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まり先生のオープンキャンパスリトミック

こんにちは。まり先生です。
2024年7月28日に、
徳島県 四国大学短期大学部幼児教育保育科 オープンキャンパスにて、受験を考えている高校生を中心とした参加者の皆さんを対象に、保育経験者としての「リトミック」を紹介させていただく場を設けていただきました。

7/28  こんなことをしてきたよ!

1)まり先生のなんでもリクエストコーナー

私は、ソロ公演時も、文化庁派遣芸術家での楽団公演時も、そして、地方公共ホールの無声映画上映会でもボランティアの中学生などがスタッフ参加をしている際には、この「なんでもリクエスト」は私の必殺技なので、しれっといろんなところでリクエストを聴いては弾き始めています。

保育指導案的に「ねらい」を記すとすると、
「自分の願いを叶えてもらう喜びを知る」
という表現はいかがでしょう。
シニアリトミックの講座などでは、
「70何年生きてきて、はじめて自分のリクエストを生演奏してもらった!」
という方もいたので、とても有意義な活動だと思っています。

そして、
「生演奏に耳を鳴らす」
という、指導者側の目的もあります。
スピーカーから流れる音楽に耳が慣れすぎていると、
生演奏の空気を振動させて、骨に響く感覚が不快に感じる人もまれにいます。
聴覚過敏を抱えている人には、配慮も必要ですね。
イヤホン中心で、家庭内でもスピーカーなど空気振動の音楽を楽しめない方もいます。
だからか、保育園のこどもたちも、「弾く」という単語を知らない子もいて、
「まり先生、キン肉マンをピアノで流して」
というように、ピアノで弾くも、音を私が流しているという表現を使う子もいました。


参加者の皆さんは、林先生の私物のエッグシェーカーを手にリズムをとってくれました。

さて、本日の嬉しいリクエスト
1曲目 「アンパンマンのマーチ」
2曲目「マツケンサンバ」
アンパンマンは、まぁ、よくリクエストされるのですが、「マツケンサンバ」は、かなり久しぶりに弾きました。
このように、楽譜を使わずに聴いた記憶を鼻歌のように呼びおこすと、私はピアノで弾くことができます。いわゆる「耳コピ」です。初めての曲をリクエストされた場合、簡単な曲ならYouTubeで聴きながら弾いてみたりもしています。
今は、耳コピがブームのようで、私のラボにも「耳コピレッスン」希望者が多くなってきました。これについては、また別の機会にお話しさせてください。

2)パンデイロでリズムの記憶(ソルフェージュ)

ピアノの次は、パンデイロ(ブラジルのタンバリン)を紹介しつつ、リズムを中心とした「ソルフェージュ」活動です。構造に工夫があって、ドラムセットのように、叩き方によって、低音、高音が使い分けられるので、リトミックにはうってつけの打楽器です。ここでは、少しだけリズムの記憶の課題もしました。
クイズみたいで楽しくすすめるように心がけました。
楽しいと感じていただくために気をつけていることは、それは、正解、不正解を示しさない。トライする。トライすること自体が楽しいと思っていただけたら嬉しいです。

本日の講座で、受講者(オープンキャンパス参加の高校生を中心とした皆さん)の何が素晴らしいって、リトミックに対する「負」の経験がゼロ。真っ白ということです。
私は、9年ほど毎月1回ずつ、「保育者研修としてのリトミック」を担当しているので、まずは、参加者の皆さんの「リトミックで辛かったこと」「できなかったことで自己肯定感が下がってしまったこと」のケアに時間をさいています。
でも、本日の皆さんは、もしかしたら私が人生初のリトミックの方もいるかもしれませんね!
「楽しい〜〜!」
という気持ちが伝わってきて、私も本当に楽しかったです。

まり先生のつぶやき

「音楽」には、私は正解、不正解はそんなにないと思っています。音を間違えたとしても、直せば良いだけで、必要以上に指摘したり、恥をかかせる必要はないと思っています。
ここのターン(段取り)で、まり先生の授業の進め方が、参加者の皆さんにちゃんと認知されたこと、嬉しく大変頼もしく感じました。

