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スマイレージ『ええか!?』を考える。

つい最近ふと「ええか ええか えか えか ええか」って頭に浮かんできて久しぶりに聴いてみたら感想を言いたくなってきたので試しに書いてみようと思う。
今まで「この曲、なんかいい!」みたいな感じで漠然と楽しんできていて、あんまり曲のこういうところが〜とか歌詞はこういう意味で〜って言葉にしたことが無かったから変になるかもしれない。もちろん作詞も作曲もしたことない音楽ド素人だし。
ちなみに『ええか!?』は2013年に発売されたスマイレージのメジャー15枚目のシングル。『「良い奴」』と両A面である。


・歌詞

歌詞に関しては曲の中でもわりと気にしてる比重は高いかもしれない。ハロプロに限らず歌を歌うのが好きなのでカラオケに行くだけでなくふとした瞬間に何かしら口ずさむことが多い。だから歌詞を確認するのはよくやっている。友人と歌詞を読み上げてなんの曲かを当てるクイズをやるのが好きだし、割りと得意な自負もある。歌詞に背中を押してもらう時もあれば、唸る時もある。
という風に歌詞へのこだわりを述べたところで読み解いていこうと思う。

若者みな 同じみたいな
そんなくくりにゃ しないで頂戴な
ええか ええか えか えか ええか
ええか ええか えか えか ええか

歌ネットより引用

「今の若者は〇〇だ」とか「最近の子はこういうのが好きらしい」とか世代で括ることはいつの時代もどこの世界もあるあるなんだと思う。古代エジプト人が文書にそんなことを残してたという雑学もあるが、それはさすがにガセらしい。22歳現在の自分も「若者」の区分に入ると思うが、そう括られて100%で嬉しい訳では無い。映画を倍速で観たりはしないし、VHSやMDだって使ったこともある。あえて「若者」らしくないことをして気持ちよくなっているという可能性を否定できないのが悲しいが、思春期というのはだいたいそんなもんなんだと思う。(これが括ってるってことなのかもしれない)自分が何者なのかわからず、何者かになりたいともがいている。だから、そこらの他の人と同じに思われたくない。それがここに表れているのかもしれない。
「ええか」の部分はタイトルにはあるけどすっごい唐突に出てきたなって印象。最初は、しないで頂戴って言ってからやっぱりいいんかいって思ったけど、「わかったか?」の意味の「ええか」なんだと理解できた。これは関西弁だと思うんだけどやっぱり方言って親しみを与えられるから良い。首都圏で生まれ育った自分からすると方言ユーザーは羨ましい限りである。不意に出てきた時のギャップとか、使い分けてるバイリンガル感とかに憧れてるだけだけど。

個性とみなしてくださいな
ちょっと遅くっても許してな
得意な分野もあるんだな
な な な ななななな

歌ネットより引用

さっきは「みんな同じとしないで」ってことだったけどこの部分も「人と違うところは個性なんです」ってことだから大体同じだと言える。
人間ひとりひとり違うのでやっぱりこれができないあれができるは異なるし、得意・苦手もまちまちなのは当たり前である。この歌詞の人は、「これ苦手なのも個性だから!時間かかっちゃうけど許して!得意なこともあるし!」ってことを主張してるんだろう。
これと同じようなことは自分にも当てはまるものがあるし、というかこれは「人間あるある」だから共感しない人間の方が少ないとまで言っても過言ではない。

心の傷がまだ癒えぬ
笑顔やっぱ不自然
悩めば戻るわけじゃなし
分かっているけれど

歌ネットより引用

どんな心の傷なのかはここからでは読み取れないが、何かしらショックな事があってそれを引きずってしまっているのだろう。何か気になることがあると笑顔を作ろうとしてもどこかぎこちなくなってしまうというのもわかるし、そういう悩みってアレコレ考え続けるよりも忘れたり薄れるのを待つのが得策だったりする。それは理解できてはいるけどうじうじ気にしてしまうのも共感できる。つまりここの部分も「人間あるある」ってことだ。


次のブロック2つはさっきと同じなので割愛。

昨日とおんなじ景色でも
まったく同じじゃないんだし
瞬間瞬間生きてこうよ
心ん中 ほんのちょこっとポジティブにして

歌ネットより引用

今までもかなり口語的な歌詞だったけどここは特にそれが顕著な気がする。「おんなじ」「生きてこうよ」「心ん中」「ちょこっと」とかを使うことでより目線を同じにしてくれている感じがして心に入って来やすくなっているのかもしれない。
内容的にはとても良いことを言っているが、ともすると説教臭くなってしまうからあえてそうしてるんだろうと考えられる。
毎日通るような道でも端に生えてる草だって成長したり枯れたりするし、すれ違う人も毎回同じではないし同じでも変化し続けている。それは自分自身も例外じゃない。体調だって毎秒変わるし細胞の入れ替わりが常に起こっている。「今」はこの一瞬しかないからそれを大切に生きていった方が良い。(じゃないともったいない、という方が歌詞に即してるのかな) 不安なことは尽きないけど今を楽しもうと生きていれば自然となんとかなってたりするし、なんとかなるように状況が変わってるかもしれない。そんなことを雰囲気が重くならないように伝えてくれている気がする。

