エスキス克服にむけて

一級建築士の学科試験終わりましたね。

まずはお疲れさまでした。

ボーダー越えの判定出た方おめでとうございます。

7月22日に課題発表となり例年とは異なるスケジュールですが、少し休んだ後は製図試験にむけて、もうちょっとだけ頑張っていきましょう。

判定が微妙だった方は、生殺し状態でモヤモヤした気持ちで、身が入らないかもしれませんが、もしかしてということもあるので製図試験対策に着手しておいて損はないかと思います。

残念ながらボーダー届かなかった方は、気持ちが向いたら改めて取り組むことにしてしばし他のことやりましょう。この先読んで頂けるのであれば学科が無事合格された後、そういえばこんなこと書いているヤツいたなと記憶の片隅に残れば幸いです。

さて製図試験において、時間を要するものは何でしょうか?


そう、エスキスと作図ですね。


突然ですが、あなたはエスキス何分が目安だと思いますか?

やはり120分でしょうか。

大手の学校でもそのように指導していますし、多くの受験生は120分をひとつの目安として思い浮かべるのではないかと思います。

もちろん、エスキス時間120分は予備校の長年の取り組みにより得たノウハウと実績を踏まえて導き出したものかと思います。

120分で設計案が完成するからOK。要件多くても外さない!という方、頭の良さに憧れます。

ただでさえ忙しい中、努力を重ねてストレートで合格を勝ち取る方、よくやりきったなぁと尊敬します。

現時点でエスキスに大きな自信がある方、予備校の指導方法がばっちりはまっている方は以降のお話は惑わせるだけかもしれませんので、ページを閉じて引き続き対策に励んで頂ければと思います。


一方で120分かけても150分かけても、案がまとまらないというエスキスの迷子のような方ももいらっしゃいます。

今回の製図試験が初めてという方は、まずは過去問解いてみてください。何分かかるでしょうか。思ったより時間かかるのではないでしょうか。


ちなみに私も予備校に通ったことありますが、案をまとめるのにすごく時間がかかる生徒でした。クラスでは最底辺にいたのではないかと思います。


模擬や練習では120分かけてようやくまとまったかなと思っても、見直しで破綻していることを発見。

要件も満たせず、もう一度組み立てるには時間がまったく足りないということを何度も繰り返し、何なら学校の課題を1つでも、まともには解いたことがない落ちこぼれの一人でした。

そんな状態でしたから、初年度の製図試験はエスキスを120分を目標に進めるもののまとまらず150分が経過。

見直しはさっと10分見る程度です。すでに見落とし発覚です。
ですが後戻りはできません。

作図しながら修正しますが、やはり破綻し、要件外しています。
手からは嫌な汗が止まりません。

6時間半の試験中、トイレに行く余裕もなく
常にダッシュで走り続けている状態であっという間に終了。
そんな感じでした。

要求図面は汚いながらも何とか書きあげた、そんな状態です。

思い出すミスもたくさんあり、重い気持ちで予備校で再現図を書いて提出。

講師もフォローしようがない感じで
「製図試験は不合格と言われた人も受かる試験だからさ!」
「駄目だったら来年も頑張ればいいよ!」
と明るく声をかけてくださいましたが、
合否は明らかなため試験を終えたことを労いつつ、
あとは励ますしかない、そんな感じでした。

「この生徒は設計のセンスが著しく低いのだろうな。。。」
内心そんな風に思っていたのではないでしょうか。

長い製図試験の1日が終わった際、多くの方に応援・協力してもらったこと、安くないお金を払ったことのに報いることができなかったことが
恥ずかしく、また情けなくてしょうがありませんでした。

あの時睡魔に負けて寝なかったら。。
休憩を入れなかったら。。
後回しにしなかったら。。
ああしていれば、こうしていればと
甘えを少しでも出してしまったことに後悔ばかり。

自分を責め、しばらく家族と顔を合わせるのも会社に行くのも非常につらかったです。

学生時代も特段優秀だったわけではありませんでしたが、製図試験を受けるにあたり、怠けてばかりだったわけでもないため、自分は相当に人に劣るのだなと惨めな気持ちでいっぱいでした。


一級建築士の試験は難しいと世間的には言われています。
製図試験、計画がまとまる方とまとまらない方、合格できる方と不合格となる方の差は何なのでしょうか?

