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仏像と私~私の好きな仏像編⑥~

こんばんは。

「私の好きな仏像編」。

今回は趣向がちょっと変わっております。

お訪ねしたのは、京都・大原きっての古刹「三千院」。

「きょうと~おおはら さんぜんいん」♪

という歌をご存じの方、だいたいの年齢がばれてしまいますよ(笑)。

ええ、かくいう私もその一人ですが(笑)。

「三千院」には国宝「阿弥陀三尊坐像」がありますが、気品高いそのお姿、ぜひ一度皆さまにもご覧になっていただきたい仏様です。

実はこちらには二度、お訪ねしております。

一度目は「ぼっち仏旅」で、この三尊像を愛でに。

そして二度目は、京都観光をしたいという、当時の勤務先の同僚2人に同行して。

今回ご紹介するのは、珍道中であった二度目の旅です。(笑)。

「仏旅」とは言えない内容ですが、当時を振り返ってとても懐かしくなり、

書いてみることにしました。

ご容赦を。

1、さておき、「三千院」
2、慈愛あふれる国宝「阿弥陀三尊坐像」
3、旅のきっかけ
4、「大吉」求めて三千里(も歩いていませんが)


1、さておき、「三千院」

とはいえ、まずはいつものように、「三千院」のご紹介を。

三千院(さんぜんいん)は、京都の大原にある天台宗の寺院です。三千院門跡(門跡とは、皇族・公家が住職を務める寺院、あるいはその住職のこと。もともとは、お寺の後継者のことを指していたようです)とも称します。

延暦年間(782~806年)に伝教大師・最澄が構えた比叡山東塔の堂宇を起源として、幾度かの移転を繰り返し、現在の場所となりました。
平安後期以降は皇族が住持する宮門跡となり、同じく京都の青蓮院、妙法院とともに、天台宗の三門跡寺院に数えられています。

境内には重要文化財にも指定されている「往生極楽院」のほか、宮中の紫宸殿を模して造られたという「宸殿」(1926年建立)など、多くの美しい建物が並びます。

「宸殿」には本尊・「薬師瑠璃光如来像」が安置されていますが、秘仏となっていて本来は非公開。ですが、2002年(平成14年)の9月8日~10月8日に、一度だけ開扉されたことがあるそうです。最初で最後かもしれない機会、みすみす逃してしまったのは残念!!


2、慈愛あふれる国宝「阿弥陀三尊坐像」

往生極楽院本堂に安置されているのが、国宝の「阿弥陀三尊坐像」。平安時代の作と伝わっている木造の三尊像です。

像高は阿弥陀如来が194.5cm、観音菩薩が132.2cm、勢至菩薩が132.cm。信者の最期のときに、阿弥陀如来やその眷属が極楽浄土から迎えに来られる様子を表現した「来迎相」を取ります。

 脇侍の両菩薩は膝を少し開き、上半身を前屈みにする「大和坐り」。亡くなった方を迎える、まさにその瞬間を切り取ったかのような形は珍しい作例として、熱心なファンも多い仏様なのです。

私はどちらかというと白鳳、天平文化の作例や渡来の作例が好きですが、こちらの阿弥陀様の厳かな慈愛、両脇侍の気品の中にも躍動感あふれるお姿はとても心に残っていて、何度でも訪ねたくなります(とはいえ、とはいえ大原は遠いですが)。


3、旅のきっかけ

前出ではありますが、同僚2人が、大人になってからの京都旅をぜひしたい!有名な「大原」の「三千院」に行ってみたい!と言い出したことがきっかけです。

私は当時、年に一度は主に京都に「仏旅」に出掛けていましたが、大抵は観光客の少ない「冬」でした。

その年は仕事の都合でまだ出掛けておらず、「うーん、春先に行けたらいいかな」と思案していたところ。すると2月の終わりに、勤めていた会社ではなかなか無いことでしたが、ちょうど3人の休みが合うということが起きました。

