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【バチェロレッテは駄作!!イマイチBUZZらない理由は“あの人”に】

たまにしか更新しない投稿で恐縮です(^(●●)^)

来週いよいよ最終回となる、Amazonプライムの『バチェロレッテ・ジャパン』。
個人的にはそれなりに楽しませてもらっていますし、視聴回数も伸びているのかもしれませんが、あんまり話題なっていません。なぜなら、今回は端的に言って“中身は失敗”だからです。
新たな挑戦をしたスタッフの努力を否定するつもりもありませんし、最終回でとんでもないクライマックスが待っているかもしれませんが、全体的になかなか苦しかったのではないでしょうか。企画に限界があった、ということかと思います。ノンフィクションを撮影する世界には、演出の力技ではどうしようもない領域というものがあるんですね。

今回は、なぜバチェロレッテが図抜けた面白さに至らなかったのかを、「ロケ(ロケーション撮影)」と絡めて考えていきたいと思います。これまでのネタバレ込みで書きますので、ご注意ください。
(ちなみに、神作『バチェラー3』もラストで荒れに荒れましたが、それはそれまでの過程が面白かったからこそ荒れたわけで。その点でもやはり負けてます。比べるものではないのですが。なので、最終回を待たずに書いてます)

そもそも論なんですが、【被写体=登場人物が全然魅力的じゃない】んですね。
バチェロレッテの福田萌子さんも、参加者の男性陣も、全然テレビ的に面白くない人たちばっかりなんですね。
福田萌子さんは、長身でスタイルいいし、とても健康的。育ちもいいし、自立した考えを持っている。顔は安藤美姫のお姉さんといったところでしょうか。
男に媚びず、むしろ説教して成長を促す姿勢は、世の女性からは絶賛されているらしいです。
けれども、それって男からしたら全然「奪い合いたいほど魅力的じゃない」んですね(ブ男のおめえが偉そうなこと言うなという批判はごもっともです)。
早い話が、福田さんはまじめな優等生なんです。中身がお利口さんだからキラキラの笑顔で話す言葉には、人間的にまともであったとしても、残念ながら個性がなくて、面白みに欠けるんですね。
そもそものキャラが弱いので、スタッフがどう工夫しても個性が立ってきません。業界用語でいうところの「撮れ高」が悪いんです。ロケがイマイチなものは、編集で踏ん張ったとしても、やっぱりそこそこにしかならないんです。
ハッキリ言って、【主役の人選ミス】です。けど、しょうがない。他に出てくれる人がいなかったというのが実情ではないでしょうか。僕はこの番組のスタッフではないので、「頑張って出てくれた萌子さんに気を遣う」ということはあえてしません。

テレビ的に魅力がないとしても、女性としてはどうか? 先にも書いたように、「男性が奪い合いたいほど魅力的じゃない」んです。
もちろん好みは人それぞれです。歴代バチェラーの場合だって「こんなやつらタイプじゃねえ!」っていう女性もたくさんいると思います。けど、「こういう男っているし、それに群がる女もいるよね~!」っていう共通認識を持って楽しめた。金があって見た目がよい男性に女性が惹かれることに、共感はできなくても理解はできるわけですね。スタジオの3人で半分茶化していることから分かるように「ちょっといけ好かない連中の恋愛婚活サバイバル」を眺めるのがバチェラーの面白みなんです。

ところが。

バチェロレッテの場合、「こういう女っているし、それに群がる男っているよね~!」という世界観を視聴者のほとんどは共有できないんですね。なぜなら存在しないからです。福田萌子さんのような人はいるし、彼女のようなタイプが好きだという男性もいるだろうけど、“奪い合うほどの人数はいない”んですね。セレブなイケメン(久保や友永)を追い求める女性は多くいても、意識高い系の美女(福田)を追い求める男性は少ないんです(ちなみに福田萌子さんはセレブではないと僕は思っています。それについては次回つづります)。

