ベネトンのお姉さんの金言。

先日、ベネトンが日本から完全に撤退とのニュースがそっと流れていた。カラフルでビビッドな洋服と言えばベネトンで、若い頃はお世話になったものだ。

私が20代前半の頃だったと思う。アメリカのどこかのベネトンに買い物に行った時、今でも決して忘れる事のない『金言』をお店のお姉さんにもらった。今でもずっと頭の中に残っていて、そして私はその言葉を今でも守り続けている。
私はあるグレーの半袖ニットワンピースを気に入り、試着をしてみた。当時の私はとても肉付きが良く、というか今より体重が10キロ近く多かったように思う。それでも身長は低いのでなかなかサイズが決められずにいた。とりあえず違うサイズの同じワンピースを2つ手に取り試着室に入った。

まずは小さい方のサイズを着て、一緒にいた友達にどうかと聞いてみた。
「似合うよー。サイズもピッタリだね。」と言ってくれた。確かにそれはピッタリだった。そう、もうこれ以上は1キロも太れないくらいピッタリのサイズだった。
いや、きっと私は太る。もっと太ってしまう可能性を捨てきれない。。。。と、弱気な私はもうワンサイズ大きめのワンピースも試着してみることにした。優しい友達はまた言ってくれる。「似合うよー。どっちでもかわいいよー。」と。
確かにどちらでも良いな・・。大きい方はやっぱり丈が少し長くて余計に体を大きく見せる様な気がしたけれど、ゆったりと着るのも悪くないだろうと思っていたところに、ベネトンで働くお姉さんが私に近づいて笑顔でこう言った。

"Remember!"

『もしサイズで悩んだ時は、
体にピッタリの方を選ぶのよ。
それがあなたを魅力的に見せるから！』

そうお姉さんに言われてから数十年。私は彼女の言葉をいつも忘れずにいる。オーバーサイズのスタイルが流行っている昨今ですが、それは例外として・・・、もしサイズで悩んだ際は迷わず体にピッタリのサイズを選ぶようにしている。それが私を魅力的に見せているかどうかは分からないけれど、私はその金言をきっとこれからも心に置き、洋服を選ぶことだろう。

ベネトンの撤退とは寂しい限りだけれど、引き続きこの思い出を胸にお洒落を楽しんでいこう。男性らしい、女性らしいと言う発言は良くないけれど、私なりに女性らしい体のラインをできるだけ保ちながら、年を重ねて行ければ良いなぁと考えている。お姉さんはきっと、そんな意味を含んで私にあの金言をくれたのだと思っているから。