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56.森の神様

お城も堪能したし、B&Bに早々戻ろうと決めた。
だがその頃、電車はストライキで帰りの電車は来ないことが確定していた。

泊まり先のB&Bからやや歩くけど、バスでも帰れるルートを発見した。
お城の掲示板に目をやるとバスの時刻表が貼られているのを偶然に発見。なんて運がいいのだろう。

次のバスは、、、5時!
その時、時刻は3時。2時間待つ必要がある。お城のカフェは4時には閉まる。
お城の周りは、見事に牧場なのか草原なのかただただ、のどかな風景が広がり、小鳥のさえずりが響く。


今日は待ってばかりだなぁ。とその日を思い返した。
早朝起きて太陽が出るのを待つ
電車が来るのを待つ
そして次はバスを待つ

小沢健二が「音楽はひょっとすると、人生にとって意味のないものかもしれない。でも音楽があれば人は待つことが出来る。」

ってなんかの雑誌かライブかで言ってて、このセリフが頭をよぎる。
そう、わたしには音楽があるのよ!ふふ〜ん^_^♪

と、思ったのも束の間、私はイヤホンを持ち歩かない。おまけにスマホの電池もあぶない。

ということで、お城の敷地内にあるガーデンや森を散策して時間を潰した。わたしにはカメラがあるのよ!ふふ〜ん^_^♪

白馬まみれ。 みんな無我夢中で、草を食べていた。

一頭の白馬さんがこちらにトコトコと歩いてきてくれた。大きい、足も極太。立派だった。

変な顔して笑わせてくる

少し歩くと森がある。入り口ゲート付だ。入場料いるのかわからなかったけど、ゲートの鍵は開いてるし、周りに誰もいないから入っちゃえ!と勢いまかせで入る。

森に入ると完全に森モリしていた。途中、道なのか道じゃないのかよくわからないぐらい、足元は不安定になり、自然天然そのままだった。

この後、この茶色い道がなくなって全部緑になってしまう。
一応森の地図はあるんだけど、道がないのだ。アンジーさんが変な方向に行っただけなのかもしれん。わからん。
加えてアンジーは方向音痴だから帰れなくなる可能性大だなって思った。まぁ、そうなったらそれでいい。と動揺はしない。

森の中で、風がザワザワと通るのが見えた。神様がいっぱいいた。

こうまでしないとわたしは、ぼーっとできないから、ちょっと荒業でここまで呼んだとのこと。
スマホの電池もない、おまけに圏外。街も店もない。公共交通機関もない。森しかない。この条件を揃えるために、ここまで呼んだんだと!

次に、「さぁ、めいっぱい森林浴しなさい」と言われた。

そこまでしてくれた神様たちに感謝しつつ、言われた通り深呼吸を繰り返して身体の中に溜まった悪いものを吐き出して、クリアな空気を身体の中に取り込んだ。
「悪いもの吐き出してごめんなさい。」と言ったら
「それを受け止めるために、ここまで呼んだんだよっ!!!」

と言われる。笑

頭の中がスッキリして、まるで長い瞑想か座禅でもしたかのような、心の奥が明るい暖かさでいっぱいになった。
そのあとは、神様に言われた通りの方向を向かうと大きな道路に突然出た。

結構な時間、森の中を彷徨っていたと思ったのに、大きな道に出たらすぐにお城の方角もわかり、そんなに距離自体は離れてなかった。
これで、迷わず帰れる。マジ神対応でした。

森側から見えるブレア城は、一段と綺麗だった。スコットランドの国旗も美しく映えた。本当に天気が見事だ。

時間もちょうど良くて、ブレア城から出てバス停まで歩くと、絶好のタイミングでバスが来た。

バスに乗って、B&Bに帰る。
朝調べた、チョコレート屋さんのことはすっかり忘れていた。


プロポーズまであと470日

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