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【対談】ジェイソン・モーガン&舩井勝仁/無神論者が暗闘するバチカンのウソと闇を暴く

この記事では6月1日発売の、月刊『ザ・フナイ』vol.189(2023年7月号)に掲載されている、ジェイソン・モーガンさんと舩井勝仁さんによる巻頭対談の一部を抜粋して公開いたします。

【特集】
グローバリストが支配する
狂気の宗教を告発する!


無神論者が暗闘する
バチカンのウソと闇を暴く

ジェイソン・モーガン
麗澤大学国際学部准教授。1977年、アメリカ合衆国ルイジアナ州生まれ。テネシー大学チャタヌーガ校で歴史学を専攻後、名古屋外国語大学、名古屋大学大学院、中国昆明市の雲南大学に留学。その後、ハワイ大学の大学院で、東アジア学、特に中国史を専門に研究。2014~2015年、フルブライト研究者として早稲田大学法務研究科で研究。2016年、ウィスコンシン大学で博士号を取得。一般社団法人日本戦略研究フォーラム上席研究員を経て、2020年4月より現職。著書に『アメリカはなぜ日本を見下すのか?』『リベラルに支配されたアメリカの末路』(ともにワニブックス)、『アメリカも中国も韓国も反省して日本を見習いなさい』『アメリカン・バカデミズム』(ともに育鵬社)、『バチカンの狂気』(ビジネス社)、共著に『英語対訳で学ぶ日本』(育鵬社)がある。秦郁彦の『慰安婦と戦場の性』を英訳した。

舩井 勝仁 (ふない かつひと)
本誌主幹。1964年、大阪府生まれ。1988年、㈱船井総合研究所入社。1998年、同社常務取締役。2008年、㈱船井本社の社長に就任、「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続ける。2014年1月19日、父、舩井幸雄が永眠。父の志を継いで本誌の主幹となる。著書多数。

舩井 今回は、ご自身も敬虔けいけんなカトリック教徒でありながら『バチカンの狂気』(ビジネス社)でカトリックの総本山、バチカンの抱えるやみに切り込み大きな話題を呼んだ、ジェイソン・モーガン先生にお話をうかがいます。

南部アメリカと日本の共通点はWGIP!?

舩井 モーガンさんの著作を拝読していて、リンカーン元大統領を批判しておられたのが印象的でした。アメリカでは今でも絶大な人気を誇っているのだと思っていたので、アメリカの方でリンカーン元大統領を糾弾しておられるのは意外でした。

モーガン 南部には、リンカーンをあまり良く思わない論調の人も多いですよ。我々も洗脳されたんです。『ザ・フナイ』読者の方はWar Guilt Information Program (WGIP)をご存じと思いますが、WGIP(もちろん、その名前は利用されなかったけれども)が最初に使われたのは南北戦争(1861~65年)のときでした。私たち(南側)が100%悪であった、と認めさせる内容です。

奴隷制度はもちろんまったく認められることではありません。でも、戦争というのは、一方だけが100%悪いという単純なものではない。リンカーンの発言などを読みますと、彼は相当な人種差別者だったとわかります。ワシントンの集中的な権力だけを優先して、それを維持するために一般アメリカ人が何十万も死んでもいとわないリンカーンは、決して偉大なる人物と思わない。独裁者です。

振り返って考えると、リンカーンはグローバリストであったと言えます。そのリンカーンが絶賛されているアメリカの現状に、違和感を覚えたんです。南部の、村の小さな図書館の棚の上に、リンカーンの銅像が置いてあった。なんで南部の図書館にリンカーンの銅像があるのか。我々も、日本のようにワシントンに洗脳されているんだとそのとき気付き、ある意味、覚醒かくせいしたのです。

舩井 ニューヨーク、ワシントン、あるいはカリフォルニアやボストンの方たちとしか交流していない日本人が多いから、イメージする「アメリカ人」像と、南部ご出身のモーガンさんのような方とは印象に乖離かいりがあるんですね。
笑い話ですが、南部の方と話をする機会があったとき「ニューヨークに住んでいたのですが、よく行かれますか」とお聞きしたら「あんな危ない所へ行くわけないでしょう」と言われました。

