見出し画像

暖房能力によるエアコンの選び方

エアコンを家電量販店などに見に行くと、能力が部屋の大きさで表されていることが多いと思います。
でも部屋の大きさだけでエアコンを選択していいのでしょうか。
断熱性能は住宅によって異なります。
同じ部屋の広さでも断熱性能によって必要な能力は異なるはずです。
ただ、住んでいる住宅の断熱性能を知っている人は少ないでしょうから、部屋の大きさで判断するしかないのかもしれません。

ただ、これは今後変えていかなければなりません。
同じ広さでも高気密高断熱住宅低気密低断熱住宅でエアコンが同じでいいわけがありません。
では、何を基準にエアコンを選択すればよいのでしょうか。
暖房の場合一つの基準になるのは簡易的な設備容量の計算です。

例として一つの住宅を計算してみましょう。
外皮平均熱貫流率(UA値)が0.85の住宅とします。
この外皮平均熱貫流率は東京(6地域)の省エネ基準をクリアします。
延床面積が120m2としますと、熱損失量は0.85 × 120 = 102 W/Kです。

これに換気と漏気の熱損失量をプラスします。
換気回数が0.5回/h、漏気分が0.2回/hとし、住宅の気積が280m3だとすると、換気と漏気による熱損失量は 0.35 × (0.5 + 0.2) × 280 = 69 W/Kです。
合計すると102 + 69 = 171 W/Kになります。

たとえば、最低気温が0度、住宅全体の平均温度が18度とすると、以下の計算式で設備容量を計算できます。
(ここでは安全側で計算するため内部発生熱などは無視します)
171 × (18 - 0) = 3078 W = 3.1KW

つまり、この住宅で気温が0度のときに住宅平均温度を18度にするためには、エアコンの暖房能力が3.1KW以上が必要ということになります。
条件が悪いときも考慮して多少安全率をかけた方がいいかもしれません。
1台で能力が足りない場合はエアコンを増やすことを検討します。

エアコンを選択する場合、省エネのためにはCOPAPFが重要ですが、エアコンを暖房に使用するのであれば暖房能力も確認するようにしましょう。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?