40歳からのデイサービス 会話できる幸せ
はっぴの家は『介護施設付きシェアハウス』と謳っているが、利用者さんだけでなくこの街の人達の憩いの場にもなっている。
先日、朝一服していると歩行器を使って歩いていたお婆さんがはっぴーの家のガレージで一息ついて「はぁ、疲れた」と言っていたので思い切って声をかけてみた。
お婆さんは長田生まれ長田育ちで、震災で旦那さんを亡くしその後はいろいろ転々としていたらしい。
けど、お婆さんはずっと笑顔で「昔はずっと悲しんでいたけど笑って話せるようになりましたわ!」とお話してくれた。
そして、「こうやって誰かと話さんと日本語忘れるから会話ができてとても幸せなんですわ!」と教えてくれた。
ピンキーもはっぴーの家に来る前に「孤独」というものをすごく感じることが多かった。
仕事上お客さんと会話することも業務の一つではあるのだが、仕事以外の時間で会話することは意識的にしないといけないことだった。
一人で知らない土地で暮らすということは「孤独の時間」というものが生まれる。
私の仕事の時間は夜だから平日の昼間に遊べたりする人が少ないという特性上、お一人様で過ごす時間が多くなったりする。
だから、前のピンキーは行きつけの喫茶店に週3から4くらいのペースで会話をしに行っていた。
「会話」とはWeb配信みたいに自分だけが話してコメントで答えてもらうことではない。面と向かって相手の顔、表情、空気感を感じながらコミュニケーションをとることだと思う。
昔はそれが当たり前だったのに、いつの間にか自分が意識しないと手に入らないものに変わってしまった。
だからこそ、笑顔で話したお婆さんの「会話ができてとても幸せ」という言葉の重さを改めて実感できたのかも知れない。