物書庵初心週記帖(51号)「天気も政局もぐずついた梅雨空はいつまで続くのか?」
週明けの関東地方、もともとぐずついた天気が続くという予報だったところに、ようやく気象庁から梅雨入りが宣言された。「ようやく」という感覚だったものの、九州の梅雨入りが早かっただけで、関東地方としては例年から1週間遅れだそうな。例年、台風を筆頭にした自然災害が日本列島に最も猛威を振るうのがここからの数ヶ月。1人でも多くの人が穏やかな時間を過ごせるように願ってやまない。
先週末の話題の中心は2年ぶりに対面での開催となったG7。外交がアキレス腱の菅総理にとって、オリンピックの開催への支持と対中関係に向けた団結が命題だった事は結果的に好材料だったのだろう。いずれもNOという強い理由がないのが一番の理由だろうが、初の外交上の大舞台で無難にまとめて帰ってきたというのは菅内閣にとってこれ以上にない手土産になった。
この状況に焦ったのか、二階氏の「受けてたつ」発言を真に受けたのかは知るよしもないが、野党4党が内閣不信任案を提出し当日に棄却されるという素人考えでも結論が見える茶番がこのクニの政治の現状である。
今は賛否両論のオリンピックも、開催すれば日本人のメダルラッシュで盛り上がるのは間違いない。その頃にはワクチン接種もだいぶ進み、自粛ムードが払拭出来るだろう。秋になればこんな雰囲気になっているのに、今解散する必要性がないというのが思惑だろう。
野党としては、秋になればオリンピックとコロナ対策が一段落して、わかりやすい指摘事項がなくなる。それであれば、今のタイミングで不信任案を出すしかない。あわよくば解散総選挙となり、勝率が少しでも上がる。棄却されても不信任案を提出したという事実が残り、後の武器となる。こんなところだろうか。
今回の内閣不信任案提出は、政治的にも歴史的にも何も残らない行動であったのは言うまでもない。とにもかくにも、政局というのは国民不在の駆け引きだというのが改めて浮き彫りになった、というのを市民が学び、無関心から批判へと意識が転換するきっかけにでもなれば良いなぁと思うのだが…。