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【エスキス60min】H23 介護老人保健施設 過去問解いてみました。※記事最後にトップの図面あり

こんにちは、さよきすです。

少し時間空いてしまいましたが、H23過去問をエスキスしてみました。

このnoteはエスキスの進め方に悩む方、エスキスのスピードを上げたい方向けに書いています。

今回のH23過去問ですが、解くにあたって実況的なタイムもつけています。

合計タイムは表題の通りです。尚、グリッド出しまで10分ほどで完了しています。

最初は目標が高く感じるかもしれませんが、まず完璧でなくても良いので、課題文を頼りに条件が網羅された案を手早くまとめることを意識してみてください。

まずはチビコマで、案を考えます。チビコマは小さなコマですが、条件に合う合わない、建築的にあり得るかあり得ないのかが、判断できるようになってきます。チビコマの便利なところは、案をいくつもすばやく検討できることです。部屋の繋がり、面積的に納まるかどうかはチビコマがあれば確認できます。

もしチビコマで納まらない場合は、思い切って前工程戻ることが大事です。(例:床面積の合計が上限に対し余裕あるのに、下限側で無理やり納めようとしている。明らかに敷地や部屋数に対して細長すぎる建物形状なのになんとか納めようとしている。等)


本課題の案ですが、やはりこれが正解というわけではなく、過去の記事内容を踏まえて解くとこうなりましたという回答の一例です。

もっと時間をかけることで、さらに良い案が出せるのかとは思いますが、このnoteでは合格に向けて手早くエスキスを終わらせることを主眼においているため、ご了承ください。

はやくエスキスができると心の余裕がすごく生まれます。残り5.5時間で図面と記述終わらせればよいわけですから。

では過去問を解く前に、試験元が事前にHPで告知していた内容をみておきましょう。以下のような内容でした。

平成 23年度設計課題
「介護老人保健施設」
(通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設である。)

要求図書
1階平面図兼配置図(縮尺1/200)
2階平面図(縮尺1/200)
基準階平面図(縮尺1/200)
断面図(縮尺1/200)
2階梁伏図(縮尺1/200)

面積表

計画の要点等

(注)要求図面に、図示又は記入するもの
主要寸法、室名、床面積
構造種別、架構形式等に応じて必要となる構造要素
柱、梁等の断面寸法
設備スペース、設備シャフトの位置
避難階段に至る歩行距離・歩行経路   等

この年の事前発表課題みると、今となっては当たり前のことが書かれていますね。逆にH23以前にできてなかった受験者がたくさんいたということでしょうか。

先に課題の内容に触れておくと、人によっては戸惑う問題だったかと思います。

まず他の年の過去問は東西に長い敷地が多いですが、この年は南北に長いです。東西に長い場合は解けるのに、南北に長くなるだけで視界が狭くなり、普段できることができなくなることもあります。

この年は対策が十分でない受験生は、見慣れない敷地パターンに焦った方も多かったのではと思います。

また、1コマ1部屋で入りそうな要求室面積になっていますが、いざいれていくと全部屋は入らない部屋数になっています。

あと気になるのは、H23は作図が全部で5面になっていることです。最近の課題では梁伏図の要求がありません。

R2の課題発表では、「作図内容は当日明かす」旨の記載がありましたが、もしかすると久しぶりに梁伏図が要求図書に含まれるかもしれません。自分が受験するなら、対策しておきます。試験元の「過去に似たような施設出すのだから、過去問くらいみてるよね?」という意図を感じてしまいます。

逆に対策してない受験者は解けないため、一定量の受験者を落とすには良いかもしれません。

試験元は、心理的に焦らせる要素を、毎年何かしら盛り込んでくるのは有名な話です。ただ、試験内容自体は本質的に変わっていないため、落ち着いて対処してください。

では、問題を解くにあたって進める手順を確認しておきましょう。流れは前回と同じです。

Ⅰ.準備

Ⅱ.アプローチ決め

Ⅲ.へり空き確認と外構施設に必要な寸法の仮定

Ⅳ.建物のグリッド出し

Ⅴ.ボリュームだし

Ⅵ.ゾーニング

Ⅶ.要求室の割り振り

この順序はどんな問題でも同じです。流れを身に付けるのであれば読むだけでなく、思い出す、復唱する、紙に書くなどしてみることをオススメ致します。

前段が長くなりましたが、解いていきたいと思います。

Ⅰ.準備-利用者確認、建築面積算出

1.主文を読んで利用者を確認

主文には、

①居住区の入所者84人
②デイケア通所者15人

と明記されています。

また上記に加えて、

③②の利用者に同伴する家族や介護者

も、主文には明記されていませんが、この段階で想定しておいても良いかもしれません。

<経過:20秒>

2.建築面積の確認

敷地の寸法35m×38mで、建ぺい率:80%ですので

建築面積:35×38×0.8=1,064㎡

となります。

<経過:40秒>

Ⅱ.アプローチ決め

アプローチを確認します。

敷地をみると、西:18m道路、東:8m道路、南:公園、北:病院があります。

西が太い道路+歩道つきなので、メインのアプローチとなりそうです。なぜ歩道つきがメインのアプローチの候補となるかは、以下の記事で触れています。また周辺環境の分解も行っていますので、H23の過去問でも同様に分解してみてください。

管理の入り口は、西側の北寄り or 東側と考えられます。

アプローチ

<経過:45秒>

Ⅲ.へり空き確認と外構施設に必要な寸法の仮定

へり空き設定にあたって読む場所は、ひとつに限られます。

へり空きの設定する方法については、H27の記事をご参照ください。

すると、へり空きは以下のように設定できます。

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