大きな希望 この胸に掲げて
小さな努力 日々続けたい
愛する人 愛するこの街
未来を この手に

歌ネットより引用

やっと1番のサビまでたどり着いた。
サビじゃないところに刺さる歌詞があることも多いけど個人的にはこの曲はサビが一番好き。
希望を掲げるならやっぱり大きな方がいいに決まっている。でもその大きな希望/夢を叶えるには小さい努力をコツコツ続けていかなければいけない。夢の大きさに惑わされて大きな努力をしようとするとうまくいかなくて挫折してしまったり続けるのがしんどくなってしまうこともある。やはり小さくとも努力を日々続けることができれば夢にいつかたどり着ける確率が格段に上がると言える。(絶対とは言い切れないけれど) みんな頭ではわかってはいるだろうことだけど、改めて言われると刺さるのではないだろうか。WBCの優勝でたびたび取り上げられていたけれども大谷翔平が高校時代に最終的な目標とそれを叶えるための9個の要素、またそれのために必要な9個の行いを記したものがあったが、それはこの歌で言う「小さな努力」をわかりやすくして取り組みやすくするというものなのだと思う。自分は実際の実力よりもプライドの方が高い見栄っ張りなのに加えて面倒くさがりなのでコツコツ努力することがすこぶる苦手であるから、とても身につまされる歌詞だった。
後半部分は「愛する人」「愛するこの街」「未来」を「この手に」なのか。それとも三行目と四行目は別と考えるのが良いのか。わからないけどこれが主人公にとっての「大きな希望」なのだろう。

夕べの夢は怖かった
まだ心臓ドキュン
現実の方が本当は
怖いはずなんだが…

歌ネットより引用

1番の後半でポジティブに行こうと意気込んでいたけどここではまた不安がぶり返してきている。一度眠ってしまうとぐっすりな自分からすると怖い夢を見て心臓がバクバクする経験があまりないのであんまり心情を推し量ることができないのだが、目が覚めて現実と顔を合わせる瞬間の心の重さはとても思い知っている。最近はTBSのラヴィットを観て明るく朝を迎えることに成功しているが、一人で明るくできる人はどんなことをしているのか気になるものである。

明日は明日の風に乗れ
空気を読むんだ!いい感じ
山勘あたってうれしくても
実力をきちんとつけちゃいましょう

歌ネットより引用

やっぱりサビに近づくとポジティブになる。確かになんでもかんでもノリでやろうとするのは良くないと思うしそういう輩は自分は好きではない。だが時には頭で考えるだけでなく流れに身を任せないと動かない場面は確かに存在する。そういった思い切りが功を奏する時にもそれで調子に乗るのではなくそれが頭で考えてできるようになれよ、と言うのが後半部の言いたいことなのかなと思う。山勘を信じることは大事だがそれに頼り切りになるのではない。それが実力でクリアできるようになればさらなる成長であるということだ。ここもまた調子に乗りやすい自分にはドキッとさせられる部分だった。

大きな期待 一身に背負ったり
小さい誤解 そのままだったり
愛するから 愛してるんだから
ドリームを この手に

歌ネットより引用

この後は一回出てきた部分だけなのでここが最後になるが、どう見ても尻すぼみになっている。前半の文量と比べたらとてつもなく短くなっているのだがわかりやすくガス欠である。
気を取り直して2番サビだが、ここも大きいと小さいの比較が使われている。身の丈以上の「大きな期待」を背負ってしまったり、「小さな誤解」を放置してわだかまりが残ってしまったりすることは曲のAメロBメロで抱えていた不安の正体なのかもしれない。こういった不安は生活の中でずっと付きまといモヤモヤを振りまいていく。
そこから何があって「愛するから 愛しているんだから」につながるのかは少し難しい話である。まず何を愛しているのか。やはり1番の同じ部分の「愛する人 愛するこの街」なのだろうか。いろいろ不安は尽きないけれど、あの人やこの街を愛しているのだから頑張ろうということなのだろうか。最後の「ドリーム」はリズム的に「夢を この手に」でも当てはまりそうだがあえて「ドリーム」としたのはおそらく大きい感が出るからなのだと推測する。「夢」も「ドリーム」も意味的には全く一緒だが、「アメリカンドリーム」や「ドリームジャンボ」のように大きい規模の言葉との結びつきがあってより「大きな希望」である様子が表せるのだと思う。

・まとめ

本当は音楽や振り付けの面も書いていこうと思ったのだが、あまりにも歌詞だけで書けたので今回はここまでにしておく。
この曲は主人公が未来に不安を抱えながらもポジティブに頑張るんだと自分に言い聞かせているというものなのだと思った。
現状不安を抱えつつもポジティブに生きなきゃなと感じている自分にとっては今聞いておいて良かった曲だなと感じさせられた。
タイミングがあればこの曲の歌詞以外の部分や他の曲にも手を出していきたいと思う。

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