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アラートが鳴り続けるHIKVISIONのレコーダーを自分で修理する方法
監視カメラ・レコーダー業界で、世界No.1シェアを誇るトップメーカーHIKVISION(ハイクビジョン)は、日本でもさまざまな分野で導入されつつあるでしょう。
HIKVISION(ハイクビジョン)の監視カメラやHDDレコーダーは、法人向けの業務用監視システムだけでなく、個人向けにも高機能で低価格、つまり、コスパの非常に良い監視アプライアンスを販売しています。
録画ができるネットワーク監視の最小構成としては、カメラ4台+ハードディスクレコーダーが1セットで販売されています。
海外だとカメラ単体で2000円前後で購入でき、日本(Amazon.co.jp)で購入した場合でも、1万円以下で購入できます。
ですから、セキュリティにお金をあまりかけられない個人の敷地や、遠方の店舗、小規模の事務所にも設置されているのではないでしょうか。
さて、この高機能、高コスパの監視アプライアンスには、1点だけ残念なことがあります。それは、電圧の変化による影響を受けやすいということです。
(もちろんこれは、実機を長年使用した私の感想ではありますが。)
具体的には、雷の多い地域では、ハードディスクが壊れ、記録されたデータが失われる可能性があるということです。
また、途上国ではこういった停電が頻発するため、電圧の変化に対応するために AVR(An automatic voltage regulator)とよばれる自動電圧調整器を設置し、ハードディスクを搭載している機器を保護しています。
このように録画機器を保護していても、1〜2年に1度くらいの頻度で、ハードディスクに何かしらのエラーが発生し、カメラの映像を録画できないまま、HDDレコーダーからアラートが鳴り続けるといった事象が発生することがあります。
ハードディスク自体も消耗品なので、定期的にエラーをチェックし、不安定な動作が増えるようであれば、壊れる前に交換する必要がありますが、パソコンで使用するハードディスクなら、1〜2年で壊れることは、ほぼ無いでしょう。
つまり、監視アプライアンスのHDDレコーダーに搭載されているハードディスクの故障間隔は、通常、パソコンなどに使われるハードディスクよりも短いと言えます。
HDDレコーダーに搭載されているハードディスクは、24時間365日、常に動作しているのですから、本来であれば、サーバー用の高耐久性HDDを使用するといいのでしょうが、それだとせっかくの高コスパ製品であるHIKVISION(ハイクビジョン)の良さが失われてしまいます。
だからと言って、個人のデスクトップパソコンに搭載されているような安価なハードディスクを監視用に使用すれば、1〜2年で壊れることもあるわけです。
そこで、私は提案したい最適解というのが、『安価なハードディスクを使いつつ、壊れたら買い替えずに自力で修理する』です。
そんなことができるのかと疑問に思われるかも知れませんが、私自身、これまでHIKVISION(ハイクビジョン)のHDDレコーダーを6回程度は自力で修理しています。
交換部品も購入していないので、費用は掛かっていません。修理時間としても、準備から後片付けを含めても30分も掛かっていません。実作業としては、15分程度でしょうか。
この方法を習得すれば、1〜2年のペースで発生する機器のトラブルも、メーカー修理に出すことなく、短時間で自分で直すことができる訳です。
もちろん、全ての故障パターンに対応している訳ではありませんが、HIKVISION(ハイクビジョン)で起こりやすいと思われる以下のトラブルに対処できるようになる訳です。
ハードディスクに何かしらのエラーが発生し、カメラの映像を録画できないまま、HDDレコーダーからアラートが鳴り続けるといった事象が発生することがあります。
もし、上記の事象が2年周期で発生し、その都度、メーカー修理を依頼していたら、修理代や部品代が相当なものになりますよね?
