日よけの効果を計算する
夏の日射を遮り冬の日射を取り入れれば省エネになります
そのため、住宅の省エネのためには日よけを利用して日射をコントロールすることが重要です。
省エネ基準の平均日射熱取得係数(ηA値)では日よけの効果を考慮することができます。
窓に庇(オーバーハング)などの日よけがあれば、冷房期の平均日射熱取得率を小さくすることができ、基準をクリアしやすくなります。
日よけは、壁面からの張出し(出)が長ければ、その分日射を遮ることができます。
ただし、窓と日よけの距離が離れていれば、日よけがあっても日射が入りやすくなります。
また、冬はできるだけ日射が多く入った方が省エネになります。
日よけの張り出しが長すぎると冬に日射が入らなくなるため、日よけの寸法や位置は夏と冬の両方を考慮しなければなりません。
平均日射熱取得率を計算する場合、窓は日射熱取得率に取得日射熱補正係数をかけて補正します。
この取得日射熱補正係数で日よけが考慮されます。
日射熱取得率 = 窓の日射熱取得率 × 取得日射熱補正係数
取得日射熱補正係数を計算する方法は三つあります。
定数
一つは取得日射熱補正係数の定数を使用する方法です。
これは日よけの有り無しにかかわらず定数(決まった数値)を使用しますので計算は簡単ですが、日よけがあっても考慮されませんので、日よけがある場合は不利です。
簡略計算法
もう一つは簡易的に計算する方法(簡略計算法)です。
地域や方位によって取得日射熱補正係数を計算する式が用意されているので、これを利用します。
現在取得日射熱補正係数の詳細計算法は使用できなくなりましたので、計算する場合は簡略計算法のみになります。
日よけ効果係数
もう一つは日よけ効果係数をWebアプリで計算する方法です。
これは公式の「日よけ効果係数算出ツール」が以下のURLで公開されていますので、これを利用して計算します。
ちなみに日よけがない場合は日よけ効果係数は1です。
日よけ効果係数を使用して取得日射熱補正係数を計算する場合は以下の計算式で計算します。
取得日射熱補正係数 = 斜入射の規準化日射熱取得率 × 日よけ効果係数
「斜入射の規準化日射熱取得率」は省エネ基準のテキストに一覧表が用意されていますので、その一覧表から求めます。
最も精緻に計算できるのは日よけ効果係数を使用する方法です。
冷房期(夏)と暖房期(冬)の取得日射熱補正係数を計算して、適正な庇の寸法を確認しましょう。