120,愛とピカソとテートモダン
9月の最初の週で、一気に仲の良い友達が帰国していった。
半年間一緒に英語学習をして一緒に成長した仲間が帰っていく切なさと、
クラスの先生から授業終了時にあっさりと卒業証書もらって普段通りにサァーっと散っていくサッパリさが入り混じって
言葉にできなかった。
私が入学する前から、勉強していて1年や10ヶ月を終える生徒ばかり。
でも、けっこうあっさり。
というのよも、世界中から集まる若者は、学校の授業よりも授業が終わった瞬間に得られる解放感のほうが好きみたい。
どの国のわんぱく生徒は同じですね。
それと先生にとっては生徒の卒業なんぞ日常茶飯事なんだなぁと。俯瞰に見ていた。
まぁ、さよならはそんなにさみしいことではない。生きてるから。
この地球上で生きてる限り、さみしくはない。
ごちゃごちゃした感情を抱いた一週間を終えて、また私はテートモダンにきていた。
目的はピカソ展をしていたから。
意外にもテートモダンでは初のピカソ展なのだそう。もっとしてそうなのに。
そんなこともあり、いろんなアート情報誌から取り上げられてた大人気のピカソ展。
空いてる朝早い時間を選んで、テートモダン参り。(わたしは神社参拝するイメージ)
そうそう、せっかく朝早く出たし、ひんやりした空気が気持ち良くてテートに到着前、近くのカフェでポリッジを食べた。
今まで、日本在住のイギリス人友達から教えてもらってたポリッジレシピでよく作ってはいたけど、お金を出して食べるのはこれが初めて。
私が作るやつは北イングランドのレシピなので甘くない。塩を入れておかゆみたいして食べる。
初めての甘いポリッジ。
めちゃくちゃほっこりしました。
「おお、イギリスにいるんだぁ〜感」に浸りました。
ピカソ展のチケットを買って、鑑賞。
涙がじわりじわりとあふれでてくる。
といのもテーマのひとつにLOVEが含まれていた。
なんかものすごい自己中で我がままで子供のようなくせしてエロいことばっかり考えてるピカソが
昔はそんなに好きじゃなかった。
(すんません。独断と偏見です。)
テートモダンで展示されてたのは、芸術家スーパースターのピカソじゃなくて、
"なんの変哲もない素朴な絵描きさん"
といった、彼の日常を切り取ったような作品がいっぱいあった。
恋人を描いたものには、愛が溢れていた。
このなんとも言えない暖かいまなざし、心踊らせて筆を走らせたピカソが目に浮かんで、じわじわと暖かい涙がこみ上げてきた。
思い返せば、このロンドン留学は愛に溢れてたなぁ。
知らない人から、たくさん笑顔もらって名前を呼んでもらって。
英語の勉強してるの?教えてあげるよ。と見ず知らずの私にレッスンしてくれるその辺の人。
道を教えてくれる人、突然世間話をして笑わせてくれる人、見つけたら手を振ってくれる人、、
友達も先生にも、仲良くしてもらって、
いつも芸術の神様や土地神様から守られてる。
愛にいっぱいの世界に来れて私は幸せだなぁ。
と気づいて、幸せを噛み締めていた。
去り際、結構混んでてびっくりした。
やっぱり芸術鑑賞は圧倒的に午前中がおすすめです。
プロポーズまであと386日