物書庵初心週記帖(21号)「ニューノーマル、withコロナ、アフターコロナ…」
25日に全国で緊急事態宣言が解除された。愚庵は変わらず在宅勤務であるが、出社している友人からの話を聞く限り、飲み屋にも通勤電車にもけっこうな勢いで人が戻りつつあるようだ。喉元過ぎれば暑さを忘れるという事だろうか。
ニューノーマル、withコロナ、アフターコロナ…色々な言われ方をしているが、少なくともワクチンが開発されインフルエンザと同じレベルで普及するまでは、もう元の世界には戻れないという事であろう。しばらくの間は新型コロナと付き合う事になると考えるとwithコロナという言葉がしっくりくるだろうか。いずれにせよ今後の先行きを愚庵なりに予測してみたいと思う。
国内政治に目を向けると、直近では都知事選の動向が注目を浴びるであろう。再選の可能性は極めて低いと思われていた現職の小池都知事にとっては新型コロナが追い風となっており、満を辞して立候補も表明した。堀江貴文ことホリエモンの立候補も取り沙汰されている。極論が故に賛否両論あるが愚庵としては良い流れだと感じている。彼が起こす提案に対してどれだけの対案を各候補が出せるのか。劇薬のように感じる人も多いかもしれないが、都政にも国政にも一石投じる事になるのではないだろうか。
愚庵がもう一つ注目するのはネット選挙解禁への動きだ。様々なモノがオンラインへとシフトし、政府も推進してきたが、オンライン化の本丸はネット選挙のはずである。が、大半の議員、とくに若者の投票率が上がる事に及び腰な議員はどう動くのか。今、このクニで本気で政権を取ろうとしている野党がいなければネット選挙の動きも進まないであろう。この動向はこのクニの行く末を表す一つだと思い見守っていきたいと思う。
経済面ではインバウンド需要が当面見込めず、来年のオリンピックも中止が濃厚で先行きも全く不透明な中、内需への回帰、特に地域経済への関心度が上がると思われる。自粛生活で地元で過ごす時間も増えただろう。近所の公園、森や川の自然、地元に根付いた店舗の数々…外国人ウケを狙うのではなく、日本人に愛される観光資源とは何か、今一度この問いに向き合う時が来たのではないだろうか。変わり身の早さはこのクニの商人の強さでもある。その土地に住む市民が地域経済を支える。この構図が産まれる事の延長が日本経済の復活に繋がっているのではないだろうか。
海外に目を向けると米中の対立が加速しており、この対立関係はしばらく続くと思われる。再選を目指すトランプ大統領、新型コロナの初動に対する不手際から目を晒したい習近平首相、いずれにとってもわかりやすい敵の存在が必要なのであろう。しばらくはこの関係性は続きそうで、新たな冷戦ともなり得る。ヒト対ウイルスという構図で国境を超えた協力関係が進むかと期待したが、どうやら程遠いというのが現実となりそうだ。
恐らく、遅くとも2週間後には新型コロナの感染者数は再度増えてくるだろう。それが第2波と呼ばれるのかはわからないが、その対処にこのクニの浮沈が掛かっていると案じてならない。