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"down-to-earth"

千葉の外房に引っ越してから一カ月が過ぎた。とにかくここには自然しかないのではないか?と思うほど、海か山しかない。そしてなぜか東京より寒い。引っ越す前は南国的なイメージを持っていたけれど、いまだにストーブを片付けられないほど夜は寒さに震えるほどだ。故に、歩いてすぐの場所にビーチはあるけれど、どうしても裸足で歩く気にもならない。しかし、納車もまだのため、毎日町中を歩いている私にとってはそんなことをわざわざしなくても、日々自然を体いっぱいに感じるしかない状況だ。

朝起きると、まずリビングのカーテンを開ける。するとこの風景が現れる⇩

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毎朝鳥がさえずり、東京の生活では味わったことのない空気と太陽の匂いがする。引くほどの自然だ。そして、ふと"down-to-earth"という英単語を思い出したのだ。

"down-to-earth"と聞くと、”地上に降り立つ”的なニュアンスを思い浮かべてしまうけれど、和訳としては「地に足のついた」、「現実的な」とか「堅実な」となる。私はこの"down-to-earth"という響きがとても好きなのだ。なぜなら昔ある会社に入った時、人事課の年上の女性に言われたのだ。 

「あなたは"down-to-earth"な人ですね」と。

正直その時は「ん?」と思った。あまり意味がよく理解できなかったのだけれど、デスクに戻りこの英単語の意味を調べた時、なんとも言えず嬉しくなったのだ。私は彼女の言葉を勝手にこう解釈した。

「あなたは”素(す)”な人ですね」と。

当時の私はまだ20代で若かったけれど、不思議チャンでもなく、はしゃぐキャラでも、逆にオタク系でもなく、とにかく何だかとても普通だったのだ。それに対して自分では何とも思わなかったけれど、それでも個性の強い人たちが多い外資系企業の中で、ちょっとおとなしい自分が不安になることもあったように思う。そこで言われたこの、「"down-to-earth"な人」は私にとって素敵な褒め言葉に思えたのだ。”素”でいられる人。それがこの英単語の私なりの和訳だ。

突然自然豊かな土地での生活が始まったけれど、相変わらず私の英語愛は育まれている。Earth=地球を感じながら思い出したこのdown-to-earthという言葉。これからも私は飾らず驕らず、”素”な自分でいようと改めて思えた。そして夏が来たなら、ビーチや地面に素足を下ろし地球を感じてみようかな。この行為を”Earthing”と言うらしい。あぁ、言葉って、英語って、やっぱり楽しいものだ。

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