物書庵初心週記帖(12号)「守り(予防)と攻め(免疫力アップ)のバランスやいかに」
新型コロナウイルスの猛威は止まらず欧米、アフリカにまで急拡大している。国内でも感染者が徐々に増えているが、潜在的な感染者は何倍もいるであろう。テレワークや時差出勤が浸透しているのか、通勤電車の混雑は少なく通勤時のストレスが緩和されている。
国内外ともに株価は軒並み下がっており、リーマンショックというキーワードも飛び交っている。欧米諸国は先行していた日本よりも強固な外出禁止令を敷いている。一切休校が発表された時は「急だ!根拠は?」と言っていた野党が「対策が甘かった!」と言い出す気がしてならない。ほんの一握りではあるが、地方自治体の首長は動き始めている。建設的な議論、是々非々の姿勢でこの状況を打破していく政治家が国会から出てくるのを期待するのは筋違いなのだろうか。
発症者数の上昇に歯止めが見えてきた中国では、政府高官が米国がウイルスに関与したという発言し、トランプ大統領はチャイニーズウイルスと吐き捨てる。リーマンショックと比較されるまでになってきているコロナ不況に歯止めがかかる希みはどこに抱けば良いのだろうか。経済が落ち込んでいる最大の要因は「不安」である。各国でやるべき事、国同士が協調して取り組むべき事が推進され、1日も早く日常が取り戻されて欲しい。
2020年におけるこのクニの最大の目玉であったオリンピック開催は延期で確定であろう。G7の緊急会合で「東京オリンピックは決行する!」と宣言したその姿勢にはどのような考えがあったのか。まさか「いだてん」で描かれていた田畑政次さんのような熱意と意思と行動力で本気でアスリートファーストなどと考えていてわけはあるまい。気にかけていたのが経済なのか、支持率なのか知るよしもないが、その目論見が崩れるのが確実な中、次の一手をどう打つのか。先人達が切り開いてきたオリンピックの道、人生を賭けて日々身体を磨き上げたアスリート、未来の希望である少年少女達…こういった人の顔を思い浮かべながら頭を捻って欲しいと思うのは期待が大きすぎるのだろうか。
東京オリンピックは新型コロナに水を刺された形になってしまったが、大迫傑選手の日本記録、一山選手の国内最高記録の快走は胸をスカッとしてくれた!やはりスポーツにはヒトを元気にする力がある。現地感染の自粛によりテレビにかじりついて声援を送っていたが、思わず表に飛び出したくなる気持ちにさせてくれた。そして、先週末の三連休は自粛疲れ?なのか、関東近郊は各地で賑わいを見せ、感染対策なのか渋滞の列が長かったようだ。適切な予防と心身を健全に保つ事による免疫力アップがウイルスとの戦いの肝となる事を肌で感じている人が増えているのであろう。移動制限等の短期施策は行政に委ね、市民一人一人は長い目で出来る事に目を向けてドンと構えて過ごす位でもいいのかもしれない。人類はウイルス(疫病)との戦いを繰り返しながら、今なお生き続けているのである。