2)時間と空間、スペース リトミックの身体の使い方について

ここで、同じリズムの記憶なのですが、達成ポイントは、少し進化させていて、「時間と空間」に応じた歩幅について触れて、実践できるかの言葉がけをしました。

〜パンデイロを叩きながら、皆さんの輪の中にいるポジションのまり先生〜〜
ここの光景。保育の中にリトミックをとりいれる時がきたら、皆さんもよく覚えておいてくださいね。
リトミックといえば、ピアノを弾きながらこどもを動かすイメージがあると思うのですが、まずは信頼関係を築いて、皆さんがリトミックの「時間と空間」のセオリーについて認識できたと確認してから、私ははじめてピアノにむかいます。
この時、大切なのは、目配りです。
「まり先生は、全員のことをみているよ!」
と、全身で語りながら、リトミックをお伝えしていました。感じていただけましたか?みなさんも、保育者になったら、そんなリトミック、リズム遊びを指導してみたいと思ってくれたら嬉しいです。
こどもと遊ぶリトミックは、本当に楽しいですよ!

『リトミックを教えるのは、クラスの先生!が最高!
私が毎月研修を行なっている保育士さんたち(株式会社 こどもの森)は関東を中心に200園の展開をしているのですが、希望者は無料で「まり先生のリトミック研修」を受講できるシステムになっています。そして、私の教えたリトミック技、ネタ、ポイントをもとに、乳児〜幼児などご自身のクラスで、指導をされています。リトミックというと、専門の勉強をされた音楽系の先生を連想されることも多いと思うのですが、大切なのは、専門技術よりも、その子たちへの愛情も大きいと思っています。ピアノがない保育室で可能なカリンバを使ったリトミックなど、研修の方の「知りたい情報」のリクエストにも応えているまり先生です。オープンキャンパスに参加された皆さんも、保育者になったら、ぜひ、「自分のリトミック」を勇気をもって保育に活かしてほしいと思います。

まり先生のつぶやき

3)走って止まる いわゆるピアノでリトミック

盆踊りのように、同じ方向にならないように、かつ、人とぶつからないように走って、音がとまれば止まる。シンプルなようで、難しい。「ストップ」という声掛けで止まるのではなく、音が止まったら「止まる」これがミソです。
ピアノの音でこの反応が難しい場合は、太鼓などを使うこともあります。
そして、このターンは、継続的にずっとやり続ける必要があります。基礎トレーニングのようなものです。今日は、その体験をしていただきました。大学の職員の先生方、在校生の皆さんの動きもキレキレで美しかったです。
こんな楽しい笑顔でリトミックをしてくれる諸先生方のいる大学、いいなぁ〜通いたい!と思いながらピアノを弾いていました。四国大学短期大学部幼児教育保育科、素晴らしいです!学長先生ともお話しをさせていただき、ますますそう思いました。


4)プレイバルーン

①プレイバルーン パラバルーン 

7/28の受講予約者数が、想定よりも多くなったことで、急遽、大きな鏡のある舞踊用の教室に変更していただいたので、急遽、東京から「プレイバルーン」を持参しました。

私の持参したプレイバルーンは、だいたい10万円ちょっと。5m直径のものです。私のは単色なのですが、これはすでに廃盤なようです。
今回は、青を持参しましたが、同じサイズの黄色、直径7mのマルチカラーも持っています。

東京大学駒場キャンパスにて 親子イベントの様子 大きい方のプレイバルーン

パラバルーンは、価格に幅があって、¥930のものもあるようです。
私が持参した5m、同じ大きさでAMAZONでは、¥3090でした。
素材が違うので、空気を溜める力に差があると思うので、私のご紹介した技が、パラバルーンではできないこともあることをご承知おきくださいませ。