福田さんはいわゆるモテるタイプではないので、バチェラーシリーズの醍醐味である「みんなが奪い合う」という設定に無理が出てきます。萌子タイプが好きな人を20人前後集めるのは至難の業なので、必然的に17人の男性はどうにかこうにか集められた集団となってしまう。
ゲームとして勝ち残りたいけど本気度・切実度は低いから、「別に最後の一人に選ばれなくてもいいや」という気のゆるみも生まれ、緊張感がなくなってしまう。男性陣の必死な行動がないから、当然「撮れ高」が悪くなる。
必死な姿=感情の発露がなければ、番組のテンションは上がりません。「スーツの魅力を広めたい」などと売名目的での出演理由をバチェロレッテ本人の前で口にしてしまう参加者が出てくるのは、「この馬鹿!」と突っ込めて楽しいのですが、やはりこの企画の真剣味をそいでしまう。往々にしてそういう男性ばかりなので、結果ローズセレモニーも「まぁこいつはないよね」って人から順当に落とされていく。真剣な萌子さんにとっては当たり前の判断です。
「もうちょっと参加者に真剣にやらせろよ!」って感じなのですが、運営側が無理を言って出てもらっている人もそこそこいるはずなので、スタッフも下手に出てなくてはいけなくてテコ入れが難しかった面もあるはずです。待機組が昼間っから酒を飲んでいるのはそのためですね。
男性陣:「ねぇねぇ、わざわざ仕事休んで来たのに放置なんだから、酒くらい飲ませろよ」
AD:「すません…わかりました。けど夜は撮影あるんで飲みすぎないようにお願いします・・(素人の分際で)」ってな感じです。現場の苦労がうかがい知れて、こっちが酒をあおりたくなります。ちなみに、憶測ですが、スタッフと男性陣(銅鑼持ちの坂東さんを含む)は結構、裏で飲んでいたと思います。
男性の必死さが足りないのが、番組全体に流れる温度の低さであり、面白みの欠如の正体です。


そんな中でも、今回出色のシーンとして挙げるべくは、榿澤さんのストールンローズ発動です。本気で結ばれたいと思ったわけではないと思うけど、あの瞬間に「ここで落とされたくない!」という彼の気持ちは本当だったと思います。だから、リアルで面白い。強いシーンです。
制作者目線のテクニカルなことでいえば、カメラワークも他と違っていたのも大きいかと思います。
通常のバチェラー撮影は、全て三脚をたてて撮影されています。構図を決めてキレイに見せるためです。肩にかついでの撮影だとどうしてもブレます。それと、それぞれの顔を撮るためにカメラも複数用意しています。
ところが、あの橋での告白シーンは、カメラは三脚なしの手持ち撮影です(カメラマンがカメラを肩にかついで撮影している)。福田さんとローズが橋のどの位置にいる時に、榿澤さんがやってくるか分からないので、三脚を立てて決まった位置でカメラ構えていては対応できないんですね。ちょうどいい位置に来なかったらちゃんと撮れないわけです。だから、カメラマンがベストな撮影ポジションに歩いて移動できるように手持ちスタイルにしてある。さらに言えば、通常は複数のカメラで撮影しているけど、この時は一人です。普段は三脚で何人もいるカメラマンが全員手持ちスタイルでいたら、福田さんも「あれ?いつもと違う」と違和感を覚えてしまう。
つまり、突然の榿澤割り込みを撮影するために、一人のカメラマンがかつぎで撮ることになったんです。実はこのスタイルは、日本のドキュメンタリーでは超定番の撮影なんです。海外ではあまり理解されない手法なのですが、日本では手持ち撮影は、手振れなどによってカメラマンの感情が乗っかり「生々しいリアルな映像」になるとされています。なので、全体的にドラマのように撮影されているバチェロレッテの中で、いきなりドキュメンタリー的な1カメ・1カットで撮影された映像が挿入されたことで、視聴者は劇的にリアルになったと感じたと思います。
(ちなみに、その前に、榿澤さんがベッドに背中から倒れこむ様子をド正面から撮影した映像は、爆笑でした。あれを撮影しようとしたディレクターには素直に負けを認めます。素晴らしい演出です)
その関連で言えば、スギちゃんも本気組なので、視線を合わせられない「たまらなく好き」のシーンは胸を打つんです。ローズの「おはようレベルの“好き”」は、彼のキャラと相まってすがすがしいのですが、切実度で見ると、スギちゃんの方がぐっとくるのです。

ここまでお付き合いありがとうございます(^(●●)^)!
長くなったので、前編はこの辺で終わります。

後編は、最終回のジャッジにもつながるだろう「経済力」を切り口に、駄作である理由を語ろうと思います。結婚を考えると否が応でも、お金のことが関係してきますからね… 木曜までのお楽しみに…

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