ダブルバインド・ヴォート
「私も考えなしで作っているわけではありません。
大局的な視点は私に任せていればいい。まあ見ておいてください」
僕が前マシュマロに来た批判に返した言葉だ。
あの時はできると思ってたんだよ、本当にそう思ってたんだ! ビッグマウスなんかじゃないんだ、信じておくれよ!
でもやっぱビッグマウスなのかも、僕の言葉が真綿になって首を緩やかと締め付けていく感覚が伝わってきて、ああやっぱり失敗したなぁと後悔なんかしたりして……
この巨塔を作ろうと思って2年間、休止も建て直しも何回もして、完全にやめてしまったらこの2年が完全に無意味になってしまうから延命治療のごとくドラマのOPパロなんかでモチベを保ち続けてるけど限界なのかもな……
アパシーという病がある、一般的には無気力症候群と呼ばれて何もかもやる気が出なくなってしまう病気だ。
今の僕も片足くらいはそれに突っ込んでしまっている気がしてカフェイン錠剤に頼って無意味な夜更かしばかり。
これじゃダメだと思ってXにて何のドラマOPパロが見たいか投票を募った。
残り数時間、1票しか来ない、ゴミが。
何もかも上手く行かない、だから全てが中途半端に終わる。
中途半端に終わるから最初の成功体験が積めなくて、ドミノ倒しの最初の一個は積まれないまま。
皆最初の成功体験はどうやって捻出しているんだ?
動画を作るのが楽しいから作るなんて意見をたまに聞くけど僕にはそれが欺瞞で自己を騙す嘘っぱちにしか聞こえない。
創作がいつでも僕にくれたのはただの孤独と徒労だけだった。じゃあやめれば?なんて僕の裏の影が囁く、多分それは正しい。でもやめたって何にもならないゴミカスの僕が残るだけだ。
ダブルバインドという言葉を思い出した、どっかのドラマで見た言葉で響きがかっこよかったのを覚えている。今の自分がそれじゃないか?
もう何でもいい、アパシーでもダブルバインドでもコンコルド効果でも、僕を見てくれれば、視線をください。構ってください。愛してください。お願いだから。いいから僕を見ろ!!
悪魔にすら縋る思いで見た投票画面、そこには投票数4票の文字、ちょっと嬉しいがまだまだ足りない。
もっと、せめて2桁の投票数が。
結果は4票、投票結果が僕の好きなシーズンが1位だったからまだいいが……
Xへの喜びを書いてても裏寂しさとともにやっぱり視線への餓えを感じずにはいられない1日だった。