どこで間違ってしまったのか
不幸な事件が起きてしまった。
あいにく国外にいて、
入ってくる情報はすべて活字になったもの。
とはいえ、
ある意味余計なものが削ぎ落とされて
必要な情報だけ手に入るとも言える。
今の時点で私が理解したのは
・犯人は元首相本人に恨みはなかった
・恨んでいたある団体と元首相が関わりがあると考え犯行に及んだ。
・団体を恨むようになったのは母親が入信し財産を使い果たし、
その結果家庭が壊されたから。
気の毒な元首相は
不幸な家庭に育った不幸な男の
八つ当たりの的になってしまったのだった。
この不幸な男が不幸な行動を起こしてしまう前に、なんとか喰い止めることはできなかったのだろうか。
団体を恨んでいたなら団体に直接談判するべきではなかったか。
母親がお金を失ったことに関しては、当時子供だった犯人にはどうすることもできなかっただろう。
でもその後、妹と協力して立て直すことはできなかったのか。
犯人が不幸になったのは最近の話ではない。
幼い頃に父親を失っている。
母親はきっと辛い思いをしただろう。
幼い二人の子供を育てるのは容易ではなかっただろう。
子供だって辛い思いをしただろう。
そんな辛い母親をカモにしてお金を巻き上げた団体。
確かに団体の存在は悪そのものでしかない。
ただ内部の人は良かれと思ってやっているのが厄介だ。彼女の不幸を願った人はおそらくいなかっただろう。寄贈する事で救われると信じていたのだろう。
なんにせよ力ずくでお金を巻き上げた訳では無い。
最終的に決断をしたのは母親だった。
彼女の自由意志の下にお金を差し出した。
その事によって精神的には救われたかもしれない。
本当に彼女の幸せを願う人が彼女の話を聞いてあげていたら歴史は変わっていたかもしれない。
残念ながら彼女には団体だけが心の拠り所だったのだろう。
彼女本人は精神的に救われたかもしれないが、家族を不幸にすることになった。
祖父から相続した家を売り払いその後自己破産。
この時点ですでに高校を出ているはずの犯人。
ここからの人生もきっと山あり谷ありだったに違いない。
子供時代の不幸は親の影響が大きい。
でも大人になってからの不幸は自分次第でもある。
41歳になって、
20年近く前に母親からお金を巻き上げた団体に『関わりのある』人を殺すことは何の解決にもならない。
冷静な判断ができない状態だった事は明らか。
不幸な子供が不幸な大人になって
不幸な行動を起こすまでに20年の月日が流れている。
その間に恨みつらみだけが積もり積もって、悲しい結果を引き起こしてしまった。
二度とこんな狂気が起こらないように、
私たちに何ができるだろう。
身の回りに元気のない人がいたら
優しく声をかけてみよう。
笑顔で挨拶しよう。
どうしたの?なんて聞かないでいい。
私はここにいるよってわかってくれればそれでいい。
打ち明けてくれたらただ聞いてあげよう。
恨みつらみからは何も生まれない。
起こってしまったことは仕方ない。
そこから立ち上がって歩き始めよう。