色即是空　空即是色

Kyoto Dancing Blade #3が終わり家に帰ってきました。観客やっていただけだろうと叱られそうですが、なんだかぐったり疲れました。芸術鑑賞は疲れるんですよ。ウッフィッツィ美術館に足を踏み入れて30分でぐったり、と同じです。

今朝は10時からダンスボックスで三林かおるさん（バレエ）のワークショップ。
目覚めたベッドの中で葛藤があります。昨日の夜遅かったしな～、一週間ぐらいちゃんと動いていないからバレエなんかしたら背中に悪いんじゃないか、いや、だからこそ動かなきゃいけないんじゃない、でもぉ、あああ寒いし、疲れてるー。
とりあえず寝そべったままいつものように脊柱起立筋群を動かす指令をだす。ウォームアップ以前に、神経を届かせる手配？が要るんですよ。
すると、プツプツ電気つき始めます。
第一系統チェックよーし。
第二系統チェックよーし、的な。

身体ちゃんが「家に帰ってきたのね。これで安心。野菜も摂ってくれるんでしょう。さ、緩む時間！」といい、いがらっしはベッドから起き上がらされ、運動部屋の暖房をつけ、歯磨き等々を半自動的に行う。

気づいたらワークショップ行く以外の選択肢がなかった。

結論から言いますと、今日は、本当に行ってよかった。
三林さんが私が使えていない右の（おそらく）大円筋を指摘してくださった。目鱗。ここ、1年半前にゴッドハンドのマッサージ師に指摘されたことがありました。全然動かないよ、と。それ以来気をつけていたんですけどね。ダメでしたか。
でも、いまは1年半前に比べて身体感覚がよくなっているので、クッ、クッと動かせる。習慣になっていないということです。
で、ここ使うとバランスが大幅によくなるので、三林さんに聞いてみました。
「ここはもしかして、脱力しても微妙に使い続けるところですか。」
三林さんは「そう」といって、脱力系アラベスクの形をとって見せてくださいました。

いがらっしが思うに、一つの筋肉には一つの役割というわけではなく、複数の機能があるのですが、ほかの筋肉が協動するのを結び付ける役割の強い筋肉ってのがあるのではないでしょうか。実感でしかないのですけどね。きっと、今日いがらっしが出会った筋肉もそういう人です。
たとえて言うなら、細いロープを5本ぐらいまとめて一回ぐるっと真ん中を結ぶ。それぞれの端をテーブルなど平らなところに広げる。真ん中の結び目を移動すると、当然ながら、端部分も移動する。また、端の一本を移動しても、結んであるからこそ、ほかの端も影響をうけて動く。

いがらっしは上半身と下半身の結び目は（常時使えるわけなじゃいけど）発見していたのですが、背中と腕の結び目がわかっていなかった。だから今日の発見は私にとってとても大きなものです。

このことから派生して、（長くなってすみません）、思うのですが、使えていないところ＝神経が届かないところ＝普段から注意を払っていないところ＝自分にとって存在していない部分なんじゃないかと思うのです。

9月20日のアカウントで寺田みさこさんから足の指に力が入って足趾関節が曲がったままになっているとのご指摘をいただいたことを書いたのですが、その時に、足の指に注意を払ってこなかったことに気づいて、以降、よく注意するようにしました。すると、1か月ぐらいで右足人差し指の第二関節のタコが「勝手に」なくなりました。力まないこと、よく洗うことが功を奏したのでしょうか。なんだかつるんときれいになりました。

今回の気づきの対象となった肩甲骨近くの脇は、今日シャワーを浴びたとき、（尾籠な話ですみませんが）垢っぽいことに気づいた。毎日、体の隅々までよく洗っているはずなのに、です。
なんというか、私の把握している身体からすっぽり抜けていたのではないでしょうか。
不潔な話がしたいわけではありません。
自分の体のイメージというか、体として把握しているものは、概念でしかないというか、完全なデータじゃないんでしょうね。
データがないところが使えるわけがない。
逆に言うと、存在確認さえできれば、あとは使えるようになるのは時間の問題なのかもしれません。

うまく言語化できていないような気がしますが、イメージを使って体の使い方を覚えるのとは別のことを言おうとしています。例えば「ボールをつかむイメージで」などのイメージを使うという意味ではなく、腕はあると思っているからあるだけなのではないでしょうか。もしかすると、翼もあると思えばあるのではないでしょうか。
京鹿子娘道成寺のなかに「あるとおもへばあり　ないとおもへばない　色即是空　空即是色」という台詞があったと記憶していますが、まさにそんな感じです。

身体は物理的なものと考えられていますが、きっとそれだけじゃないと、いがらっしは信じています。

ところで目鱗のマークを作りたい。結構利用価値がありそうです。
三鱗　https://sengoku-g.net/crests/view/10
のように目を重ねたい。
うーん。なぜだか、何を思っても道成寺に関連してしまう。道成寺といえば鱗文様ですからねえ。