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オタクによる少女☆歌劇 レヴュースタァライト 初見の感想とか考察とか

ぶそんです。

今までFFの人に「レヴュスタを見ろ」と冗談抜きで100回くらい言われていたので遂に全話観ました。

なので今回は1~12話を見た感想を、たった1周しただけなので解釈違いが沢山あると思いますが色々書いていこうと思います!!かなり駄文ですがよろしければ最後まで見ていってください!

※ネタバレを多く含みます!本編を見てない人は必ず本編を見てから来てください!






最初に


まず、この作品全編通して一貫してるテーマが
・人間としての自立
というのがあると思っています。

本編開始時点では九九組のみんなはそれぞれ何かに執着していました。1番わかりやすいのは香子と双葉、彼女たちはお互いにお互いを必要としていた共依存状態でした。そんな彼女達はオーディションを通して、香子は双葉が舞台少女の雛鳥として羽ばたいた事を知り、双葉はあの日見た1番輝いていた幼少期の香子が戻ってきた事を知り、お互いが舞台少女として独り立ちする事が出来ました。

今まで何かに執着していた少女達がスタァライトという舞台を通じてなりたい自分を見つめ直す、これが12話中でずっと一貫していたように思います。ある種の人間賛歌のようにも思えてとても美しかったです。

このようなテーマを踏まえた上で各話について語っていきたいと思います。X(旧Twitter)で投稿していた感想ポストを清書したような内容ですが見ていただければと思います。


各話感想


1話 舞台少女

ヒカリが来るシーンで歯車が回って何かに突き落とされるような感覚を華恋がイメージしているシーンですが、これはヒカリの転校によって運命の歯車が大きく回り始め、華恋が舞台少女として目覚める事の暗示となっていました(歯車が回る所はバナナにもかかってくるところですが)

天堂さんがヒカリを見た時に「心が見えませんわ」と言い切るシーン。ここは非常にストーリーの中でも重要な要素となっていました。8話で語られたヒカリの過去、彼女は転校時点では自らの過去の敗北を認めて乗り越える事が出来ていませんでした。

ステージに立つ人間として、自己表現をする人間として、自分を隠す事は最もやってはいけない行為です。天堂さんは直感的にヒカリが何かを隠している事を察する、これを直ぐに察知できたのは天堂さんだけ(クロディーヌも分かってて聞いていた可能性がある)で、このシーンだけで天堂さんがトップに立つ人間であることがよく分かるシーンでした。1話はここが一番好きまであります。

華恋はずっと約束を覚えていた訳ですが、ヒカリが転校してくるまでは周りの人達(特に天堂さんとクロディーヌ)のレベルの高さに半ば夢を諦めている状態でした。しかしオーディションでヒカリがピンチになっている所を見て、彼女は覚悟を決めます。あの日約束した運命のスタァライトを二人で演じる為に。そうして華恋は舞台少女として「再生産」される訳です。再生産の意味がちゃんと明示されていた良いシーンだったと思います。

2話 運命の舞台

星見純那とのオーディション。星見純那の執着は「真面目で他人の陰に隠れていた自分からの脱却」。彼女はようやく手にしたチャンスを逃したくない、彼女の過去の回想シーンにもあったような数多くのマネキンの内の一つには戻りたくない。だからぽっと出で飛び入り参加してきた華恋に対しては「私はこんなに渇望してようやくトップになる権利を得たのに、あなたは何故突然入ることが出来たのか、認められない。」とわかりやすい怒りを表していました。

そんな彼女の舞台装置はメガネの形をした鏡の建造物が多く出てきます。これは恐らく過去の自分からの脱却、自分が手にした武器(キラメキ)で過去の自分(眼鏡)を破壊するシーンが多くありました(本編通して自分のセットを破壊する人物は純那だけだったはず)。

2話終了時点の正直な感想としては、「ウテナじゃん...」でした。オーディションとは戦い、奪い合いであり、みんな勝つために他人を落とそうとする。ただ華恋は勝つだけでなく他者を救済する、まさに「革命の剣」なわけです。この時点で彼女は物語を大団円に導く力を持っているんだろうな〜とか思ってました。

3話 トップスタァ

天堂さんとの初対戦でした。天堂さんの執着は後ほど話すとして、この第3話で華恋は初の敗北を喫します。

天堂さんは首席で皆から憧れの存在です。ただし皆から憧れられる存在というのは皆から理解されないものなのです。だから天堂さんは常に孤独なんです。最強であるが故に誰にも理解されない存在としてトップを走り続ける覚悟を決めたのが天堂さんです。

