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気密測定の基礎知識

最近気密測定の質問が増えてきています。
以前いくつかの記事を書いていますので、よろしければまず以下のマガジンをご参照ください。

また、最近建築士などのプロだけでなく施主の方も独自で勉強している方が増えてきているようです。
ただ、ネット上の情報は古いもの、誇張されたもの、間違ったものがあり、混乱されている方が増えてきているように感じます。
施主の方が間違った知識で建築士を詰問することもあるようなので、今後いくつかに分けてもうちょっと詳しく気密測定について解説していきたいと思います。
まずは基本から。

気密測定の必要性

小さな隙間は目視では確認できません。
そこで、住宅が正しく気密化されているかを確認する方法として気密測定が始まりました。

気密測定器

気密測定するためには気密測定方法の開発測定器の開発測定器の普及が必要です。
まず気密測定方法が開発されましたが、当時は各センサーの寄せ集めで、一部の研究者しか測定できませんでした。
その後開発されたのが気密測定器です。
必要なセンサーを組み合わせて一つの測定器にし、測定や計算を自動化することで、研究者でなくても測定が可能になりました。

以下は私の記憶なので1~2年の誤差があるかもしれませんがご容赦ください。
一番最初に販売された気密測定器は、1987年にコーナー札幌(株)のもので、主に大学や大手メーカーの研究機関などに販売されていました。
その後コーナー札幌からより一般向けの気密測定器が開発され、1989年に工務店などに販売が始まりました。
そこから気密測定器が徐々に普及するようになり、高気密化が発展していきました。

気密測定のJIS

気密測定器の普及に伴い、2003年にJIS(送風機による住宅等の気密測定試験方法 JIS A 2201:2003)が制定されました。
その後2017年12月に改正(JIS A 2201:2017)されました。

気密測定の普及

初めのうち高気密化についてはいろいろな意見がありました。
利点をご理解いただけない建築士からの批判も多くありました。
当初高気密化を理解している建築士は少なく、先進的な工務店のみ気密測定を行っていました。
その後、徐々に高気密化が理解されるようになり、気密測定器を購入して測定する工務店が増えてくるにつれ、住宅の高気密化も普及していきました。

気密測定に関する情報の混乱

最近では施主も本やネットで勉強されていて、建築士にマニアックな質問をして対応する方もタジタジのようです。
ただ、情報が増えるにつれて、古い情報や誇張された情報、間違った情報も増えてきています。
勉強される場合は情報を鵜呑みにせず、広く情報を集めることをお勧めします。

現在気密測定はJIS化されていて、気密測定技能者という資格もあります。
最も正しい情報は、一般財団法人 住宅・建築SDGs推進センター(IBECs)が出している気密測定技能者用のマニュアルなのですが、残念ながらこのマニュアルは市販されておらず、気密測定技能者の講習を受けた人しか入手できません。

また、あくまでも個人的な意見ですが、JISや気密測定技能者マニュアルも現在の住宅にはマッチしない古い部分が残っており、今後の検討課題だと思っています。

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