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住宅の省エネ基準の適合義務化はどうなる?

菅首相が2030年の温室効果ガス目標を2013年度比46%削減を表明しました。
46%削減するためには、国全体で温室効果ガスを大幅に減らす必要があり、当然建物で使用するエネルギーの削減も求められます。

従来日本の住宅の暖房は全体を温めるのではなく、炬燵開放型暖房器(ポータブルストーブ)など、部分を温めるだけだったため、もともと暖房エネルギーは少なかったのですが、最近はエアコンなどで居室を暖める方法が普及してきたため、暖房エネルギーが増えてきています。
暖房エネルギーを少なくするためには、断熱材を入れて住宅から逃げる熱を少なくしなければなりません。
そのため、省エネ基準適合義務化という話が出てきています。
(新築の住宅は省エネ基準をクリアしなければならないということ)

ここで問題なのはどのレベルの高断熱化が必要かということです。
現在の省エネ基準は平成11年基準がベースになっていますが、すでに20年以上前の省エネ性能で、この基準では温室効果ガスを削減することはできません。

そうなると、2030年までに温室効果ガスを削減するためには、もっと高い基準が必要です。

省エネ基準よりも高い基準

省エネ基準よりも高い基準としてはZEH・ZEBがありますが、断熱性能はそれほど高い基準ではありません。

それよりも高い基準としてはHEAT20G1G2があります。

ただ、現状このレベルの住宅を建てているところは非常に少なく、どうやってG1、G2を普及させるかは今後の課題となります。

高気密化はどうする?

あと、高断熱化するのであれば当然高気密化は必須になってきますが、これをどうするかはあまり話題になっていません。

高気密化しないで高断熱化すれば、隙間などから熱が逃げていって効率が悪いだけでなく、壁内結露(壁の中が結露する)の問題も出てきます。
壁内結露が起これば、木材の腐朽、壁内のカビ、シロアリ、グラスウールなどの断熱材の性能低下などの問題が起こります。

設備や創エネで省エネにできないのか

CO2削減するためには高断熱化だけでなく、住宅全体でエネルギー使用量を少なくする方法もあります。
省エネ基準では一次エネルギー消費量が住宅全体のエネルギー使用量を表します。
一次エネルギー消費量は、断熱性能などの外皮性能だけでなく、選択する設備太陽光発電などの創エネで省エネにすることができます。
設備の効率は高くなってきていますが、今後新しい技術がでてこない限りは急激に効率が上がるということは期待できなさそうです。

創エネも省エネになります。
ただし、太陽光発電は気象や周辺の建物などにも左右されます。
また、晴れている日にいっせいに発電されると送電線に送ることができませんので、蓄電など何らかの方法でエネルギーを貯めることを考えなくてはなりません。
現在のところ蓄電池は容量が大きくなると高価ですし、充電すると一定の割合でエネルギーをロスしますので、今後エネルギーを貯める方法は検討課題です。

省エネ基準はどうなる?

国がどのようにして住宅の温室効果ガスを減らそうとしているのかは、現時点では不明です。
現状の省エネ基準で温室効果ガスを削減するのは難しいため、今後基準を見直す必要が出てくると思います。
いきなり基準を高くするのは難しそうですが、2030年ということを考えるとあまり時間がありません。


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