無償保証期間内であれば、自力で直すと保証対象外になると思いますが、そうでないなら、自分で修理するのも現実的な選択肢といえるのではないでしょうか。
さて、前置きが大変長くなりましたが、私がいつも自力で修理しているノウハウをお伝えしたいと思います。
現在、HIKVISION(ハイクビジョン)のHDDレコーダーが壊れて困っている方、メーカー修理に出そうか悩まれている方、交換部品を購入しようか検討されている方は、是非ともご購読してみてください。
それでは、自力で修理するやり方は、説明させていただきます。
まず、現在、発生している事象について確認します。
HDDレコーダー本体から「ピーピーピーピピ」というアラートが鳴っている場合、何かしらの異常を検知していることを意味します。
通常、設定したセンサーのしきい値を超えたときに鳴るアラート音ですが、アラートで連続して鳴り続ける場合は、HDDレコーダーに接続された監視カメラに異常があったか、HDDレコーダーに搭載されたハードディスクに異常があったかが考えられます。
まず、前者かを切り分けるため、接続されている映像の全てが正常に映っているのか確認し、一つでも正しく表示されていない映像があれば、対象の監視カメラのケーブルの抜けや断線がないか、監視カメラのレンズに虫や障害物がないかを確認します。また、カメラが正常に起動しているかを赤外線ランプの状態(夜間などに赤く灯っているか)を見て確認しましょう。
上記にて問題がない場合、後者の可能性が考えられます。搭載されたハードディスクの状態を確認するために、パソコンなどからブラウザを立ち上げ、HDDレコーダーの管理画面を見てみましょう。
HDDレコーダーの状態の確認は、画面上部の Configuration(設定)をクリックしてください。
(注意:機種によって、若干操作は異なるため、お使いの製品の操作マニュアルをご確認ください。)
その後、左のフレームに Storage(ストレージ)の表示が見つかると思います。それをクリックし、Storage Management(ストレージ管理)をクリックしましょう。
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すると、HDD Management(ハードディスク管理)の画面が表示されると思います。そこに、搭載されているはずのハードディスクが表示されていない場合、HDDレコーダーがハードディスクを認識していない状態です。
このとき、2つの可能性が考えられます。一つは、ハードディスクが物理的に壊れてしまっていること。もう一つは、ハードディスク自体は、壊れておらず、一時的にHDDレコーダーからハードディスクの情報が見れなくなっていることです。
後者の場合、以下の方法で復旧する可能性があります。
作業時間は、約15分です。
注意事項:作業前に機器の電源ケーブルは抜いておきます。
また、作業の際は、静電気対策用に帯電防止手袋を使いましょう。
免責事項:本作業を開始するために特殊な工事資格を必要としませんが、一定の作業技術が要求されます。あくまで自己責任で行なってください。
手順:
❶まず、HDDレコーダーの筐体の蓋となっている部分をビスを外します。
❷蓋を開けると、ハードディスクが見えると思うので、SATA電源ケーブルとSATA信号ケーブルを抜きます。
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❸次に、筐体からハードディスクを取り出すためにビスを外します。
(ハードディスクを落とさないように慎重に作業しましょう)
❹ハードディスクが外れたら、ハードディスクをSATA-USB変換アダプタなどでMacBookなど接続し、ハードディスクが認識されるか確認します。
(私が自分で修理をする場合、「KURO-DACHI/CLONE/U3 - HDD/SSDスタンド」を使ってMacBookに接続しています。)
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❺パソコンでハードディスクが認識された場合、ハードディスクが物理系に故障していない可能性が高まります。
パソコンのディスクユーティリティの First Aid 機能を使って、ディスクのエラーを検出し、修復してください。
特に問題がない場合、Macな1TBの容量のハードディスクは、1分ほどで終了すると思います。
❻エラーのチェック、修復が正常に終わったら、ハードディスクをフォーマットの準備をしましょう。
Macのディスクユーティリティの消去機能からフォーマットします。
(くれぐれも選択するハードディスクの選択を間違えないよう注意しましょう。)
フォーマットに形式は、以下の通りです。
フォーマット形式:MS-DOS(FAT)
方式:マスター・ブート・レコード
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名前は、好きなものを自由につけて構いません。
❼消去のボタンをクリックすると、ハードディスクがフォーマットが始りますが、フォーマットによりハードディスクにはデータの無くなります。
録画データを消去したくない場合、あらかじめ信頼できるデータサルベージ会社にデータの復旧を依頼しましょう。
なお、私の場合、フォーマットの時間は、1TBで1分ほどでした。
それを目安にしてください。
❽無事にフォーマット作業が完了したら、手順を遡り、フォーマットされたハードディスクをHDDレコーダーに取り付けます。
HDDレコーダーにハードディスクを4箇所ビス止めし、固定します。
(ハードディスクを落とさないように慎重に作業しましょう)
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ハードディスクにSATA電源ケーブルとSATA信号ケーブルを挿します。
HDDレコーダーの筐体の蓋の部分をビスで固定します。
❾HDDレコーダーが元に状態に戻ったら、各種ケーブルを接続し、電源を入れましょう。