3話時点での天堂さんと華恋との実力差は様々な場面で出ていました。華恋が両手で本気で剣を押し込もうとしているのを天堂さんは片手で"背筋を伸ばして"受け止めていました。また舞台装置は常に天堂さんが上に立つ構図になっており、華恋が追う側、天堂さんが、追われる側という構図になっていたのも良かったです。

また舞台装置が完成してからは天堂さんにスポットライトが当たり続けていました。これは天堂さんこそが常にメインキャストであり、それ以外は全てトップを輝かせる陰である、という天堂さんが如何にトップに執着しているかが分かるワンシーンでした。

また、ここの曲の話をすると、タイトルが「誇りと驕り」。確かにトップで居続けるために他者からへの理解を捨て去った天堂さんにとって、何も失わずにティアラを取ろうとする華恋の考えは傲慢、驕りそのものだと思われても仕方ありません。

そしてこの時僕はまだ純粋にバナナ可愛いって言ってました。

4話 約束タワー

日常回!バナナイス可愛いな〜とか思ってましたあの時は

お互いの約束を確認し合って、二人でスタァライトを演じることを約束する、ストーリー上非常に重要な回です。この回があるから後半の展開の辛さが効いてきます。

他愛もない話をして、お互いの近況を知ることでお互い別々だった時間を埋め合わせていきます。そうする事で心の距離を近付けていく、その表現はお互い約束した場所(東京タワー)へと物理的距離も近付いていく事としても表現されています。

ヒカリにとって華恋は既にたった一つの綺羅星でした、星空をバックに手を差し伸べて、手を繋ぎながら同じ場所、同じ高さで星を見つめる。お互い同じ熱量の志でスタァになることを決意する、めちゃめちゃエモかったです。もうほんとにこのシーンめっちゃ好き。

5話 キラめきのありか

露崎まひる回、彼女の執着は「愛城 華恋」。ヒカリが転校してきたことによって華恋はもう自分と仲良くしてくれないのでは?なんでヒカリは私から華恋を奪っていくのかと嫉妬の炎に燃えるわけです。

まひるは地方から来ており、周りの人達のレベルの高さに自信を失ってしまい、自分は輝けないのでは無いのかと思っていましたが、華恋というキラメキの隣に立ちたい、その思いで今まで練習してきたのです。

ただし憧れるだけじゃ追い付けないんです。憧れという行為はその人の背中を見続けることに他なりません。なので彼女は自分自身のキラメキが何なのかを思い出す、つまりどんな舞台少女になりたかったのかを思い出す必要があったのです。

そんな彼女は華恋との戦いを通じて自分がずっと憧れていた愛城華恋はちゃんと自分のことを見ていたこと、同じ舞台少女としてまひるにしか持ち合わせていない輝きを持っていることを伝えられ、彼女は救われます。

最後のシーンでのまひるの「もう頼らない」というセリフ、これは作品のテーマである「自立」を端的に表現しています。彼女に隣に立ちたいのなら彼女に憧れるのを、彼女と同じ色になろうとしてはいけない。華恋の隣に立ちたいのなら華恋とは別の色で華恋と同じ位置まで行かなければいけない。そこに自分で気づく事が出来た、まひるが人間として自立しためっちゃめちゃいいシーンでした。

舞台装置も、彼女が本来なりたい舞台少女像である「大切な人を笑顔に、幸せにできるような舞台少女」というのに合わせた、コミカルな舞台装置となっています。しかしここまでコミカルな舞台装置は露崎まひる以外無く、既に彼女自身のオンリーワンの輝き、スタァになる資格がある事が分かるのが、良いんですよ...

そしてサブタイの「キラめきのありか」 これ華恋とまひるの両方にかかってるのがいいんですよ!

