『健康』
去年5月、Tunecoreというサブスク配信運営サービス(曲をAppleMusicとかSpotifyとかに配信する手続きをしてくれるサービス)が「コロナ禍で困っているアーティストのために」と、”1つアルバム配信を無料で受け持ってくれる”キャンペーン(本来は1年配信なら5千円強かかる)をしていました。
そのサービスに乗じて、今まで録っただけ作っただけで何もしてなかった楽曲たちを集めてミニアルバムとして配信しました。
それが『味の素 EP』です。
(なんで「味の素」かっつーと、僕のアーティスト名が「無味」で、僕が高校生とか、音楽を作り始めたときに元になったジャンルって感じのラインナップになったから「味の素」にしました)
さて、そこから1年。メラメラと考えていたこと。
次はフルアルバムを出したい…
というわけで
出ました!!!!!!!!!!!!!!!
無味 1stフルアルバム『健康』
です!!!!!!!!!
どういう曲かさらっと説明して、宣伝になればなと。
1.滅びない
東北にある現代芸術家さんがいまして、その方の個展の名前が「滅びない」だったんですね。(ちなみに由来はアイヌ語のホロピナイ、とかなんとか)
僕はその「滅びない」という日本語に大変感銘を受けまして。
めっちゃいい日本語だな〜って。
タイトルに即採用、歌詞もまあ死にたくても死にきれねえみたいな話です。
滅びないことは果たして良いこと悪いこと?
素直なギターストロークをいっぱいやる曲で始めたかったのでこういう感じになりました。でも実はサビのコードとかおしゃれなんだよ。
2.逃避
原曲は、僕が18歳のときに作って当時のサークルで組んだバンドメンバーに提出して、残念ながらボツになった、人前ではやってない曲です。
今でも「良いギターリフだよなあ…」と根に持ってて、それで自分で作り直しました。当時はサビのシャウトなかったんだけどね。
歌詞はこれまた、18〜20歳のときに歌詞メモみたいなのを取ってたんですけどそこの中にある、散文的な、ネガティブな短文を詰め込んだものがあったのでそこから引っ張ってきました。
18歳のときの俺よ、こうしてリリースまでできたぞ。しかも当時はできなかったシャウトも使って。
3.bedroom syndrome
なんかもしかしてだけどsymdromeじゃなくてsy"n"dromeじゃない…?
ま、いっか(震え声)
この曲を書いたのは
シューゲ寄りのドリーム・ポップを書きたい
→なぜなら最近睡眠がヤバいから
がきっかけでした。
なんかめっちゃ金縛り起きるし、悪夢見て叫ぶし。
叫んで起きたことある?めっちゃ怖いよ。自分が。喉カラカラだし変な汗かいてるし。
すごい嫌だったんですけど、その嫌なことを成仏させる意味でもポップに仕上げました。
それ以降金縛りはありません。
4.冷たい羽
僕ちょっと前までフリーターで、そのときは大学の同期なんて会えなかったんですよね。
コンプレックスで。みんなは立派に働いてるのに、俺だけ…って思って。
会うのを避けてました。
社会人として働いてる今はどうかっていうと、仕事に追いつくのが精一杯で、給料もそんな良いわけでもなく。休みも不規則だし。もがいでますね。
そんな、ジレンマ。会いたくても会えない。一向にまた笑い合える機会に巡り会えない。そんな気持ちです。
曲は、GRAPEVINEらしさとかOASISらしさを考えて作りました。基本のコードストロークとジメッとした進行と、流れるようなギターソロ。
5.死んだ国
この記事を書いたあとに、デモ音源を書きました。
この国への絶望感と、それに対して「わたしたちは一人じゃない」とカップルで写真をとって抗っているのを見て、いや俺は孤独じゃん、というどこに属してても拭えない孤独感。(彼氏ほしい)
寂しいけどここにいるよ。俺は一人で。
それに対してモヤモヤとなって書いたのがデモ音源。
でも突発工事すぎて、デモとしてで終わっていたんですが、お世話になっている人から「これは社会的意義もある良い曲だからぜひアルバムに入れてほしい」となって、曲として余っていたトラックに歌詞だけ持ってきたのが今回のバージョンの「死んだ国」です。
多分曲書いてたときはサイレントヒルの楽曲にハマってました。
6.studio-instrumental-
音楽スタジオのロビー感を目指すために、実際にスタジオで録った大学時代のボイスメモと、あとローファイヒップホップを俺のできる楽器で作りたい。という思いで作りました。
ノイズの中には前回のミニアルバムに入っている「幽霊さん」も混ぜてます。
ローファイヒップホップ、いいですよね。僕ずっと聴いてます。
7.Fe (Feat.ネムケfrom「閏」)
友人であるネムケくんのベースが大好きで、共作したいと思っておりまして、それで作った曲です。ぜひ彼らのバンド「閏」も聴いてみてください
ベースリフ主体で、ゴイゴイと引っ張ってもらいました。
細かいことはよくて(細かいギターは重ねているけど)ギターでガツンと怪しい音を出したいと思ってつくりました。
ラブアンドピースなんかで、僕は救われないので。
8.雨ざらしの化け物
ThePainsOfBeingPureAtHeartというバンドがいるんですが、そのバンドみたいなタイプの、歪みで輪郭をぼやかさないタイプのドリームポップとUKインディー、みたいな感じで考えて作りました。
あえてベースが伸びづらかったりするセッティングにするのなんか面白かったです。
歌詞は、軒下のモンスターかもしれないし、そのモンスターは自分かもしれないし。
9.Night Driver
安易な決め方をしたのに、めっちゃ時間がかかった曲だったな。
「ストレイテナーのMan-Like Creaturesを意識しつつ、宇多田ヒカル好きだし一曲くらい打ち込みガンガンしてる曲もほしい。夜の高速で聴いてもいいようなクールで疾走感ある曲」
と思ってオケは作りました。「Night Driver」も仮題だった。
でも書いてみたら、夜に家で悔しがってる曲になっちゃった。
僕はJ-POPメインでもないし、歌メロは音楽では聞かないし、おまけにヘテロ男性でもないけど、「美しいものくらいわかるさ」
10.健康
これはリードトラックといってもいいでしょう。
僕の、思想、願い、祈りが込められてます。
「健康になりたい」
僕はうつ病で不眠症で、なにかあったらすぐ落ち込むしなにも手につかなくなるし眠れなくもなる。しかもその生活を何年も続けている。
健康になりたいな。そう願ってやみません。
「健康」という単語には引っ張られがち。
「地獄を見る」ですね。そういうことです。
11.scape goat
どうしても早い曲で終わりたくて無理やり作った曲です。
9mmキッズなので速い曲好きなんです。最後とっ散らかしたいよね。
ジャケットが大変いい出来だったので、歌詞も羊の話にしました。
12.secret track(ぎゃむらい)
これに関しては、第69回音楽と太というラジオで語りたいと思います
総括
割と前時代的なアルバムになりました。
個人的には聞くのにエネルギーが要る曲ばかりだし、途中にインストが挟まってたり、おまけトラックもあったり。
一曲目から順番に聴いてください、と俺が決めつけることはできないけれど、もし気に入ってもらえたら一曲目から続けて聴いてもらいたいです。(曲間とかにも気つかったし)
僕が生きた証が、今年も刻めて満足です。