➓HDDレコーダーが起動すると、アラートが鳴り始めます。
この状態のまま HDDレコーダーにマウスやディスプレイを接続してもできますが、ネットワーク経由で設定する方法をまずは紹介していきます。
(どちらの方法で設定しても構いません)
設定:
搭載されたハードディスクの状態を確認するために、パソコンなどからブラウザを立ち上げ、HDDレコーダーの管理画面を見てみましょう。
HDDレコーダーの状態の確認は、画面上部の Configuration(設定)をクリックしてください。
(注意:機種によって、若干操作は異なるため、お使いの製品の操作マニュアルをご確認ください。)
その後、左のフレームに Storage(ストレージ)の表示が見つかると思います。それをクリックし、Storage Management(ストレージ管理)をクリックしましょう。
補足
このとき、このハードディスクはイニシャライズドされています。完全にイニシャライズしますか?といったようなメッセージが流れる場合もあります。Yesをクリックすると、フォーマットが完了して使用できるようになりますが、今回はメッセージが表示されない場合の説明をしていきます。
すると、HDD Management(ハードディスク管理)の画面が表示されると思います。そこに、ハードディスクが表示されているか確認してください。
ハードディスクが表示されている場合は、表に Statusが Uninitializedのなっていた状態で表されているはずです。(下記、画像参照)
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当該HDD No. の左のチェックボックスをクリックして、チェックを入れます。(下記、画像参照)
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表の右上にあるFormatをクリックして、ハードディスクをHDDレコーダー用にフォーマットします。(下記、画像参照)
なお、私の場合、フォーマットの時間は、1TBで1分ほどでした。
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フォーマットが終わると、表のHDDの Statusが Normalになると思います。(下記、画像参照)
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この状態になれば、先ほどまで鳴っていたアラートも止まるはずです。
もし、アラートが引き続き鳴っている場合は、ハードディスク異常が原因ではなく、カメラ側で異常を検知している可能性があるため、原因を調査してみましょう。
接続されている映像の全てが正常に映っているのか確認し、一つでも正しく表示されていない映像があれば、対象の監視カメラのケーブルの抜けや断線がないか、監視カメラのレンズに虫や障害物がないかを確認します。また、カメラが正常に起動しているかを赤外線ランプの状態(夜間などに赤く灯っているか)を見て確認しましょう。
アラートが鳴り止めば、正常に録画できているか再生して確認してみましょう。
次に HDDレコーダーにマウスやディスプレイを接続して設定する方法をご紹介します。
パソコンでフォーマットしたハードディスクを取り付け、HDDレコーダーの電源を入れると、ハードディスクを初期化するか問うメッセージが表示されます。「Yes」をクリックすると、取り付けた内蔵ディスクは全て初期化されます。
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管理画面に入るパスコードを入れ、「HDD」の項目をクリックします。
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取り付けた内蔵ディスクが表示されるので、四角いチェックボックスをクリックし、チェックを入れます(☑️の状態にします)。
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下部の「Init」をクリックすると、初期化でハードディスクの全データが消えますという旨のメッセージが表示されるので、「OK」をクリックします。
すると、HDDレコーダーでの初期化が始まり、数十秒ほどで完了します。
この状態になれば、先ほどまで鳴っていたアラートも止まるはずです。
もし、カメラの入力映像がない状態だと、アラートは鳴り止まないので、カメラの接続を確認しましょう。
最後に時刻の再設定をします。
もし、HDDレコーダーが LANケーブルにてインターネットに繋がっていない場合、時刻がズレてしまっていることが考えます。
時刻がズレていると、録画映像の記録時刻も誤った時刻で記録されるため、簡単なので、面倒くさがらず必ず行いましょう。
管理画面に入るパスコードを入れ、「Configuration」の項目をクリックします。
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左メニューで「General」が、右メニューで「General」タブが選ばれていることを確認し、「System Time」の右の時刻をクリックすると、時間:分:秒の順で時刻の設定ができます。右下の「Apply」をクリックしたタイミングで設定した時刻が反映されます。
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もし、日付も正しくなっていない場合は、同様の手順で「System Date」の右の年月日をクリックすると、月:日:年の順で日付の設定ができます。
「Apply」をクリックしたタイミングで設定した日付が反映されます。
以上、「HIKVISIONのレコーダーを自分で修理する方法」でした。
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以上
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