設計力?

頭の回転??

私はエスキスを克服するまでは、一級建築士試験とは崇高な選ばれた人、あるいはイチかバチで幸運が舞い降りた人が合格するものだと思っていました。

私は普段設計業務に従事しているわけではありません。
「やはり設計力や頭の回転が足りないのでは。。。」
「難しい試験だし、予備校から与えられるスパルタ的課題に加えて、
寝る間を惜しんで多くのことをもっともっと犠牲にして更に努力をしないとだめなのだな。」
「普段設計を仕事にする人に比べ設計に関わる時間は少ないけど、
設計やってる人たちはもっと忙しい中時間作って取り組んでいるのに。。。」

そんな風に考えていました。

振り返って思う事ですが、国もある一定数以上の有資格者を必要としている中、超選抜みたいな資格試験を作るでしょうか。

もちろん人命に係わることですので、それなりの努力を求めるとは思います。

しかし受験を決意し、基準を満たせば合格にする。
努力の仕方とこの試験が何のための試験かを間違えなければ
合格になる。

製図試験も他の試験と同様、合格できる試験なのです。

私が無事製図試験に合格できたのは、時間を要するエスキスの時間を短くしたためです。

エスキスに時間かかっているのに、エスキスの時間を短くして合格なんてできるのかと思われる方もいらっしゃると思います。

一級建築士試験のエスキスのやり方がわかると、かかる時間は7割~半分になります。

実際、私が合格した製図試験本番のエスキス時間は、1時間を切っています。課題文に従って内容をポコポコとあてはめて行きあっという間に完成です。

課題文に従って考えていくと、記述もエスキスから導きだされ、こんなことが問いたいのだな、ここを確認したいのだなという試験元の意図が手に取るようにわかるようになりました。

記述完了までで2時間かかってません。
私が製図版を取り出す頃、周りは記述の書きだしとチェックをしている状態です。

私は残り4時間半作図と見直しに時間を使いました。

建築に関わる方であればすぐに理解でき、また練習により身につきます。
予備校の方針、講師のやり方やそれらを自分なりにアレンジしたりネットから得た解き方で答えをひねり出すものではなく、決まった手順を踏むことで効率的に案がまとまります。

グリッド割の検討、駐車場と建物との関係、ゾーニングをどう取るか、諸室の辻褄合わせなどで悩む必要はありません。

繰り返しになりますが、手順とルールを身につければ簡単に解けてしまいます。毎年、何かしらのサプライズが仕込まれていると言われますが、
安定して解けるのであれば、緊張も減り落ち着いて対応ができます。

・課題文の読み方
・外構施設の考え方
・グリッドの組み方
・延べ床面積の設定の仕方
・スパンの調整の仕方
・ゾーニングの取り方
・諸室の置き方
・チェックの仕方
・図面の書き方
・記述の書き方

全てが方法であり、一つ一つは理解が難しいものではありません。

例えばグリッドの組み方。
学校によっては、7m×7mグリッドで考えるという方針を
出しているところもあるかと思います。
このスパン割りは非常に便利です。

しかし万能ではなく、外構が納まらなかったり、面積が足りなかったり、部屋の位置が諸条件を満たせないことも昨今の試験では十分にありえます。

本番、冴えに冴え、短時間でグリッド決定出来ればよいですが、
そんな賭けのようなことは出来るだけ避けたいものです。

何を根拠にグリッド決定しますか?トライ&エラーで、諸室を配置して確認していきますか?

運良くはまれば良いですが、ハマらなければ手戻りも多くなり
精神的にも時間的にも消耗していきます。

実はグリッドは悩まなくても、決められるのです。
スパン割決めるのに、30分60分以上かかっている方もいらっしゃるかもしれません。

本当はもっと短い時間で決められるのです。

私も悔しい思いをした1人です。
だからこそ解き方を身につけ、少しでも多くの方に早く結果を出して頂き、製図試験で多く時間とお金の浪費を避けて頂きたいと思いnoteにて公開しようと思いました。

解き方は有料noteとして順次公開していく予定ですので、よろしくお願い致します。



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