気密測定の準備
気密測定するための準備についてご説明します。
住宅の延べ床面積を計算する
図面から住宅の延べ床面積を計算しておきます。
これは現場で相当隙間面積(C値)を計算するときに必要なためです。
気密測定器で測定すると総相当隙間面積(αA)がわかります
これを延べ床面積で割ったものが相当隙間面積(C値)です
閉める場所、目張りする場所、開ける場所
気密測定する場合は、 目張りせずに閉めるだけの場所、目張りする場所、開ける場所があり、これらは決まっています。
なお、目張りする場所は2017年のJIS改正で変更になっていますので、古いマニュアルをお持ちの方は再確認することをお勧めします。
目張りなしで閉める場所
建物外皮にあるドア・窓
天井・床下改め口
ドアなどの郵便受け
車庫に通じるドア
基礎と床の両方を断熱している地下へ通じるドア
目張りする場所
換気レジスター
台所レンジファン
換気扇・天井扇(ファン)
FF式以外の煙突の穴
屋外へ通じる排水管
集中換気システムの給排気ダクトの屋外側出入り口
開ける場所
建物外皮内のすべてのドア、引き戸(各居室・便所・浴室・ボイラ一室・納戸等)
外皮に面する造り付けの戸棚・収納庫や台所セットなどの収納部の扉、および押入れ・クローゼット・クロークの扉
建物外皮の外側に付設されている部分(風除室、外部扱いのサンルーム・温室・外物置、及び組み込み型の車庫など)に取り付けられている開口部
屋根断熱時の小屋裏空間の出入口または改め口
基礎断熱時の床下・地下空間等の出入口または改め口
換気・暖房設備などの停止
給排気ファン、台所・便所・浴室等のファンを停止させる
自然排気型・強制排気型の燃焼器、暖炉、空調機(エアコン等)は停止させる
気密測定器の設置
以下は代表的な気密測定器の設置方法です。
実際の設置方法は気密測定器や環境によって変わります。
気密測定する窓を決めて開ける
窓にビニールシート(またはプラスチック段ボールなど)を貼る
気密測定器の送風機を窓に設置する
ビニールシートに送風機用の穴を開ける
送風機をビニールシートと隙間がないように養生テープなどで接着する
通気量を測定する整流筒を送風機に設置する
整流筒のホースを気密測定器本体に接続する
圧力ホースを気密測定器本体に接続し外に出す
外の圧力ホースの先端にTピース(T型の管)を設置する
外気温度センサと室内温度センサを気密測定器本体に接続する
外気温度センサを外に出す
送風機の電源プラグを気密測定器本体のコンセントに挿す
気密測定器本体の電源プラグを住宅のコンセントに挿す
これで気密測定が可能な状態になりました。
送風機を設置する窓はできるだけ直接風が当たらない場所を選びます。
圧力ホースの先端はできるだけ風が当たらない場所に設置します。
外気温度センサと室内温度センサの先端は直射日光が当たらない場所に設置します。
住宅にもよりますが、気密測定器の設置自体は慣れればそれほど時間はかかりません。
ただ、住宅にもよりますが各箇所の目張りなども含めますと準備にはそれなりに時間がかかります。
また、目張り、閉め忘れた場所がないか、換気システムや暖房器・エアコンが停止しているかなど、しっかり確認してください。
準備が正しく行われないと正確な測定はできません。