物書庵初心週記帖(5号)「鬼破外、福笑内」
二十四節気でいう立春を過ぎて、暦の上では春となったが、ここにきて寒波が訪れてようやく冬らしい天気になった。東京都心でも初氷が見られたそうだが、当然ながら観測史上最も遅かったようだ。2月4日の立春は、二十四節気の最初の節気。新しい年の始まりとされ、節気が変わる(分ける)立春の前日が節分。新しい年に向けて豆を撒き、邪気を払う風習が今も続いている。
愚庵の氏神である八坂神社で毎年行われている節分祭では年男、年女による豆まきが地域の人気行事となっている。今年は平日だったが早々に仕事を切り上げて無事に連れ合いと共に参加する事が出来た。
少し早めに到着出来たので、参拝を済ませた後に振る舞いの甘酒をいただく。子供の頃から美味しいと感じた事がなく好んで飲む事は無かったが、甘酒が大好きな連れ合いに影響されたのか、美味しく頂くようになった。優しい味で身体も温まる。
20時を周ると本殿で節分の御祈祷が始まる。御祈祷を終えると年男年女が舞殿へ移動して豆まきが始まるのだが、舞殿前ではすでに子供を筆頭に老若男女がまだかまだかと始まるのを待っている。よく見ると大きな段ボール箱を用意している大人もたくさん。子供なら気持ちがわかるが「おいおい、食糧調達と勘違いしてないか?」と心の中でツッコミを入れながらしばし待つ。20時20分を過ぎた位で御祈祷を終えた年男年女が舞殿へ移動。到着してから程なくして豆まき開始。
宙を飛び交う丸餅や豆にお菓子、カップラーメン。手を伸ばしてキャッチする人、取り損ねて地面に落ちたところを拾う人。元野球部の意地もあり、愚庵はキャッチに専念。宙を飛ぶモノを捕るのが苦手な連れ合いは拾う方にシフトしているようだ。後方だった事もあって軽いお菓子は飛んでこなかったものの、無事に4つ取れました!
本年の収穫は丸餅2つに、豆とカップラーメン。いずれも愚庵がキャッチしたもので、収穫ゼロだった連れ合いは少し悔しそうなものの、参加出来て喜んでくれたのが何より。早々に帰宅して、まずは早速お豆を頂きました。
節分祭の後日、役所関連の所用で休暇を取ったので、2020年に祀るお札を買い求めて八坂神社を再訪。連れ合いと共に2020年の初おみくじを引いたところ、私が中吉、連れ合いが吉。いずれも「待っていた福がいずれ訪れるでしょう」といった今の二人にとってはとても良い内容であり、顔を合わせて喜び神社を後にした。