②パンと具 幼児の2グループわけの方法

空気を溜めて、中に入る活動の前に、参加者がサイズよりも多かったので、2グループわけの必要があったのですが、同数に2つに輪の体制のまま分けるには、「1、2、1、2」と声かけをしていただく方法が早く、運動会での大人の競技時になどには番号で言います。でも、幼児は、「1、2」を連続して言うのが怪しい人もいます。
「1、2」は、3歳以上は、誰でも知っています。そうじゃなくて、
「1、2、3」と進めてしまう子が一定の間隔で現れてしまうので、いつの日か「まり先生」は、「サンドイッチ方式」を編み出しました。
サンドイッチは、「絶対値」なので、「パンと具」が永遠に変化しても、幼児は文句をいいません。小学生だと、「パン、具、パン、パン」と、勝手にアレンジをする子もいますが、「永遠につづくおおきなおおきなサンドイッチをつくるんだ」という脳内イメージをつくると、協力してくれます。そして、1、2だと、自分の番号を忘却しがちですが、「パン」「具」だと、一応、活動中はずっと覚えていてくれます。

「パン」と「具」、2グループに分かれて、プレイバルーンの天井を感じる活動をしました。

③イルミネーション かくれミッキーを探せ!


プレイバルーンの中心にミラーボールのような回転イルミネーションライトを仕込んで、「夢」体験をしてもらうのがねらいです。

今回は時間の都合上、「こんなこともできるんだよ」程度でしたが、毎月巡回指導に通っている4つの保育園では、かなり時間を費やして、「回転イルミネーション」の中に見える「くじら」「隠れミッキー」のようにも見える抽象的な形を天文ショーのように追っていく活動をしています。
自分が感じたことを、その場で発言する。
それに耳を傾けてくれる先生がいる。
プレイバルーンの中の密閉された空間では、そんな非日常が現れます。

活動に入る前には、全体のテンポ(BPM)を落とし、スローダウンしてから「海」にイメージをシフトする言葉がけを行なっています。

終了後に、四国大学短期大学部幼児教育保育科の先生が、この時の私のことばがけについてプラスのコメントをくださいました。この素敵な先生は、きっとご自身の教育テクニックにも、同様な留意をされているのでしょうね。このような同じ「教育人同士の交流」は嬉しいですね。ここで学べる学生さんたちは、素晴らしい施設、自らもアーティストとしての芯を持っている先生方、現場の苦労を知っている先生などに囲まれて、自己肯定感がだんだんアップしてくるそうですよ!良いな〜。

④プラスティックアニメ(音が視える 身体表現)


皆さんご存知のJ-POPソングの曲にあわせて、リトミック的な音楽とシンクロした動きの活動をしました。
リトミックでのこのような身体表現(プラスティックアニメ)は、ダンスと異なり、ここでは「音楽との一致」が主な目的となっているのです。
といいつつ、途中で、そのJ-POPアイドルのコレオグラフィーそのものも登場するところ。高校生バージョンでおおくりいたしました。確実に喜ばれるポイントです。

リトミックの中のスキル プラスティックアニメについて(引用 ダルクローズ音楽教育研究)

⑤おばけ プレイバルーンから手を離す技

バルーン布から手を放してはいけないと思っている前提でいる「はじめてのプレイバルーン」体験者が、一番びっくりする技が「おばけ」です。まり先生が偶然から考案したものなのですが、空調によって、おばけ(幽霊)のように、布が飛ぶ方向がかわってきます。こどもたちは、その空調の筋を読んで、少しでも有利なポジションに走っていったりする箇所です。

このような「夢がある」創造的な活動をリトミックで重ねていくことで、こどもたちは、どんどんと、より楽しもう!という欲を出してくるのが楽しいところです。こちらが提供を予定している内容を上回る反応をしてくれたり、他の子と即興コラボをして「見て見て」の目線を無言でおくってきたりね。教えていて楽しい気持ちのキャッチボールがあるのがリトミックなのです。

5)音楽の「楽」と同じ、こどもに「ドキドキ、ワクワク」を届けたい

7/28日の私の講座に参加をされた皆さんには、こちらの私の手作り楽器の実物をお見せした後で、この楽器に似た「扇子の手品」もご披露しましたね。

この楽器は、古代の楽器をイメージして私が創作をしたものなので、想像上のものではあります。でも、このような実体物を手にとって鳴らしてみることで、「音楽の言葉の意味」について、その場にいる誰かと気持ちを共有できたら素敵だな、と思ったのです。本日は、ご参加の皆さんが最後に大きな輪になって、この楽器を囲んでひとつになれたように感じられました。普段、何気なく使っている言葉に疑問を持つ、由来を考えようとすることって、大切なことですね!皆さんと一緒に体験できて、とても嬉しかったです。