6話 ふたりの花道

香子+双葉回、まず幼少期の香子が可愛すぎる。

冒頭でも話した通り彼女達の執着は「香子」と「双葉」つまり共依存です。

香子は名家の出身で十分聖翔音楽院に入る実力はありましたが双葉はギリギリ、双葉はずっと香子が世界で1番煌めく瞬間を隣で見るために努力して来ました。それはあの日の約束を果たすため、1度手にした最大のチャンスを逃さないようにするため。約束のレヴューは2人のことを表しています。

香子本人は常に双葉にとっての1番であり続けようとしていました。それは双葉に追いかけてきて欲しかったから、こと演劇においてはあの子は自分が居ないとダメだから、という思いがあったから。けれども彼女はクロディーヌと練習していた、「もしかしたら双葉は自分を超えるのでは?」「双葉が私を超えたら双葉は私から離れていってしまうのでは?」双葉に常に自分の方を見て欲しかった、構って欲しかった香子は退学をチラつかせてしまいます。

ちなみに天堂さんは二人のこの共依存性を看破していて、追われる人間の責務、辛さが分かると香子に伝えています。何でも知ってるなこの人。

オーディション内では双葉が成長した事を知り、雛鳥が空へと羽ばたいた、彼女自身がなりたい舞台少女像を手にした事を見た香子は追われるものとして、双葉にとっての1番であり続ける覚悟が決まります。このオーディション内では香子は天堂さんに匹敵しうるポテンシャルを持っている事が暗に示されています。カッコよすぎるよ香子。

そして双葉も覚悟が決まった香子をみて、幼少期に見た最高の輝きを持った香子が戻ってきた事を知り、オーディションは終わります。こんなにも素晴らしい友情物語が展開されていると思っていなかったので視聴中ずっと台パンしてました、良すぎで。あと花咲か唄カッコよすぎる。

7話 大場なな

まどマギが始まってしまいました。レヴュスタってここからです。

大場なな回ですが、彼女の執着は「第99回聖翔祭」。彼女は過去の出来事からもうこれ以上悩んで苦しむ人の姿を見たくないと思うようになり、初めてのスタァライトの輝きを永遠に繰り返すことで九九組を苦しみから解放しようとしていました。

彼女は変化する事への恐怖を明確にしていきますが、停滞していてはあの輝きは永遠に掴めません。

芸術は同じものを反芻するとその味を薄めます。初めて見るものにしか出すことの出来ない輝き。それに匹敵する輝きを作り出そうと思うのなら変革しなければならない。時を停滞させる行為は実は大場ななが求めていたものから最もかけ離れていた行為でした。

そして彼女がやろうとしていた事は、皆から理解される事はありません。彼女は皆と仲良しで、ずっと孤独だったんです。

そして何よりも第99回聖翔祭だって色んな人の苦悩から完成した作品です。人は悩み、怒り、悲しむことで自分自身を形成し、前に進む事が出来ます。その上で大場ななという存在はこのアニメ自体のアンチテーゼ、自分がスポットライトに当たりたいのではなく、自分を犠牲にしてあの日見た景色を見続けたいと願うバナナ。でもそれは皆の夢を奪う行為にもなるんですよね...

バナナは皆のことをよく見ています。7話は九九組のメインキャストのみならず、モブキャラ達の表情も豊かになっています、そして辞めたモブキャラ達のフルネームまで明確に出てきます。ここまで九九組全員の事を見ていたのは大場なな位だった訳です。

7話のEDだけインストになっているのも、彼女の舞台装置がないのも、「なりたい自分がない」からなのがヤバすぎ...

8話 ひかり、さす方へ

ヒカリの過去回想回、やはりキリンはヒカリをバナナに対する最大のカウンターとして用意していました。

ヒカリは1度オーディションで敗北を知り、キラメキを失ってしまいました。キラメキを失ったヒカリは孤独でした...ただヒカリがバナナと違ったのは舞台少女として生まれ変わる要因があった事です。バナナは良くも悪くもあれ以上進化することはなかったんです。でもヒカリは華恋との運命の約束がありました。運命を果たすために彼女が生まれ変わる(再生産する)シーン、すいません、泣きましたここ。

ヒカリにとって華恋は一等星でした、そしてヒカリの舞台装置は海、もう一度運命を叶えるために、2人で一緒に回ることを約束した水族館とかかっているのもそうですが、この構図は太陽と海、と見ることも出来ます。海と太陽は2つ合わせて描かれる事が多いです、お互いを引き立たせる存在としてこの海と太陽があるんじゃないのかなと思ってます。

なぜ滑り台の上だったのか。その答え合わせもこの回にありました。幼少期はヒカリから滑り台の頂上で華恋と約束をしました、この時華恋は自分から階段を登っています。滑り台は文字通り滑り落ちる遊具。ヒカリの敗北と喪失と挫折はまさしく滑り落ちると表現してもいいでしょう。

