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プロローグ①

 小学生の時から歴史が好きだった。歴史というより、戦国時代が好きだった。群雄割拠、国盗り合戦、そんなところに面白みを感じたのだろう。
 何の大河ドラマかは忘れたが、父親が一緒に見ながら戦国の様子を説明をしてくれた。チラシの裏に鉛筆で適当な日本地図を書き、時系列とともに織田家が領土を拡大していく様子を教えてくれた。
 そこから、友達に教えてもらった戦国無双や自分で見つけた太閤立志伝をやりこんで、戦国時代の知識を詰め込んだ。小学生にしてはよく知っている方だったと思う。
 
 しかし、戦国熱は一旦冷めてしまう。少年野球(小学生)、ミスチルやピロウズやギター演奏(中学生)、ロックバンドやライブハウス(高校生)などなど、他に熱中するものが見つかったからだ。
 大学生になって信長の野望〜天道〜にハマった。久々に戦国に触れた気分。しかし、就職して長い時間ゲームにのめり込む時間もなくなった。

 社会人生活がスタートして、今の嫁さんにも出会った。ライブには依然としてよく通うし、趣味は変わらず続けているつもりだった。2022年の夏、初任校で最後の夏休み。仕事にも余裕があった。夏休みには、ディズニーに行く予定もあったし、沖縄にも行く予定があった。でも、よく分からないけど、「他に何かしたい。」と思って一人したいと嫁さんに相談。なんとなく受け入れてもらった。

 当初、行き先は決まってなかった。沖縄にも行くし、遠くではないところ。それで、何か美味しい物を食べられるところ。そんな感じで長野がいいかなと思った。でも、長野で昼間何をするか…
1人で遊ぶようなところに行きたいわけではないし、夏なので自然に触れたいわけでもない。そこで、なんとなく昔から好きだった戦国時代の建造物。お城に行くことにした。昔、死んだじいちゃんとばあちゃんと父親と行った松本城が何となく頭に浮かんだ。

 行き先は決まり。あとは、お気に入りのドーミーインホテル(夜鳴きそばとアイス食べ放題)の予約をとった。着々と夏の一人旅の計画を進めていた。


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