ZKXの謎仕様を利用して悪いことをしていた話
こんにちは、おん @BuyBitcoinHODL です。
(https://twitter.com/BuyBitcoinHODL)
一昨日7/30にZKXがサービスを終了しました。
2024年1月にPerpDEXをリリースし、半年ほど稼働していましたがこのファウンダーのツイートのとおり「利用者が少なく維持費を賄えない」という理由でサービス終了しました。
8月31日までに資金を引き出せとアナウンスが出ています。
実は私はここ半年間こいつにかなりお世話になったので、どうお世話になったのか書き残しておきます。
ZKXとは
先述しましたがPerp DEXプロジェクトで、チェーンはStarknetです。
Perp DEXとはDEX上で無期限先物(Perpeputual)の取引ができるっていうやつでHyperliquidとかと同じようなものです。Hyperliquidすら知らない人は仮想通貨やめてください。
他のPerpDEXとどう違うかについてはtatsuさん (https://x.com/kabumohezi) のツイートが詳しいので興味があれば読んでみてください。
ただ、正直に言うと私は未だにこのあたりの技術的な話は大して理解していません。あと今回話す内容ともほぼ関係ないです。
ある程度資金調達が済んでいるPerpDEXの一つとして触ってみたら面白かったという感じです。
ZKXの謎仕様とは
結論から言います。
ZKXではひとつのトレードペアに対してロングとショートを同時に持つことができました。
DEXでもCEXでも、Perpでこのようなことは基本的にはできないはずです。
画像のように10万STRKロングと10万STRKショートを同時に持っていたりとかしていました。レバレッジは基本的にmaxの10倍をかけていましたが、数か月のうち一回も清算されることなくポジションを持ち続けることができました。
この仕様はバグなんじゃないかとDiscordで運営に問い合わせましたが「まあ別に問題ないっしょ」的な返答を貰いました草
この仕様を悪用?して稼げたので実際には運営側からすればめちゃくちゃ問題だったはずです。
以下この仕様を用いて稼いだ点2つについて話します。1つ目はトレードマイニング、2つ目は補助金STRKマイニングについてです。
①トレードマイニング
2024年1月下旬にローンチされるのと同時にトレードマイニングが開始されました。
ざっくりとした概要としては毎日、Profit(利益) Loss(損失) Volume(取引高)というカテゴリ3つのトップ10に対しZKXを配るというものです。
2月 仕様に気付かず脳死虚無お削り
始まってすぐの2月あたりまでは先述した仕様に気がつかず、ポジションを開いてはすぐ閉じてVolumeとLossを計上するという皆大好き虚無お削りをしていました。
このころの $ZKX 取得単価は平均0.1ドルくらいでした。
(トークンとして示すときはドルマークをつけて$ZKXとします)
この1ZKX = 0.1ドルが安いかについて
ZKXはHashkeyやGate、またStarkWareつまりStarknet自体から合計7.6Mの資金調達を受けていました。
また、トークンの割り当ては以下のようになっています。
Investerへの割り当てが25%、つまりFDVが$7.6M/25% ≒ $30M まで到達してくれなければVCたちは赤字になってしまいます。
Total supplyが100MなのでFDV $30Mのとき、1ZKXは0.3ドルです。
つまり0.1ドル(FDV $10M相当)で掘れるのはVCより安い価格でトークンを買えるため、まあそんなに悪くはない。
ゴミみたいなUIで人も集まっておらず、FDV $10Mも怪しいなとは思っていましたがStarknet自体がバックについているし何かしらテコ入れとか、他のVCからもお叱りとかしてくれんじゃねという楽観でちびちび掘っていました。
なお、ゴミみたいなUIかつ人がいなかったのは一昨日のサービス終了までずっと変わりませんでしたガハハ
3月 例の仕様発見
例の両建て可能仕様に気付いたのが3月ごろだった気がします。
ロングとショート両方を常に大きく持っておいて、毎日のランキングでトップがとれそうなProfitとLoss分だけ取り出すということを始めました。
具体的には、上の画像のようなポジションを常に持っていたとして現在ロングが損失12000ドル、ショートが利益12000ドルほどになっています。
現在のランキングがこの画像のようになっていた場合、1位のProfitが2356ドルなので、2400ドル分の利益が出せるようにショートポジションを一部決済します。