しかし華恋はずっと待ち続けていました。ずっと滑り台の頂上で、あの日の約束を果たすために。それを知り、覚悟が決まったヒカリは過去の挫折を認め、克服します。ヒカリが4話で滑り台を逆から登っていったのはそういう意味が込められてたんじゃないかなと思います。

そしてヒカリが挫折から立ち直ったことがわかるシーンはバナナとのオーディションでもありました。あの時動いてた舞台装置はヒカリが挫折した舞台でした。ある種ヒカリの心象風景とも言えるシーンでしたが、ヒカリは最後剣を向け切る事に成功しています。様々なシーンでヒカリの挫折からの克服が描かれています。

ヒカリとバナナは似た存在でしたが、ヒカリは変わることが出来ました。ヒカリは正しくバナナに対する革命の剣だったわけです。

しかし、ヒカリがバナナに勝利する事はきっかけでしかありませんでした、誰よりも変わった華恋と戦って初めてバナナは救われる、その答え合わせが9話となる訳です。

9話 星降りの夜に

バナナ編ラストです。

第100回聖翔祭のパンフレットが陰に隠れて、第99回聖翔祭のパンフレットが光に当たっているのは、まさしくバナナが第99回聖翔祭に執着していたことの現れになっていました。

バナナは何より停滞を望んでいましたがそれは恐怖によるものでした。中学生の時にできなかった演劇、聖翔学園を辞めてしまう仲間たちをまた見てしまうかもしれない。そんな恐怖から彼女は今いる時の停滞を望みました。だからヒカリの登場はバナナにとっては本当に恐れていたことだったのだと思います。

そして迎える華恋との対決ですが、華恋は苦難を乗り越え日々進化する舞台少女として覚悟を決めた舞台少女、一方でバナナは皆を救うために時を止める覚悟を決めた舞台少女。この対比構造がとても素晴らしい。

華恋が99回聖翔祭のロゴからはけていくのが良すぎ...

華恋と戦い、自分を見つめ直したバナナ、けど彼女は前回のスタァライトを少しづつ変えて前回からより良くしようとした。彼女もちゃんと舞台少女としてスタァライトしていた。最後純那ちゃんから色んな哲学者の言葉を言われますが、彼女が救われる最後の1ピースが何度時を戻してもずっとそばに居た純那ちゃんの口上なのは本当に泣いちゃうんだよ...

10話 されど舞台は続くThe show must GoOn

オーディション最終日、天堂さん+クロディーヌ回です

メンバーが1人増えてしまった事で2vs2になったのでデュエットオーディションという形に、ノータイムでクロディーヌを選ぶ天堂さん良すぎ

華恋とヒカリについては、10話終わりから11話までの伏線が序盤で貼られていました。彼女達は東京タワーでスタァライトごっこをしますが、10話までのスタァライトの終わり方の解釈は悲劇の物語、彼女達は再演したがってしまっていたのです。悲劇のレヴューを。それが10話ラストに繋がります。

そして天堂さんとクロディーヌについてですが、天堂さんの執着は「頂点」、クロディーヌの執着は「天堂真矢」でした。天堂さんは常にトップであるという自覚がある少女です。自分が最強であるが故に孤独にならなければいけない、みんなの憧れで居続けるために努力を惜しまなかった純粋な舞台少女だったのです。

一方クロディーヌは天堂さんに敗北して以来、天堂さんの事を追い続けるようになります。ただこの時クロディーヌは憧れるだけでなく、天堂さんを超えるために1番近くに居続けたクロディーヌは天堂真矢という存在に認められたい一心で隣に居続けていました。

そして運命のレヴューについてですが、基本的には天堂vs華恋、クロディーヌvsヒカリという構図で進んでいっていますが、これにもちゃんと意味があります。

まず天堂さんと華恋は「みんなにキラメキを与える存在である」という共通点があります。
ストーリー上では、天堂さんは自分を追いかけてくれる人達に好印象を持っていました。彼女のキラメキを追い求めて、彼女に憧れるだけで彼女を超えようとする人達、天堂さんは憧れではなく、いつしか追い越さなければいけない壁となっていました。舞台少女達の目標となりうる存在、キラメキの到達点のひとつ、それが天堂さんです。
一方で華恋は天堂さんに比べて経験は浅く、積み重ねてきたものも天堂さんに比べれば薄い。しかしあの日の約束を果たすための覚悟は誰よりも持っていました。そして彼女自身が変わったことによって周りも大きく変化して行く、彼女が変わって、覚悟を決めたことでみんなにキラメキを再び与えることが出来た。そんな存在が愛城華恋です。
そして彼女達の前口上にもその一節が見られます。
天堂さんの口上は
「月の輝き 星の愛 あまたの光 集めて今 あなたの心に 届けましょう 99期生首席 天堂真矢 今宵 キラめきをあなたに!」

