平均日射熱取得率(ηA値)とは?
平均日射熱取得率(ηA値)とは、日射により室内にどのくらい熱が入るかを表した数値です。
平均日射熱取得率は小さいほど日射熱が室内に入らないことを示します。
冷房期はできるだけ日射熱を遮り、暖房期はできるだけ日射熱を取得すると省エネになります。
省エネルギー基準(省エネ基準)では地域ごとに冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)の基準値が設けられていて、その基準よりも数値が小さければ基準をクリアしていることになります。
ちなみに、暖房期の平均日射熱取得率(ηAH値)に基準値は設けられていません。
日射熱のほとんどは窓から入りますが、外壁や天井などからも日射熱は入りますので、平均日射熱取得率では窓以外の日射熱も考慮するようになっています。
窓以外の部位は断熱性能が高いほど日射熱を遮ります。
計算方法
平均日射熱取得率の計算方法は窓と窓以外で異なります。
計算式は複雑なのでここでは説明を省きます。
詳細な計算方法にご興味あれば以下をご参照ください。
計算方法には簡略計算法と詳細計算法が有ります。
簡略計算法は計算が簡単になりますが、安全側で計算されますので基準をクリアしづらくなります。
詳細計算法は計算量が多くなり時間がかかりますが、より正確な計算を行うことができます。
平均日射熱取得率の計算は非常に大変
「外皮平均熱貫流率とは?」で外皮平均熱貫流率(UA値)の計算は大変と書きましたが、平均日射熱取得率はそれよりも大変です。
特に窓の日射熱取得率(η値)の計算が複雑です。
そのため、詳細計算法で計算するのはかなり時間がかかります。
日射をコントロールする方法
窓の日射を遮る方法はいくつかあります。
通常レースカーテンや内ブラインドなど室内で日射を遮りますが、室内側での日射遮蔽はレースカーテンなどに日射が当たってそこで熱に変わるため効率的ではありません。
そのため、平均日射熱取得率の計算ではこれらは考慮できません。
日射を遮る場合は、室外で日射遮蔽すると効率的です。
たとえば、庇、外付けブラインドなどがあります。
平均日射熱取得率の計算では、庇などの日除け、外付けブラインド、障子を考慮することができます。
庇は夏の日射を遮り、冬の日射を取り入れることができるため、省エネ的に優れています。
冷房期と暖房期
夏と冬では太陽の高さが異なります。
そのため、平均日射熱取得率は冷房期(ηAC値)と暖房期(ηAH値9を別々に計算しなければなりません。
暖房期の平均日射熱取得率(ηAH値)は省エネ基準に基準値がありませんが、一次エネルギー消費量を計算するときに必要です。