住宅の熱的境界(天井・屋根、床・基礎)
前回説明した充填断熱、外張断熱以外にも断熱場所によって断熱の種類があります。
天井断熱・屋根断熱
天井で断熱する場合を天井断熱、屋根で断熱する場合を屋根断熱と言います。
一般的には天井断熱の住宅が多いようです。
天井断熱は屋根断熱よりも断熱材を厚く施工できる利点があります。
天井断熱する場合は小屋裏換気が必要なり、小屋裏の換気が不十分な場合は湿度が高くなったり夏に熱がこもったりします。
屋根断熱は屋根で断熱しますので、室内の空間を大きく取ることができます。
住宅の構造上断熱が連続ではなく欠損する場所があるため、できるだけ断熱材が連続するよう施工する必要があります。
床断熱・基礎断熱
床面で断熱する場合を床断熱、基礎面で断熱する場合を基礎断熱と言います。
一般的には床断熱の住宅が多いようです。
床断熱は基礎断熱よりも断熱材を厚く施工できる利点があります。
また、高断熱にすると床の表面温度を高くなり、体感温度が高くなります。
床断熱する場合は床下に湿気が溜まらないよう十分な換気が必要になります。
基礎断熱は高気密化しやすいという利点があります。
基礎断熱は基礎面のみを断熱する方法と、基礎面と床面の両方を断熱する場合があります。
基礎断熱は床面を断熱しない場合、地面を熱容量(熱を貯める場所)として利用でき、室内の温度が安定しやすくなります。
ただし、地面の温度が上がるまでは床面の温度が低くなるため、初年度は冬寒かったり、夏結露したりすることがあります。
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