一方で華恋は
「星屑溢れる ステージに 可憐に咲かせる 愛の華
生まれ変わった 私をまといキラめく舞台に 飛び込み参上 99期生 愛城華恋 みんなを スタァライトしちゃいます!」

2人ともキラメキを他人に与えると言う事を宣言しています。2人は真逆のようで似たもの同士だったわけです。

ヒカリとクロディーヌについてですがこれはもう「最強のNo.2同士」とみて間違いないでしょう。1位になる事が出来なかった二人、でも二人共キラメキを取り戻しているのです。一方はあの日の約束のため、もう一方は1位の隣に立ち、超えるため。二人共挫折から立ち直っているのです。過程は違えど二人共キラメキを再生産していたのです。

クロディーヌは常に天堂さんを見ていました。常に彼女に追いつくため、練習のみならず食事まで一緒に取るほど天堂さんと一緒にいました。誰よりも天堂さんを見ていたクロディーヌと誰よりもクロディーヌの動きを近くで見てきた天堂さん。二人の息が合うのは当たり前の事だった。良すぎ...

天堂さんは敗北してもなお、彼女自身の輝きを失うことはなく、前に進み続け、憧れの存在になることを選びました。オーディションが始まって皆が天堂さんを追い越そうとする事で既に彼女は救われていたのです。

そしてクロディーヌは天堂さんに認められていたことを知った事で救われます。それまで天堂さんはクロディーヌの事をフルネームで呼んでいましたが、運命のレヴュー後は彼女をクロディーヌと呼びます。これはまさに彼女を認めたことの表れです。ライバルとして、友人として。自分に並び立つ存在であると認めたんです。

レヴュー後のクロディーヌ可愛いよね....ほんと...
なんかこの2人だけ"ガチ"なんですよね。俺、こういうの大好き。

メタ的な話をすると10話のラストから「どうやってここから2話で終わらせるの!?!?!?」って思ってました

11話 わたしたちは

最終章前編です、ホントに11話の途中までの展開が辛すぎました。

ヒカリはオーディションに負けた人間がどうなるかを知っていました。勝利する事は他人のキラメキを奪うこと、ヒカリはオーディションによって勝利を目指すことそのものを罪として認識していました。そしてヒカリは誰よりも勝利することを追い求めていた。勝ちたいと思うことそれ自体を罪と認識していたので、贖罪のため自分自身を犠牲にして他の九九組を解放しました。

そしてヒカリは皆の輝きを奪わずに自分の輝きのみで贖罪を始めるのですが、それはヒカリという存在そのものを舞台上から消す行為、そして華恋はヒカリとの約束によってその輝きを保っていました。華恋とヒカリの執着は「スタァライト」、華恋はヒカリと演じるスタァライトを追い求めてキラメキを保っていました。ヒカリが居なければあの日の夢は叶わない、ヒカリが居なくなってしまった華恋だけはあの日のヒカリのようにキラメキを失ってしまいます。

舞台に立つ理由を見失ってしまった華恋でしたが、ヒカリが残したスタァライトの原典を見つけ、一人では読めなかったスタァライトを自分で日本語訳を始めます。それは自分が舞台に立つ理由をもう一度見つける為、ヒカリに依存していた自分から自立するためでした。

そして華恋がヒカリと違ったのは助けてくれる仲間がいたことでした。7ヶ月という長い時間諦めなかった華恋に対して、皆色んな手助けをしてくれました。それは皆が仲間だから、共同生活やオーディションを通してお互いを理解している、何よりオーディションの時、キラメキを持った愛城華恋という存在をみんな知っているから。

オーディションという場を通して皆は心の内に秘めていた本音をさらけだしていました。皆がどんな思いで舞台で舞台に立ちたいからを理解し合っていました。それはもちろんヒカリも例外ではありません。10話までのオーディションは色んな人が戦っているシーンが映し出されていましたが、ようやく意味があったことを知った時めちゃめちゃテンション上がりました。

そして遂に華恋はヒカリが舞台に幽閉されていることを知ります。幽閉されているということは救いの道が残されているということ、華恋は舞台へ向かいます、ハッピーエンドの道を目指して。