同時にロング側も同じ量のポジションを決済して2400ドル分の損失を作るという形です。
実際には過疎もいいとこなので、数百ドルくらいの利益や損失で1位をとれました。
この方法でランクイン報酬の $ZKX をかすめとっていき、 平均取得単価を0.02ドルくらいまで下げることができました。
VolumeとLossをたくさん計上する形の虚無お削りに比べて取引量(≒手数料&スプレッド)が極めて少なく済んだのが大きいです。
さて、0.02ドルで取得できた$ZKXは6月19日にBitget, Kucoin, Gateに上場
https://www.bitget.com/ja/spot/ZKXUSDT
上場直後は1.5ドルつけました草
Claimまで保ってくれれば一撃75倍だウオオなどとウキウキしていましたがもちろんこんなゴミdappsにFDV $150Mなんて価値はありません。
ゴリゴリと下がっていき、私などトレードマイニング勢がトークンをClaimできたころには0.4ドルくらいになっていました。
なお私が莫大な量の $ZKX を投げ売ったので一瞬で0.3ドルを割ったりしました、ごめんて。
数字上は大体10倍強くらいになったので良かったのかなと思います。
そういえばトレードマイニングで得た $ZKX は6/19に全てアンロックではなく未だにいくらか囚われています。
最終的な実質の利率は5倍くらいですかね。
金返せ
②補助金STRKマイニング
DeFi Springという、Starknetがチェーン上のdappsにSTRKをめっちゃ配るというキャンペーンが2月から開催されています。
いわゆる補助金キャンペーンですね。
First Roundの予算として40M STRKを配布予定です。
対象dappsとしてZKXも選出されており、ZKXユーザーに4/22から年末までSTRKを配ってくれるというアナウンスが出ました。
Starknet自体から資金調達しているZKXが選出されるのは当たり前だよな。
https://zkx.fi/blogs/welcome-to-starknet-defi-spring-phase-3-with-zkx
アナウンスを読んでいくと面白いことが書いてありました。
3. How you can earn $STRK: Your allocation of $STRK rewards will be calculated based on your Trading Activity and Open Interest.
Open Interestつまりユーザーが保持しているポジションに対してSTRKを配ってくれるということです。
熱いよな。
40M STRKというキャンペーン予算に対して選出されているdappsはだいたい30個ほど。
dappsそれぞれの規模や評価によってある程度傾斜はあるとしても1M STRKくらいはZKXが貰っても良いはずです。
トレードマイニングの過疎加減からしておそらく30人もいないユーザーでその1M STRKを分け合う。
(Mはmillion, 100万を意味します。1M STRKは100万STRK)
ここであの謎仕様が再度火を吹きます。
私含めて仕様を知っている数人くらいはロスカ無しレバレッジ10倍でポジションを一生持っていたでしょう。
2週間ごとに3~5万STRKくらいを配るようで、その内20%くらいを私が受け取っていました。
これに必要だったポジション量はロングとショート合わせて60万ドルほどです。
レバレッジは何度も言っていますが10倍かけており、正味の必要資金は6万ドルほどでした。
この両建て仕様があったためにAPR300~200%くらいを出せていたという形です。
ステーブルLPでこの利率が出せるDEXはありません。
ちなみに5月あたりは1.4ドルくらいつけていたSTRKが最近は0.7ドルとかになってるので、APR下落も著しくて悲しくなってました。
まあサービス終了したから0%になっちまったけどなガハハ
年末までAPR200%貰っていれたらなと思うとまじで辛いです。
終わりに
今回は運よく変な仕様が見つかって良かったねという話でしたが、2つ目に話したような補助金関係は色々なところにエッジがあると思うので調べたい人は調べてみると良いのではないでしょうか。
どんなにゴミみたいなUIでも人が集まってない過疎dappsでも収益機会はあるものだなと思い知らされました。
読んでいただきありがとうございました。
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