物書庵初心週記帖(15号)「緊急事態宣言」

4月7日、ついに緊急事態宣言が発令された。「遅い、弱い」と海外から批判の声は出たようだが、各国で募っていた不安や怒りの矛先が一時的に日本に向いたという事であろう。今はまさに有事であり、えてしてパニックになりがちな状況下において、
「やむを得ず出勤せざるを得ない職種においてもオフィス出勤者を7割削減して欲しい」
「人との距離を確保した健康維持の為の散歩やランニングは何ら問題ない」
この2点を緊急事態宣言のタイミングで明言した事は評価するべきだろう。

医療従事者や生活インフラ従事者以外は在宅勤務へ切り替えて、本当に今出勤が必要な方達が少しでも安全に通勤出来る環境を作る事が社会の一員としての責務である。我々の事業は社会インフラであるという想いや崇高な理念を掲げる事は各社の自由である。が、今は綺麗事だけではどうにもならない。「社員の生命、安全を守らずにサービス提供者としての顔は成り立たない」という事は3.11を経験して以降、愚庵が企業を見る基準としている。最低7割減をベースにして各社の在宅勤務、オフィス出社減が進む事を期待している。

相次ぐイベント自粛でリフレッシュの場が奪われていく中で、陽の光を浴び、外の空気を吸う事は自然の恵みを享受するヒトとして最大の贅沢である。この行為をクニのトップが問題ないと明言した事は素晴らしい。愚庵はもう何年もランニングが習慣になっているが、この機会に外を歩く喜びに触れる人が1人でも増えることを願っている。

一方で「一世帯に布マスク2枚」「1人あたり一律で10万円支給」この2つはただのバラマキで愚策としか言えない。政権与党内で自公の力関係を巡った綱引きをしているという声も聞こえてくる。支援が必要な人や組織を見極めて線を引く、線を引いた中に入る人達に必要な支援を届ける。今政治に求められているのは、みんな平等横並びではなくメリハリである事を肝に銘じてもらいたい。

政治が出来ないのであれば市民一人一人が代行する、という事で愚庵の手元に届くであろう10万円は日頃からお世話になっている地元の飲食店に全額使うつもりである。大きな資本を持たずに地元で日々踏ん張って飲食店の灯を消さないように、テイクアウトや出前を利用して食べて応援していこうと思う。

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