舞台へ向かう時、皆が華恋に舞台に対しての矜恃を伝えるシーン、良すぎですよね...そして舞台少女が立つべき場所、舞台で待っていてくれることを伝えて行きます。ここで流れる舞台少女心得 幕間がもう泣けるのなんの。

12話 レヴュースタァライト

最終回です、怒涛の終わり方でした本当に。

幽閉されたヒカリはただうわ言のようにスタァライトのセリフを語り続け、星を積み続けます。星は人の欲望という罪、舞台少女達は他人の星を摘み、それらを積み上げることで輝きを得ようとします。

12話でも他の子達が輝きを失っていない描写がありました。水の中にボタンが浸かっている描写。砂漠の中のオアシスに浸かることで救われているのです。

スタァライトは三途の川の石積みのようにどんなに積み上げても最後には崩されてしまう。彼女も前に進まなければいけない存在なのです。

華恋はもう1つのエンディングを目指しました。それは前に進むため、ヒカリを悲劇のヒロインとして終わらせないために、ヒカリをむかえた大団円で終わらせるために。

キリンは観測者として佇んでいました。そしてキリンは僕達でもあったのです。キリンはいわゆる第四の壁を超えて俺たちとこの興奮を共有しようとしていました。
そしてキリンが俺達と同じ目線で話していた事は2話時点で明らかになっていました(華恋と純那の構図を分かりやすいと言っていたところ等、メタファー的な視点で物事を見ていた)

華恋の舞台装置は東京タワー、あの日約束を誓った場所でもありますが、これは戯曲「スタァライト」との対比になっています。スタァライトは千夜一夜物語のような昔話として描かれていましたが、作品中には「遠い過去、遠い未来の物語」という記載がありました。過去と未来の邂逅、それはスタァライトと東京タワー、過去の罪に囚われたヒカリと罪を認め未来に進もうとする華恋の対比構造を表していました。伏線はずっと貼られていたのです。

ヒカリは最後幼少期の時に見たキラメキをもう一度見ることになります。結末の変化、それは同じ話でも全く違う輝きを見せてくれます。演じる度に別の輝きを見せる、それこそが芸術なのです。

そして最後は大団円で終わります。愛城華恋はやはり結末を変える力を、革命を起こす力を持っていました。ハッピーエンドで終わらせることが出来たのです。戯曲「スタァライト」と少女☆歌劇レヴュースタァライトを。

バナナがら9人目の許しの女神の役をやってるのはバナナが99回聖翔祭から解放されたことを示していてめちゃめちゃ最高でした。

アニメとしてすごい綺麗な終わり方でした。

まとめ

めちゃめちゃ良いアニメでした。アニメ全体を通して1本筋が通っていて見ててとても気持ちよかったです。

アニメ中には色んな要素が含まれていました。バトルもの・タイムリープもの・第四の壁要素etc...かなりファンタジーに振り切っているのですが、登場人物の心は常にリアルでした。このバランスの取り方が非常に良かったのも見やすかった要因の一つでした。

何より劇中歌が良すぎる!!!!!!曲中の歌詞は全てのストーリーの答えになっていました(劇中歌の考察もその内やりたいなと思います)。個人的に好きな曲を挙げると「花咲か唄」と「誇りと驕り」です。花咲か唄は単純に和風テイストのあの曲調が好きです。誇りと驕りについては、僕が1番好きなミュージカルである「Evita」にある「ニュー・アルゼンチーナ」という曲に似ているからです。

後は光と影の演出が素晴らしかった!!!!!7話ではバナナに当たる光が逆光の様になっており、バナナが追い求める光にはバナナ自身は届かない事が表されているの、めちゃめちゃ辛かったです!

ちなみに一番好きなキャラはバナナちゃんです。ああいうほのぼの系のキャラが実は1番狂ってたっていうのも大好きだし、普通に可愛すぎ。4話で華恋にバナナイスって言われたあと小声で「バナナイス...」って言いながら髪ぴょこぴょこさせてるの死ぬほど可愛くないですか?なぁ。

何故キリンなのかは結局分かりませんでした。多分正解はあると思いますが、こういうもんだな...って思うのが正解だと思います。

2週目は絶対みます。恐らくバナナがループしている伏線は多く貼られていたと思うので。

最後に
こんな書きなぐりみたいな文章最後まで読んでくださってありがとうございます!色んな思いが溢れてとりとめない文章になっていたと思います。

映画みます、6/3に、またこういう感想文を描きますので良かったら見てみてください。






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