見出し画像

エヌビディア決算(速報)コール含む

先ほど決算発表が行われました。以下、決算直後の株価です。

エヌビディア株価

Q2の決算結果

エヌビディア決算結果

売り上げとEPSともに予想を上回りましたが、成長率とビート率ともに鈍化しています。これは予想されていたことです。
売り上げ成長率は、前年比122%増で、
データーセンター成長率は、前年比154%増となっています。
ゲーミング売上高は16%増、 プロフェッショナル・ビジュアライゼーション売上は20%増、 オートモーティブ(自動車)売上は37%でした。

EV自動車逆風の中、自動車部門も成長しています。かつてこの部門がエヌビディアの将来における大きな期待を背負っていました。また、ブロックチェーンブームの際には、データーセンターが成長を牽引していたこともあります。裏を返せば、今の支流がデータセンターで、期待していたほど早く実現していないとも言えます。

大手クラウド・プロバイダー(AWS, Azure Google cloud, Meta等)がデータセンター売り上げの約45%を占め、50%以上は一般および企業によるものだということです。
需要の半分近くが大手ハイテク企業に支えられている形となります。


Q3ガイダンスは?

エヌビディア決算ガイダンス結果


ガイダンスは、予想を上回りましたが、ビート率も2%とまあまあ予想を上回ったという感じです。

普通の決算なら好調決算ですが、以前の決算と比べるとサプライズも鈍化しています。GAAP基準の粗利益率は74.4%、(現在75.1%)非GAAP基準の粗利益率は75.0%(現在75.7%)となる見込みです。

注目されていた、次世代GPU、ブラックウェル(Blackwell)の生産は、第4四半期に開始され、2026年度まで続く予定だとのことです。Blackwellのサンプルは、当社のパートナーや顧客に出荷されていて、売上高はQ4おいて数ビリオンドルの売り上げを生むと予測されてます。

(補足)
数週間前に、Blackwellの大量出荷が遅れるとの報道を受けて株価が下落していました。そして、先日、生産を向上させるためにGPUを変更したと発表しています。

現行ホッパー(Hopper )の需要は旺盛であり、2025年度下半期には出荷が増加する見込みとのことです。

自社株買い

50Bの自社株買いを行うと発表しています。この規模で自社株買いができるのはさすがですね。サプライズのない決算で株価は下落していますが、自社株買いの期待が株価を支える可能性があります。

コール(ポイント アップデート中)

  • 中国のデータセンター売上はQ1より増加。全体の売上に貢献しているという。

  • 中国でのデータセンターの売上は、輸出規制が導入される前の水準を下回っていて、中国国内での競争は今後も続くとのこと。

  • 各国がAIインフラを構築し、拡大しているという。売上は、2桁前半の数ビリオンドルに達するとのこと。

  • 最近AMDに買収されたZTだが、以前ZTにサービスを提供していたと打ち明ける。

  • Blackwellでの製造問題課について、歩留まりを向上させるためにマスクの製造工程を変更しなければならなかったとのこと。(マスクとは、回路パターンをシリコンのディスクに蒸着された材料に焼き付けるために使用されるテンプレートのことである。)

  • コールでは、ブラックウェル(Blackwell)の生産は、Q4に開始され、Q4に出荷を始めるのではなく出荷する(Shipping Out)と言っている。
    “When I said start production in Q4, I mean shipping out. I don’t mean starting to ship”

  • CPU(インテルのCPU)はもう限界だとファンCEO

  • 粗利率は様々な製品の販売比率によって変化するとのこと。

感想

個人的には、ぱっと見て好決算だと思いますが、これまでの予想を大きく上回る圧倒的な決算と比較すると、投資家には物足りなさがあったのでしょう。

売上ガイダンスのアナリスト予想の最高値が37.9Bに対して、発表された数値が32.5Bだったことから、以前のような大きな上振れを期待していたのかもしれません。また、自社株買いの規模も大きかったですが、最大限ではなく、もっとできたのではと見られた可能性もあります。
さらに、Blackwellの具体的なスケジュールや数値があいまいだったこともあり、投資家はより詳しい情報を求めていたのかもしれません。

一部のアナリストが決算後も買いを支持し、見通しを評価していることから、株価が下がっても一斉に格下げされることはなく、多くのアナリストが買いの評価を維持する可能性があります。
ただし、株価は投資家心理と直結しているため、目標価格の引き下げがあっても驚くことではないと思います。

一言で言えば、今回の決算は業績的には普通に好調である一方、投資家心理的には(短期的には)微妙だったと言えるかもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!

ぶたまる (米国株)
よろしければサポート願います。いただいたサポート費用は、ソフト代や米国経済新聞サブスク等に使わせて頂きます。