物書庵初心週記帖(9号)「利根川沿いをドライブ」
全国の小中高と特別支援学校に一切休校を要請という驚愕のニュースが飛び込んできて数日。各所で動揺が走っていたものの、やるしかないとなったら適応するのが市民の強さ。駅前、公園、コンビニや道端に若者の姿を見かけはするが、大きな混乱は出ていないようだ。
今回の判断、子供の安全を守るという気概は良い。打てる対策を思い切って打つ姿勢も悪くない。代替案なく批判しか出来ない野党よりは格段に上であろう。あえて一言言うとすれば、発症国の中国でも死亡例はゼロとされている中、全国一律の休校要請。人口密集地も、過疎地域も、離島も、横並びで一律?重篤化リスクの高い高齢者への要請は?専業主婦や両親、兄弟など近場に面倒を見てくれる人がいる家庭を現代の家族モデルだと描いていないか?結局、初動対応を誤った事のリカバリーなので、何をやっても後手後手と感じる点は対岸の火事と思わずに学ぶべきであろう。一方で、千葉市やつくば市など自分の頭で考える地方自治体が出てきている事は明るい兆しである。いずれも若い市長。今後の活躍を応援していきたい。地方創生が叫ばれて久しいが、考える自治体と右へならえの自治体が炙り出された事はむしろ好機と見るべきであろう。
そんな中、2月下旬に千葉県香取市方面を訪ねた。利根川沿いの下道を通って目的地の菅原大神へ。午前中に外せない用事があったため午後の到着となってしまい、お目当の例大祭は終わってしまっていた。お参りが出来ただけでもいいかなと連れ合いと話していたところ、地元のお爺さん、お婆さんに声をかけられる。はるばる車を走らせてきたのに例大祭が終わっていた事を可哀想だと思ってくれたのか、近くに菅原大神に所縁のあるスポットがある事を教えていただく。別れ際、お婆さんに「インターネットで調べればお祭りの時間が書いてあるから、次来る時は調べてから来たらいいよ」と。いやはや仰る通りです(笑)
早速教えて頂いた御産宮へ移動して、こちらでもお参り。ここは教えてもらわない限り完全にノーマーク。これも何かの縁かなとほっこりとした気持ちになり、例大祭を逃して残念だった心はすっかり晴れていた。
参拝が終わり、道の駅水の郷さわらを目指して車を走らせる。行きがけに気になっていたいちご農家の直売所へ立ち寄り。店番のおばあちゃんに特徴を伺うと「実がしっかりしていて甘いですよ」との事で、我慢出来ずに早速車内で一粒いただくと、まさにその通り!苺には目がない連れ合いも、これまで食べた中でもトップクラスの太鼓判を押すほど美味でした。
道の駅水の郷さわらの駐車場に車を停めて、利根川沿いを9kmほどランニング。晴れていて風が強くなかった事もあり、優雅に流れる利根川を眺めながらのんびりと走れてとても贅沢な時間。こういうお金では買えない時間と体験にこそ価値があると愚庵なんかは思ってしまう。地場野菜を買い求めた後に川沿いを散歩していた連れ合いと合流し、もう一箇所買い物を済ませた頃にはすっかり陽が落ちていた。楽しみにしていた「発酵の里こうざき」への立ち寄りは断念して、次回のリベンジを誓い帰路へ。
寄り損ねた発酵の里こうざきだけでなく、小江戸さわらの街並みや東国三社巡りなど見所がまだまだあるエリアなので近いうちに(連れ合いは苺のシーズンにもう一度行くと息巻いていますが)再訪したいと思います。
蛇足ではありますが、行きがけにランチで立ち寄った「つる吉」で穴子天丼を注文しましたが、ボリュームがありながら主菜、副菜のバランスも良く、味も絶品でした。近くを訪れた際にはオススメです。