住宅の省エネ性能の説明の受け方(説明義務制度)
今年の4月から住宅は省エネ性能の説明義務制度が始まりました。
この制度が始まったことにより、建築士は建築主に対して住宅の省エネ性能について説明することが義務化されました。
なお、建築主が説明がいらないことを意思表示した場合は、建築士の説明は不要になります。
この制度は建築主にとっては説明を受けることができる権利です。
説明を依頼すれば建築士はそれに答えなければなりません。
では、どのような説明を受けることになるのでしょうか。
住宅の省エネ性能は省エネルギー基準(省エネ基準)を元に判断します。
省エネ基準には外皮平均熱貫流率(UA値)、冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)、一次エネルギー消費量という項目があり、これらに地域ごとの基準値があります。
(地域によっては基準値がない項目もあります)
この基準値をクリアしているかどうかの説明になります。
なお、基準をクリアすることは現時点では義務ではありません。
基準をクリアしているか、していない場合はどのような措置をすれば基準をクリアできるかの説明になります。
では建築主はその説明を聞いてどのように判断すればいいのでしょうか。
まず、基準をクリアしているかを確認します。
ただ、現在は省エネ基準をクリアしたからといって省エネとは言えなくなっています。
現時点では新築の半分以上が省エネ基準をクリアしていると言われています。
また、今年の4月から説明義務制度が始まった関係で、今後は省エネ基準をクリアする住宅は増えてくると予想されています。
最近は省エネ基準の適合義務化の話題が出てきています。
そのため、今後は省エネ基準は最低ラインの省エネ性能と考えた方がいいでしょう。
省エネ基準が適合義務化された場合、そうしますと今後は省エネ基準の位置づけが変わってきます。
単に省エネ基準をクリアするだけでなく、外皮平均熱貫流率などの数値がどのくらいなのかが重要になってきます。
また、省エネ基準の上の基準としてはZEHやHEAT20がありますので、性能の高さはこれが参考になります。
建築主はせっかく省エネ性能について説明を受けるわけですから、どのレベルの性能を求めるのかは考えなくてはなりません。
当然性能の高い住宅を希望するのであれば、その分コストはかかります。
性能とコストを考慮して判断しましょう。
住宅は長く住み続けるものです。
省エネ性能は暖冷房費がかからなくなるだけでなく、健康や快適性にも影響します。
これが何十年にもわたって続きます。
せっかく省エネ性能について説明を受ける権利を得たわけですから、これを存分に活用しましょう。