がりしたりして、平成も終わるというのにフィルム写真なんて酔狂な趣味に熱中しているばかりに懐が寂しくなってしまいしました。

かくいう私も富士フイルムの業務用400を愛用してきたのですがX-TRA400の廃盤に伴って業務用400も廃盤だそうで(業務用400はX-TRA400と中身が同じらしい)

ワンコインで買えるISO400の36枚撮りフイルムって選択肢もうほとんどないよね涙

ただでさえ現像代、プリント代、データ化代などでお金がかかるというのに。。

そこでですよ。

期限切れフィルムってご存知ですか?

熱心なフィルムジャンキーの方はこまめにフリマアプリやオークションサイトをチェックしていることかと思います。

最近フィルム写真を始めた方も聞いたことくらいはあるかもしれません。

でも期限切れってどーなのよ?ちゃんと使えるの?お腹壊したりしない?って思いますよね。

そこで実際に作例を見ながら検証していきたいと思います。


フィルムの期限が切れるとどうなるか

一般的にフィルムの使用期限が切れると

①感度の低下
②コントラストの低下
③カラーバランスの崩れ
④粒子が荒くなる

と言われています。

でもそれってどの程度?どれくらいの超過期間なら使えるの?

と疑問があるかと思います。

てことで今まで使った期限切れフィルムのレビューをしたいと思います。

一口にレビューといっても同じ種類のフィルムでも超過期間、保存状態によって個体差が様々なので一様には言えませんが、ある程度の目安になればいいなと。

①Kodak Ultramax 400(使用期限2015年10月)

撮影時期は2018年春頃なので3年ものの超過フィルム。

では見ていきましょう。

撮影機材は上から

・Nikon New FM2 Ai Nikkor 28mm F3.5
・Nikon New FM2 Ai Nikkor 50mm F1.4S
・Kyocera P Mini2

となります

画像1

画像2

画像3

どうですか?

3年オーバーくらいじゃ全く問題ないですよね?
バリバリ現役。

余談だけどKyocera P Miniの描写好き。樹脂プラスチックのちゃっちいプラカメだけど32mmっていう焦点距離も使いやすいし散歩カメラにバッチリ。ちょっと写ルンですっぽい独特のチープな描写。

では次

②FUJIFILM Superia X-TRA400(使用期限2011年10月)

撮影時期が2018年10月頃なので7年ものの超過フィルム。

7年って中学に入学した子が成人するまでの期間だよ?
さすがに何かしらの支障があるんじゃないの?

では見ていきましょう。

撮影機材はすべてNikon New FM2 Ai Nikkor 50mm F1.4S

画像4

画像5

画像6

どうでしょう……?

うーん、若干コントラスト低下してる……?

2枚目なんかはわずかにマゼンダがかってる気がしなくもない……?

いやいや、これくらいなら全然余裕で使える。

7年ものイケるぞ~。

③FUJIFILM SUPER400(使用期限2005年8月)

では最後。

もはやフィルム自体が廃盤製品。

撮影日が2018年5月なので13年近くオーバーのフィルム。
中学入学した子が大学も卒業して社会人になり3年経過して地に足がついてきた位の期間。。

これは確か25本で4500円位だったかな?

単価200円切ってる。最高。

いやいやでもちゃんと撮影できなきゃ意味がない。

はたしてちゃんと撮影できるのか。

では見ていきましょう。

撮影機材はすべてNikon FM2 Ai Nikkor 50mm F1.4S

画像7

画像8

画像9

うーむ、この盛大な色転びよ。

全体的にマゼンタかぶりでシャドーはグリーンかぶり。

1、2枚目は室内だったり夜間だったりでそもそもアンダー気味だったのかもしれないけどそれにしてもシャドーの階調が全然ない。緑がべたーっ。

3枚目はシチュエーションが晴天下だったおかげか中間色は階調が残ってるもののやはり盛大な色転び。

あと多分フィルム一本ごとっていうよりも、フィルムの1ロール内にも劣化のムラがある気がする。

ちなみに載せてる画像はすべて現像時にデータ化してもらってからは自分では何も手を加えていない状態です。

3枚目の写真のカラーバランスをPhotoshopでを整えるとこんな感じ。


画像10

これくらいならレタッチ前提であれば使えるかな…。

とはいえレタッチにかかるコストを考えるとせっかくのお得感も薄れてくる。
そのうえ撮影時にいい写真撮れた!傑作の予感!なんてことがあっても、いざ現像に出して1,2枚目みたいな手の施しようのない写真が上がってきたとしたら。。

やはりいくら安いとはいえ13年ものは安物買いの銭失いだったのか。

だがしかし、フィルムはあと24本あるので2本目にチャレンジ。

今度はフィルムの感度低下を考慮してカメラのISO設定を200にして+1段補正で撮ることに。

これも撮影機材はすべてNikon New FM2 Ai Nikkor 50mm F1.4S

画像11

画像12

画像13

+1段補正したらやはり色転びはあるものの1本目よりは階調も豊かになってきた。これくらいなら味として許容できる範囲かも。

でももうちょっと気楽に使える方法探っていきたいよね。

ってことで3度目の正直。ISO設定を100にして+2段補正で撮影。

撮影機材はすべてNikon FM2 Ai Nikkor 50mm F1.4S

画像14

お?

画像15

おお?

画像16

いい感じじゃない?

やはりどうしても色被りはあるものの2本目までと比べるとだいぶ発色も良くなってるし1枚目の山査子なんて淡い色調でむしろ色被りが好転してて好みの色調に。

これなら期限切れフィルムの味として割り切れば全然許容できる。

粒子が荒くなるってことに関してもしっかり露光させればそれなりに滑らかになるっぽい。

ちなみに13年ものの現像済みフィルムこんな感じ。
くるっくるにカールしちゃってますね。

画像17

結論

・+1〜2段補正した方が良い(超過期間によってはもっと?)

・同時期に期限が切れたフィルムを複数本買った場合は1本目で段階露出撮影して適正露出を探ったほうが良い。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?