モーガン 私もそう思います。よくあんな所で住んでいて生き延びられましたねという気持ちです(笑)。
私だけではなく、多くの南部出身のアメリカ人は、ニューヨークやカリフォルニアの人たちのことを同じアメリカ人だと思っていません。これはお互い様だと思います。東海岸、西海岸の人々からしたら、南部は貧しくて税金を無駄遣いする厄介な存在だと思っているでしょう。アメリカ合衆国という国は、同じパスポートですが、地域によって特色がまったく異なります。

一時期、北部のウィスコンシン州に住んでいたことがありますが、日本で暮らすよりもウィスコンシンで暮らす方が、はるかに外国のような感じがしました。お互いに英語にもかかわらず、話がまったく通じない。ニューオリンズを出て日本に来て、日本の方々と話し合って、勝手ながら、非常に親近感を抱きました。日本の方は冗談が通じるんです(笑)。

舩井 意外です。南部の方のユーモアと日本のユーモアは似ているんですね。

モーガン 私は志村けんさんも大好きで、あのような滑稽芸こっけいげいといえるようなユーモアは、日本でもニューオリンズでも通じるんです。なぜなら、南部の人々と日本の人々は、同じく人間が弱いもので、人間の不完璧なところがユーモアの元となっていると思っているからでしょう。

志村けんさんの「バカ殿」は、チャップリンの演じる「リトル・トランプ(トランプ、邦版ではチャーリーとも)」に近いと思います。人間はそもそも、滑稽なものです、という感じでしょう。でも、北部ではそれが通じない。あの人々は非常にシリアスです。

それから、私たち南部の人は本音と建前を使い分けます。でも北部ではまったく通じません。行間を読むとか、言葉の裏をみ取るとか、そういう感覚が北部の人にはないのです。

舩井 アメリカにいるとき言われたのは、「イエスかノーをハッキリ言わないとアメリカでは通用しない」ということでした。

モーガン 南部では通用しますよ。何かを頼まれたとき「嫌です」と言わず「それはちょっと難しいかもしれません」と南部で言えば、それはNOだと伝わります。
でも学生時代、寮で隣の部屋だった人が北部出身で、頼みごとをされたとき「それはちょっと……」という言い方をしたら、「それで?イエスなの?ノーなの?」と答えを待っている(笑)。

舩井 私たちの「アメリカ人」のイメージが偏っているんですね(笑)。

モーガン 私たちは南北戦争で負けた側です。そのために今の「アメリカ」は「北部アメリカ」になってしまいました。
南部ではアメリカ合衆国から離脱したい論がずっとあります。BrexitブレグジットならぬTexitテグジットの声も上がっているほどです。最近の世論調査によると、テキサスの人口の4割程度は離脱を希望しているそうです。しかしテキサス州だけでは物が足りない。南部の全てが北部から離脱すればいいと思います。

舩井 もう十数年もすれば、そのあたりの議論が本格化してきそうですね。

・9.11で変わってしまったアメリカ
・罪深きLGBTQ政策
・一番キリスト教的な国は日本である
・今の日本に欠けているのは「日本」そのもの
へ続く


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『ザ・フナイVol.189(2023年7月号)』

【特集】
グローバリストが支配する
狂気の宗教を告発する!

ジェイソン・モーガン
&舩井勝仁

無神論者が暗闘する
バチカンのウソと闇を暴く

副島隆彦
今度のNHKの大河ドラマはヒド過ぎる

船瀬俊介
「万人は、天才である」
産業の世紀から芸術の世紀へ!

ベンジャミン・フルフォード
アメリカと決別し中ロに近づく
中近東・EU

【小説】
新堂冬樹「罪と罰2023」 etc.


ジェイソン・モーガン 著
『バチカンの狂気』

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