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2022.2.19 バストリオ日記

去年『UTURU』の撮影中に海の向こうに陸地が見えた
iphoneみて国後島だと知った、見た、というのはやっぱり人間にとって大きな出来事でそれからというものロシアのことを考えたり今年つくる予定の新作のことぼんやり考えてたので虎ノ門にある領土・主権展示館という場所にいった、強い事実を提示する裏付けのための展示、そのなかにあった島で暮らした人たちのインタビューは一人一人よかった、行く前に勝手に想像してた怒りの感情みたいなもんよりは記憶と向かいあった力をこめたものではない優しい声がモニターから流れた、おじいさんの後ろの窓際に置かれた小さな観葉植物は近くの花屋で買ったのか、どんな匂いがする家だろうと想像した、おじいさんの暮らしは声そのものにあってイメージが現れた
いつもどこかが特別な土地にされてしまう、という事実からできる限り小さな粒だった何かを受けとめたいし見過ごされてしまうような痕跡が完璧に存在している存在そのものを大切にしたいのと同じくらいつくる作品の出来は大切だ

高円寺でドキュメンタリー映画『理大囲城』をスクリーンで改めて見たらオンラインで家でパソコン画面で見てたのと違うのは笑い声やった、どんな人が笑ってたのかはわからないし知らない、客席から聞こえた、悲惨な状況を見せてたシーンで笑いが起こった、たまにこういうところで笑う人たちがいる、舞台見てるときによくある
こんなとこで笑うんやと思ってる俺は笑わない、笑いはむずかしい、千鳥やランジャタイ見てたらあっさり笑うけどこれで笑いたいとは思わなかった、てめえが面白いと思ったなら好きに笑えばいい、と思うくらいに苦い現実が理大囲城には映ってた
ゲストで来てた森達也は意地悪なことをトークで言ってた

ウクライナという国はサッカーで知ったと思う、アンドリー・シェフチェンコは素晴らしい選手だったし、ディナモキエフ、シャフタールドネツク、固有名前ばかり出てくる、たとえばその国の歴史を情報としてある程度知ったとしても何も知らないに等しい

東京ドキュメンタリー映画祭で上映された映画『UTURU』が大阪の映画館シアターセブンでも上映されます、3月8日16:35から一回限りです、去年12月に音楽家の松本一哉と一緒にまわった関西ツアーで見に来てくれた人たちもまだ見てない方々も大きなスクリーンで見てもらえたら嬉しいです
今年は三つ新作をつくる予定があります
どこかでお会いしましょう


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