母の不安で自分の知らない自分の経歴があった件。②

そうして思春期を駆け抜け一人立ちをし、母との微妙な生活に距離を設ける事で家族の形を保つ術を得た。結婚し、子供が生まれ、ばあばとして手伝いに来てくれた母に、とても感謝している。普通の有り難い生活が子供の成長で慌ただしく過ぎ子供も小学生だ。

2019年の元旦に家族を連れて母の家で過ごした。トランプをしたり、ご馳走を食べたり、子供が生まれてから続いていたお正月がまたやって来た。しかし、その年の元旦はちょっと違っていた。

キッチンに高く積まれたサプリメントの箱。グルコサミン。製薬会社の物なので粗悪ではなさそう。しかし、量が尋常ではなく。たまらず母にそのサプリメントについて聞いてみた。膝が痛くて起き上がれない程だったのが、そのグルコサミンを飲んだら痛みが良くなった。安く買える月があって、まとめて買った。心にもやもやと昔のつかえが戻ってきた。

また盲信だ。

整形外科で処方してもらう薬では救われなかった痛みが、これで救われたんだそうだ。元旦で楽しそうな子供に水を差す結果になってしまった。あれこれ質問している間に母が感情的になり、次第に私の声が大きくなり、阿鼻叫喚になってしまった。

なんとなーく、本当になんとなーく、あの教会の私の籍は本当に抜いてあるのか確認したくなった。確認したら、抜いてあるよ、そんな事言うなら親子の縁を切るか!?と鋭い言葉を投げられた。

ああ、探られると痛い腹があるのか。

愕然とした。自分の選択で辞めた信仰で初めて意思を通したと思っていたが、違うのかも知れない。その晩は子供にあまりに酷い冷や水を浴びせてしまったので、追い出される様に自宅へ帰った。

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