そこで、2人を伴い、その年も無事に大好きな「冬の京都」にやって来たというわけです。

大原が遠いことは分かっていますから、初日は雑貨好き、キッチン道具好き(料理もとっても上手です)な一人の買い物に付き合い、先斗町(ぼっち旅のときはほとんど足を向けないのですが)で食事。

次の日は朝6時に起床。朝食はしっかり済ませて出発しました。

一度JR京都駅に向かい、いつもの市バスではなく「京都バス」に乗車。「大原」バス停までは約1時間の乗車時間です。

朝からぐっと冷え込んでいましたが、バスの外を見るとちらほらと雪が。

あまり雪を見ることのない地域に住んでいるので、2人は大はしゃぎ。

しかし、大原に近づくにつれ、どんどんと雪は激しくなり、ついには吹雪状態(笑)。

到着後、身を寄せあい、滑りそうになる足元に用心しながら緩やかな坂道を「三千院」へ向かいました。

ところが参道にはおみやげ物屋さんや休憩できるお茶屋さんが立ち並び。

食べるのが大好きな一人は、目ざとく食べ物を見つけては買い食い(笑)。

こんなに寒い日なのに、いくら名物とはいえ「冷やしきゅうり」に手を出したときは、若干呆れましたが(笑)。

そしてその後案の定体を冷やし、今度は甘酒を飲んだ彼女なのでした…。


事件は、三千院が発祥と言われる「おみくじ」の現場で起きました。

元より仏像に興味があるのは私だけですから、「阿弥陀三尊坐像」との再会を喜ぶ間はほとんどありません。「寒い寒い」と震える2人をほったらかしにもできず、堂内で「おみくじ」を引くことにしました。

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、こちらの「おみくじ」、ほとんど「凶」が入っていることで有名です(おみくじの内容について、ご住職が解説してくださることもあります)。

私はうっかりそのことを2人に伝え忘れていました。

1人は「興味ないから」とくじを引きませんでしたが、もう1人(食いしん坊の彼女です)は、この年初めてのおみくじを京都で引きたい!と気合を入れてきたのだそう。

何やら熱心に手を合わせて、さっと引いたおみくじは…。

やっぱり「凶」。(まれに「吉」もあるそうですが、私は2回とも凶を引いています。(笑))。

かなりのショックを受けた表情の彼女に、ああ、伝えてなかったっけ、と言って私が由来を話しましたが、彼女はその後もふさぎっぱなし。

「年初めに「凶」なんて…」と涙声です。


4、「大吉」求めて三千里(も歩いていませんが)

その日一日、本当にがっかりした様子の彼女がかわいそうになり、次の日予定していた北野天満宮近くのお豆腐屋さんでの昼食時間を短縮。

近隣の寺に「おみくじ」を引きに回りました。。。

ところが、二カ所目、三カ所目でもなぜか「凶」。

一回目でやめておけば良かったかな…などと焦っているうちに、

私たちは引接寺、通称「千本ゑんま堂」の前にいました。

京都を離れなければならない時間が迫っていました。

「どうするかな」と後ろを歩いていた2人を振り返ると、おみくじの彼女が意を決したような顔つきで

「ここを最後にさせて!」

と境内に駆け込んでいきました。

慌てて後を追うと、真剣な顔つきで「みくじ筒」を振る彼女の姿が…。

思わず「頼む!」と祈るような気持ちで見守りました。

出た番号を係の人に告げ、授かった「おみくじ」には…

「中吉」の文字。

「おおー!!」

やっと晴れやかな顔に戻った彼女に、お供の私たちも大喜び(本来は朗らかで優しい、笑顔のかわいい女性なのです)。

案内人としては、やはり旅は笑顔で終わってほしいもの。

ほっと安堵して、帰路に就くことができました✨


というわけで、いつもの「仏旅」とはちょっと変わった旅ではありましたが、これまでの旅を振り返って、この「おみくじ」に振り回された(笑)3日間を思い出し、懐かしくなってご紹介してみました。

お付き合いくださり、ありがとうございました✨

また「仏旅」にて。

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