6)どこで売ってるの?まり先生の不思議グッズ

まり先生にとって、「手品」は切ってもきれない関係です。
幼稚園園長時代は、担任を持った時のみ、毎月のお誕生会で手品を他の全クラスと同様(私が園長だった幼稚園は、伝統で、担任は手品の義務がありました)に披露していて、今は、ラボの子の各自の誕生月に披露しています。
就職して浅い日々は、「なんで?手品」と思っていたのですが、今は保育園や出張先で、私のことをよく知らない「はじめての子」と接することも多く、リトミックよりも何よりも、「この人は面白そう」と思ってもらう土俵にあがらせてもらうことも大切さを痛感しています。そんなわけで、保育園の4月、新学期はずっと手品をやっている感じです。リトミックはさりげな〜く入れるくらいです。

研修で一番多い質問が、
「まり先生の不思議グッズ、特に手品用具はどこで買えますか?」
手品用品を買うコツは、実演販売のお店で買って、手順を教えてもらうことだと思っています。以前は、東京・新宿伊勢丹に実演コーナー「テンヨー」があったのですが、今は、東京ディズニーランドのマジックショップくらいのようです。そして、今回の「扇子」手品も、こちらで購入しました。
今はYouTubeもあり、私もかなりブックマークをしているのですが、まり先生には動画で学ぶのは向いていない様で難しいですが、もうすでに一生分の手品グッズのコレクションがあります。

保育士向けの研修は継続的に行なっていますし、出張でのリトミック・保育講座も依頼があれば伺っているので、またいつか機会があれば私の他の手品も是非ご覧にいれたいなぁ〜。

ここで、感じてほしいのですが、もし、私が最初に手品をしたら、「ふ〜ん」で終と思うのです。いっぱいリトミックをして、夢の中の出来事のような暗闇の中の青いドームテントにイルミネーションを一緒に体験します。
まるで、魔法がかかったように、心が解放されて、普段なら感じない、感じさせないようになっている心のファイアーウォールが崩れて、感動しやすいカラダに進化するのがリトミック。

これを、リトミック用語では、

「身体の解放」

と言います。

実は、リトミックの上手い人、というのはこの「解放」をうまく導きだせる先生なのではないのかな〜と思うまり先生です。

さて、2024年7月の四国大学短期大学部幼児教育保育科オープンキャンパスでのまり先生のリトミックはいかがでしたでしょうか?
これから「保育」を学ぶかどうか?検討中の学生の皆さんにとって、「保育という仕事にむきあって35年」のまり先生を飾ることなく、味わっていただけでしょうか?保育は決して綺麗事ではなく、こどもたちも決して「天使」とは限りません。そんな中で、私は「リトミック」を武器として、主軸としてその中で視える様々な風景を同僚、保育者ネットワークの仲間たちと共有してきました。

四国大学短期大学部幼児教育保育科のオープンキャンパスでは、連続して参加しているリピーターオープンキャンパス受講生同士が、高校生らしい初々しい他人行儀な会釈や簡単な会話をする姿も垣間見えて、本当にこの大学に通いたいな〜という気持ちも垣間見えました。私自身もとても良い体験をさせていただきました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

明日の7/30はオンライン講座で「図鑑NEO音楽」の読み方についてレクチャーさせていただきます。そして、8/3は、いよいよ国立映画アーカイブ「こども映画館」の上映です。よかったら各種SNSで、まり先生の活動をフォローしてくださいね。

四国大学短期大学部幼児教育保育科 身体表現 林 夏木先生と
背後は、私も参加させていただいた興味深いアート系のワークショップのご担当 居上真人先生のご自身の作品が溢れるエネルギーを発しているスゴイ研究室 学生さんたちは、このような「大人の個室」に足を踏み入れる体験も有益ですね。テーマパークより、濃いのがリアルです!


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