泣かないで
フィレンツェ中心街で働く私のランチブレイクは、
- 中華料理店でランチ
- バールでパニーノを買って外で日向ぼっこしながら食べる
- 本屋さんでブッダのことばを書写しながら軽食
- 友達が働いてるお店に行っておしゃべり
- お気に入りのお店でショッピング
だいたいこんな感じです。
今日は特に何をしたいということもなくて、ふらふら散歩していたんだけど、曇ってきて肌寒かったので、ふら〜っとサンタ・トリニタ教会へ。
€1でろうそくを立てて、
世界平和と人々が幸せに生きる事ができる世の中を祈って、長椅子に座りました。
いつものように深呼吸して
「どうか私が進むべき道を照らしてください。選ぶべき道へ導いてください。」
と、大いなる存在に、心の中で話しかけていました。
戦争の只中にいる人々、エゴに振り回されて、他人を傷つけ、命を奪う人々、愛する人の命を奪われて復讐を誓う人、負のスパイラルから抜け出せない今の世の中に想いを馳せる。
復讐して憎い敵の命を奪ったらスッキリするのだろうか?
苦しみが増すだけなのでは?
世界平和実現の為に今の私にできる事は?
世界的な戦争の前では、私の存在なんてちっぽけなもの。
他人を蹴落としたり騙したり誤魔化したり、強いものが正しい競争社会で、私はこんなにも無力...
そんな事を考えていたら、ふと涙が溢れてきた。
「泣かないで、美紀ちゃん!」
え?
「僕は自らの命を犠牲にして愛と慈悲を人々に伝えようとしたけど、戦争をなくす事はできなかった。」
え?
十字架に磔になった方のことば?
私にできる事はありますか?
と尋ねてみた。
「笑顔でいればいいよ。
人に優しくしていればいい。
誰にも意地悪しないで、良いと思う事だけをしていればいい。」
うんうん。
「臼井先生が仰ったように、
今日だけは心配しないで、怒らないで、感謝して行に励み、人に優しくしていればいいんだよ。
何も特別な事はしなくていい。
世界平和を祈る気持ち、みんなの幸せを祈る気持ち、それだけで十分なんだよ。」
そうなんですね。
涙を拭って、笑顔で
「ありがとうございました」
と教会を後にしました。
自問自答していたと言えば言えるけど、心があったまって笑顔になったこの数分間。
ブッダのことばを読み書写する私は正真正銘仏教徒です。
でも教会が好き。
数年前に毎朝通っていた時期があって、今は毎日曜日ろうそくを灯しに行ってます。
宗教を超えて、愛と慈悲を語ることができる場所。
これからもどうぞよろしくおねがいします。