【脱120分エスキス】一級建築士製図試験で配られる下書き用紙の使い方の話
こんにちは、さよきすです。
今日もお仕事や家のことなど、たくさんのタスクある中での勉強、お疲れ様です。
すぐにやる気がでないなーと思ったら、少し目をつむってみてください。集中力がたまった、気持ちが入ったなと思ったら、昨日より少しだけ成長できるよう、対策を進めることにしましょう。
今回は下書き用紙の使い方について書いてみようと思います。
課題を製図までこなす中で、時間が足りないという方は、そもそもの考え方が身についていない点もあるかと思いますが、下書き用紙がうまく使えてなかったりムダな動きが多かったりすることも原因の一つにあるかと思います。
私も最初は下書き用紙を適当に使っていましたし、今思えばムダと思えることをたくさん書いていました。
エスキスの作業自体が早くなるよう練習するのはもちろんですが、製図作業は、ちょっとした工夫で効率化できたりします。下書き用紙の使い方ひとつによっても、作業効率をあげることができます。
では私が実践していた下書き用紙の使い方をご紹介していきます。
1.下書き用紙をA4サイズまで折る
まず一級建築士試験の下書き用紙は5mm方眼です。
尚、過去の製図試験はA2で配られていました。
これは学校でも同じだと思うので、すでに慣れている方も多くいらっしゃるかと思います。
私は製図試験の勉強を始めた頃はA2サイズのまま、使いにくいなと思いながら、特に工夫をすることもなく使用していました。
しばらくした後は半分に折ったりしましたが、最終的に半分の更に半分=1/4に折ったA4サイズの大きさに落ち着きました。
とは言え、必ずA4サイズに折れということではありません。1/8サイズまで折った方がやりやすいという方もいらっしゃるかもしれません。
試験会場は想像以上に机が狭いので、スペースが節約でき、かつ製図作業の際にかさばらないようすると円滑に進められます。
2.方眼の使い方
1)チビコマ
折った下書き用紙は横使いとし、グリッドの検討や要求室の大まかなプランニングは、いわゆるチビコマと呼ばれる5mm方眼1コマを1スパン(6~8m)として行っていました。
尚、チビコマ用のスペースにはA4一面を割り当てて検討していました。
チビコマは確かに小さいですが、素早く案を検討し候補を絞っていくのに優れています。
課題文を読んで組上げていくと、いくつか候補案が出てくると思います。どの案が破綻なく進められそうか、取捨選択を手っ取り早く行うためには、一気に全体を見ることができて、かつ手を動かす量が少ない方が効率よく検討を進められます。
またメモ的に手を走らせることができ、考えたことをすぐにアウトプットできる点でもメリットがあります。
1コマのスパンが6mでも7mでも、コマが小さいため誤差の範囲でしかありません。スパン寸法に関係なく、1コマ1スパンとして手を進めます。
尚、1コマ1スパンで検討する際も消しゴムは使わないようにして時間のロスを減らします。消しゴムを使う時間は、考える時間にはなりません。
消しゴムは使わないで、この案はだめだなと思ったら空いているスペースで改めて検討します。
スパン寸法は該当するスパンの付近に「6」とか「7」とか書いておけば、十分にわかります。納まらない場合は、スパン割の数字を書き直せばよいのです。
1コマの寸法は6、7、8mのいずれかなので、その半分は3、3.5、4mとなります。利用者の部門の廊下はコマの半分を目安としておけば、必要幅を確保できます。
またコマの1/3だと2m程度は確保できていることなります。管理部門は1/3を目安にすると良いかと思います。
チビコマで検討すると廊下がまっすぐ通っているかも、一目瞭然で確認できます。
2)4倍コマ
案が絞り込めたら、今度は4倍コマ(4コマを1スパンとします)として条件を外さずに要求室が入るか部屋を割り振っていきます。
チビコマでの検討段階であたりはついているのでさほど時間はかからないと思います。
もしうまく納まっていない場合は、4倍コマ上で調整します。
決定的に誤っていることが明らかな場合は、改めてチビコマに戻って検討をします。
手戻りするなら、早い段階の方が良いです。図面を書き始めてから、納まっていなかったことがわかると取り返しのつかないことになります。
4倍コマで検討する際もスケールはそんなに細かく意識しなくても大丈夫です。チビコマの倍となるだけなので、1コマの縦横が3、3.5、4mとなります。
4倍コマでプランニングを行うと、A4サイズに3面入るかと思います。1階の外構も書くことができるので、条件を満たしているか、破綻していないか確認することができます。
1/400で検討しても良いですが、1コマ2mとなるだけで4倍コマとさほど変わりません。もし寸法精度に不安があるなら1/400で検討くらいで細かく検討する程度に思っておけば良いかと思います。
3.図面化する時、下書き用紙は定規に貼る
案が完成したら、4倍コマの面を見えるようにして、T型定規にはります。
製図作業をしていると、下書き用紙の置き場所に困ったことはありませんか?定規を移動させるたびに、下書き用紙も移動させなくてはいけないため、結構面倒だったりします。
定規に下書き用紙をドラテで貼ってしまえば、定規と一緒に下書き用紙も動いてくれ省スペース化できますし、案の確認もラクにできます。
【補足】エスキスの練習用に普段持ち歩く方眼
私は夜になると眠くなってしまい集中できないため、まだ体力の残っている昼休み中や帰宅前のカフェを利用してエスキスの練習をしていました。その際、A2サイズの下書き用紙は使えないので、A4の方眼ノートを利用していました。B5サイズのノートでも、4倍コマならレイアウト次第でギリギリ3面入ります。
またリングで止めてあるタイプの方眼ノートもありますが、リング部分が浮き上がってエスキスにはあまりむかないかと思います。
ノートには
①取り組んだ日付
②取り組んだ課題
③案をまとめるのにかかった時間
を入れておきます。
そうすると課題を繰り返し練習する中で、過去にどのように考えつまづき、またうまくいったのか、どれだけまとめる速くなったかが見返せ、自分の実力の伸びを実感できます。
課題がコンスタントに60分程度で解けているなら、エスキスについてはもう十分な実力があると思ってよいかと思います。あとは建築の知識やパーツのパターンを増やし、合格をたぐりよせましょう。
今回は以上となります。
まとめると、
1.A2の下書き用紙は折って使う。2回折った1/4でA4サイズ。
2.考えられる案は最初にチビコマで絞る。絞った後に4倍コマで検討。
3.製図する際は、最終案が見えるように下書き用紙を定規に貼る。
4.持ち運び用の方眼はA4サイズの方眼ノートがオススメ。
となります。
周りとの力の差を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
不安になるためあれこれ情報を得たくなることもあるかと思いますが、様々な情報に触れていくと、本当は合格には関係ないことにも気にかかってしまうこともあります。
まずは基本的な力を身に付けて、押さえるべきことを勉強するのが合格への近道かと思います。
一級建築士の勉強にあたって、あなたの参考となりましたら幸いです。
合格すること、心よりお祈りいたしております!