日記33 みなみのみなと街から
2023年9月第三週
ついに寮の退去日となる。振り返るとあっという間の1年だった。もう着古した服はドネーションのボックスに放り込みパッキングする荷物を極力減らしたつもりだったが、そうは問屋がおろさなかった。午前10時に受付へ鍵を戻し、これでお別れだ。ロンドンまでのバスは13時半発。その間にロヒットを尋ねる。元々前日に会う予定をしていてたのだが、タイミングが合わなかった。バスまでの時間の滞在を快く許してもらい、お互いに今日までの出来事を振り返る。さらにはブランチも振舞ってくれた。パンとオムレツとチャイでお腹が満たされる。近くのバス停まで自分の荷物の世話もしてもらう。固い握手で別れる。また会おう!!時間通りに到着したバスにはすでにマイが別のバス停から乗車しており、ここで合流。憧れの地への初日は少し体調が優れなそうだったが、いざ到着しバスを降りるといつものように街並みを写真に収めていた。自分は鍵の受け取りへと急ぐ。慣れないチューブを大きな荷物と一緒に乗りこなし、なんとか到着。新しい部屋は街のメインロードに沿った場所にあるため、少し騒音が気になるものの浴槽があったりと日本人の自分には嬉しい作り。フラットメイトの病院で働く男性も時より気にかけてくれるので、10月末まではここでゆっくり過ごせそうだ。
日帰りリバプール。早朝高速特急に乗り込みロンドンから3時間弱。ウトウトしていたら到着していた。すぐさまアスウィンとアミールと合流。近くのカフェでアスウィンの父の同僚であり、今回のビジネスの話の中心人物である方に事業の内容を聞く。勝手にこの類の話は身なりのしっかりした人が来るだろうと自分の中で固定観念が働き、ジャケパンで行ったのだが、現れた人はごく普通のパーカーを着たおっちゃんだった。その事業の状況は絶賛下準備中も下準備中の段階で、自分に何ができるのか想像ができないままに話は終了した。その後は3人でリバプール市内を散策し、再度その彼と合流しお茶をご馳走になり談笑。夜中の12時過ぎに自分の部屋に戻り、弾丸リバプールの1日は幕を閉じた。
2023年9月第四週
ロンドンにてマーケティングやEコマースの展示会があり、アスウィンに誘われていたので自分も足を運ぶことに。日本でいう有明コロシアムなどで多くの企業が集まった展示会があるようなアレだ。アスウィンはネットワークを広げるために多くのブースで各担当者と話をしていた。自分は各地点で行われるセッションに参加し最新の知見を増やすことに。昼過ぎに用事のあるアスウィンとはここでお別れ。おそらくこれで当分会わなくなるので握手して別れる。自分は会場に残り違うセッションなどを聴いたりしたが、途中で抜け出すことに。それから未だ訪れたことのなかったタワーブリッジやロンドンブリッジを散策することにした。散策途中アスウィンから連絡が入り、予定が早く終わったので一緒に夕飯を食べようとのこと。先週のビジネスの話も併せて色々自分もまだ話したいことがあったのでちょうど良かった。安いピザを買い、日が暮れるまで色々話す。その後は中心部に移動しアスウィンがお土産屋に寄りながら街を散策する。これでお開きかなと思いきや「バーで一杯飲もう!」と提案があり、途中で見つけたバーで一杯やることに。結局解散したのは日付が変わった後だった。再度しっかり握手し、すぐの再会を約束して別れる。
翌日は朝から特急で先週まで居た街に戻る。というのも、ピーターから新入生のソーシャルイベントに卒業生として参加してくれと依頼されていたからだ。アミールと駅で待ち合わせし、タコベルで腹ごしらえした後に会場へ向かう。これから始まる新しい一年に顔をキラキラさせている新入生と会話する。彼らもいつかは打ち砕かれて、悩んで、また新しい自分を発見するのだろう。打ち砕かれて堕落しなければきっと道は開ける。元気があれば、なんでもできる。ウチはそう思う。そう信じてる。途中、ピーターやスワナが新入生に自分のことをとても素晴らしく紹介してくれて、お世辞でエチケットも多分に含まれているのだろうが、心の中でめちゃくちゃ感動していた。嬉しかった。
イベント終了後はアミールと共に、まだこの街に滞在していたトゥイとメイに最後の挨拶。夜はアミールが滞在するホテルに泊まらせてもらう。
翌朝。アミールとはこれで当分のお別れ。特に9月はよくアミールと一緒に過ごした。固いハグして再会を誓う。そして自分はそのままアージャンとの約束のために彼が住む新居へ向かう。着いてびっくり彼は30階ほどあるビルの20階くらいのところに住んでいたのだ。本人曰くこの街で一番高いマンションとのこと。しかし家賃は4人で割るので高くないという内訳だ。お互い如何にソンヤのことを気に入ってるかを話す。2人して大好きすぎる。途中、アディティが仕事に行く前に顔を出してくれた。相変わらず2人仲が良い様子なので微笑ましい。そしてプラディープ登場。そう、その4人とはアージャンとアディティ、そしてプラディープとその彼女の4人のことである。久々の再会に3人でビールを浴びるように飲む。プラディープの彼女はすでに自分のことを認識してくれていて、アイスクリームをご馳走してくれた。電車の時間が近づき、彼ら2人がわざわざ駅に見送りまでしてくれた。ここでも再会を誓い別れる。そして自分は新しい街に戻っていくのだった。
ビジネスプロジェクトを終了させ、会いたい人に会い、転居があり、将来につながるかもしれない話もあったりで、濃厚な9月であった。そして、この1年間は自分の人生の中で絶対的にかけがえの無い時間だった。きっと将来、この経験があったから今自分はここにいる、これをしている、こうなっている、と気づくことがたくさんあるのかな。これを無駄にしないためにも、奢ることなく謙虚に進んでいくしかない。
出会ってくれた人みんなありがとう!みんな元気で!ALL THE BEST!!
おわり