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開催報告|観劇者向けサービス会議vol.1「公演カレンダー」&アンケート結果

2021年2月22日(月)に開催いたしました「観劇者向け・サービス会議vol.1」の開催報告です。

当日は休前日にもかかわらず、合計30名もの方にご参加いただきました。加えて、理事より4名(宋・杉本・板垣・伊礼)も。

会議の目的

TW_1280_720|社団

これまで、公演情報はプレイガイド、舞台芸術をつくる制作団体の発信、出演者発信のHPやSNS、会場配布のチラシ(コロナ禍で配布しない会場・団体も増えました)など、観客は様々な手段を駆使して情報をキャッチアップされているかと思います。その中で、「公演情報が網羅・集約されていない」課題を担当理事である宋・伊礼が起案し、当団体の事業としての検討をはじめました。

会議の冒頭で、いただきました事前アンケートの共有を行い、2つのテーマについて話し合うこととなりました(アンケート結果公開中)

テーマ1:批評について

日本における舞台芸術公演の「批評」は欧米、韓国に比べて、目にする機会が少なく、その存在についても知らない方が多い中、批評に対する現状把握と必要性の確認、批評家(批評を書き、発表する人)の育成なども業界課題ではないかと、理事・宋よりテーマを投げかけました。

宋)批評記事(感想・クチコミではない)をみたことはあるか?批評内容で観劇するかどうか決めたことはあるか?
批評記事が社会に幅広く公開されていくことにより、舞台芸術業界全体への認識・意識が変わり、多くの人に認められていくのではないか?と考えています。ぜひ、みなさんのご意見をお聞かせください

出てきた意見は以下の通り。

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批評記事はほぼみていないという意見が大半。批評を見た頃には公演期間が終了しているという意見もありました。批評、演劇ライターが書く公演記事も「情報に辿り着かない」「情報に辿り着いたとしても自分と意見が異なる」ケースが多く、批評や記事を見た上で観劇を決めることもなさそうでした。

公演情報を探す=公演を見るため、という前提があることから、チケット販売期間はいつか?残席はあるのか?が重要項目になっているようです。

テーマ2:他の機能への要望

続いて、理事・伊礼より、今回の公演カレンダーは「情報のハブ」の役割を担っていきたい・他に「公演情報を探す」に当たって気になる機能はあるか?というテーマを投げかけました。

伊礼)公演情報をまとめていくと、様々な機能を紐づけていけるのではないかと考えている(参考図表示)。ジャンル情報、公演検索はもちろんのこと、GoogleやAppleカレンダーとの同期や公演中に公演裏話を出演者が語る後パブ(伊礼彼方の部屋として過去実施)なども展開できるはず。この他、観客として欲しい情報・機能はありますか?

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出てきた意見は以下の通り

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様々な情報へのリーチがうまくリンクされていないことがわかります。

印象的なのは「舞台芸術は敷居が高い」という意見。チケット料金の高さ、チケット販売の複雑さ(先行販売、貸切、独占販売×販売期間も統一されていない)、当日券の有無がわからない、地方公演の有無が後から発表されるなど。情報発信が複数箇所で行われているため、観客は情報を追い続けていかなくてはいけないと。

落語・演劇における「東京かわら版」や、映画公開情報(映画.comやYahoo映画など)はあるが、舞台芸術については集約されていないのはなぜだろうかという疑問が残りました。

未来の会議では、このような課題を把握・公開しながら、観客と公演制作側とつなぐ役目を担いたいとコメントさせていただきました。

参加理事よりコメント

今回参加した理事から、皆様へのコメントです

●宋)事前アンケートの段階で皆さんが主に望んでらっしゃるサービスの方向性は大体見えていたので、アンケートの回答からは直接見えにくい部分をテーマにしてみたいと思って「批評」を取り上げてみました。
観劇慣れされている方には使いやすく、観劇初心者の方には参考にしやすいサービスを目指して検討を重ねていきたいと思いますので、引き続きご関心を寄せていただけると幸いです。
お時間を割いて参加してくださった皆様ありがとうございました。

●杉本)事前アンケートへのご協力や当日ご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。
上演時間のできるだけ早いタイミングでの公表など、そのニーズについてわかったつもりでいてもわかっていないことがたくさんあるな、と気づかされました。
安くはないチケットを買ってお越しいただくのに、情報提供がいまいち・・・というのは・・・。
改善の端緒となれるように、できることからスタートしたいと思います。

●板垣)限られた時間の中でしたが、舞台芸術・エンタメに対して強い想いを持つ方たちとの会話は、想像以上に楽しい時間でした。
個人的には「上演時間」「当日券」「割引」などの情報が一覧できる場所を作れたらと思っています。
「公演単位」よりも「ジャンル単位」の情報を拾いやすくすることが、業界の活性化につながると信じるからです。
まずはできることから着手し、いずれ多くの方たちと連携していけたらと思います。
またお会いしましょう。ありがとうございました。

●伊礼)生の声をお聞かせ頂きありがとうございました。アンケートの結果と未来の会議の方向性がさほどズレていなくて安心したのと同時に新たな発見が沢山ありました。これは大きな一歩です。
印象に残ったのが、上演時間を知りたい理由が「帰宅のため」だけではなく、「1日に何作品梯子できるかスケジュールを組み立てたい!」という意見。これには驚きました。その発想がなかったので盲点でした。
まだまだ沢山の課題が残りますね。とても勉強になりました。
こういう観劇者の舞台愛に気づけるように、今後もモノの見方が偏らないように助言を頂けたら嬉しく思います。一歩ずつ、一つずつ、出来るところから、皆さんの意見を反映しながら一緒に構築していきたいと思います。
ありがとうございました。

最後に開催に当たって

開催にあたり、40名ほどの申し込み・279名事前アンケートに回答いただき、ありがとうございました。

お互いに直接話す機会を持つことで、具体的な課題を見つけていくことができました。

とはいえ、1つのテーマ15分はとても短く、充分な議論ができたとも思いません。テーマをもっと絞った設問形式でのインタビューや、プロトタイプを作成・実証いただいた上でのディスカッションなど、皆様の意見をサービスに反映する機会を複数設けていきたいと思っております。

次回開催時に向けて、これらの意見を踏まえながら、今後もこのような会議を企画してまいります。今後の活動にご期待ください。

文責:一般社団法人未来の会議 事務局・金井

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