世界の裏側は、どうなっているか? / ジェームズ斉藤『日本人が知らない いま世界で起こっている超真実』
「ジェームズ斉藤は本物である。
それは私、苫米地英人が保証する」
某国の情報機関に所属するエージェントが、世界の裏情報を明らかにする迫真の緊急レポート。
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ジェームズ斉藤とは何者か?
苫米地英人
ジェームズ斉藤は本物である。
それは私、苫米地英人が保証する
詳しくは言えないが某国政府機関による完璧なセキュリティ・クリアランス(適格性評価。政府が保有する安全保障上の重要な情報として指定された情報にアクセスする必要がある者に対し、その者の信頼性を調査・確認したうえでアクセスを認める制度)が必要とされる場所で私は彼を紹介された。そこでの私の肩書は、国防インテリジェンス系大学教授であり、その私に紹介することの意味を、私にしても、彼にしても当然理解していた。
彼は日本でのメディア展開を考えていた。テレビや新聞などの旧メディア媒体ではなく、SNSやwebマガジンによる浸透を模索中で、面白いことに多少胡散臭い媒体がいいという。「例えば、『TOCANA』のような」と言うに及んで彼が私に近づいてきたわけがわかった。『TOCANA』は私が深く関わっているwebマガジンだからだ。しかし、オカルト系のメディアなのだが、それで構わないのだろうか?
彼いわく、「そのほうがかえっていい」という。ある種の胡散臭さこそが人の認知に届くというのだ。しかも、“本当とは思えない本当のこと”を書けるのはそういう媒体であり、事実、都知事選に出馬する小池百合子氏についてのある真実を日本で唯一書いていたのが『TOCANA』だと言っていた。けばけばしい虚構を纏った真実を世の中に放り込むという実験。要はたった一人で認知戦をやろうとしているわけだ。
興味を覚えた私は早速『TOCANA』を紹介する。彼からペンネームについて相談されて「では、ジェームズ・ボンドのジェームズと、ゴルゴ13のさいとう・たかを先生の“さいとう”からいただいて、ジェームズ斉藤でどう?」と答えると笑って一発OKとなった。名付け親は私というわけだ。
あとのことは知っている方は知っている通り、ジェームズの記事は『TOCANA』で大人気となり、いまではメルマガも開設し、今回、初の書籍の出版となった。情報の確度と深度については言わずもがなの高度なものだ。ただし、ジェームズ斉藤の場合はそこだけが重要ではなく、諜報分析のほうこそ本筋だ。
出てきた情報をどう理解し、どう先を読んでいくのか? そのためには各国の首脳、大臣、将軍たちの育ちや性格、趣味趣好だけでなく、性癖や野心をも理解しておく必要がある。本人に会うだけでなく、周辺の人々ともコンタクトをとっていくことがそれには不可欠となる。これがなければただの情報屋でしかない。出てきた情報に一喜一憂していても無意味だ。半年後、1年後、各国のリーダーたちがどう動くのかこそが大切なのである。
本書はその内容の濃さによって情報エンターテイメントとして楽しむこともできる。しかし、それだけで済ますのはあまりにももったいない。読者の方々の未来のゴールに向かうべき指針として、現状を打破するためのきっかけとして“ジェームズ斉藤のインテリジェンス”をフル活用してほしいのである。
はじめに / ジェームズ斉藤
本書は某国現役諜報機関関係者である私、ジェームズ斉藤が世界の動きや国際政治の裏側をわかりやすく解き明かしていくものです。本文に入る前に読者の疑問のいくつかを先に解いておきましょう。
読者の疑問、その第一は「お前は誰だ?」というものでしょう。ジェームズ斉藤などという名前はもちろん偽名です。なにしろ私は“某国現役諜報機関関係者”を名乗る者なのですから、本名など使えるわけがありません。
そして第二の疑問が、まさにいま言った“某国現役諜報機関関係者”の部分でしょう。「なぜ、現役の諜報機関関係者が本を書いているのか?」という疑問は誰でも持つものではないでしょうか? 「そんなことをしている暇があれば、諜報活動をしたほうがいいのではないか?」「なぜ、現役のくせにそんなことをしているのだ?」と理解に苦しむところだと思います。
しかし、本を書いているのは私が現役であるからこそなのです。その説明をする前に現代における諜報活動を簡単に説明しておきましょう。現代の諜報活動は大きく分けて3つあります。
「ヒューミント」「シギント」「オシント」です。
「ヒューミント(human intelligence)」とはいわゆる諜報員が諜報活動を通して人間の標的から情報を収集し分析することをいいます。ハニートラップや暗殺工作もヒューミントに相当しますが、基本的には人間からの情報収集及び分析することを指します。皆さんが想像する一般的なスパイ活動がこの部類に入ります。
「シギント(signals intelligence)」は主に通信を傍受することで情報を収集し分析することをいいます。電話の盗聴やインターネットのハッキングなどがこれに当たります。
「オシント(open source intelligence)」は一般公開された情報をもとに多角的に分析する諜報活動になります。
この3つのうち、いま最も重要視されているのが「オシント」です。というのも、現代の諜報員は昔のスパイたちがやっていたようなヒューミント主体の諜報活動がほとんどできなくなってしまっているのです。できなくなってしまった理由はスマートフォンの登場です。
ご存じの方も多いでしょうが、スマートフォンは携帯しているだけで、その所有者の位置情報の捕捉から盗聴まですべて可能です。
iPhone、Android を問わず、会話はすべて記録できますし、メールも同様です。3年前の何月何日の何時、ある政治家がなんと言っていたのかを聞きたいと思えば、たちどころに本国のデータベースから取り出すこともできます。
それはスマートフォンの電源を切っていようと関係ありません。位置情報にしても音声情報にしても映像にしても、バックグラウンドで情報収集はずっと行われているのです。いまや誰もが持っているスマートフォンです。私たちからすれば、自ら情報発信のためのツールを肌身はなさず持っていてくれていることと同義なのです。はっきり言えば、「シギント」はやりたい放題です。
しかしこのことは同時に、スパイがこれまでやってきた諜報活動が不可能になってしまったことも意味します。
例えば、一世代前のエージェントは深夜の墓場で情報の受け渡しを行っていました(昔はこんな小説みたいなことを本当にやっていたのです)。しかし、いまは位置情報を簡単に追えるので、こんな不審なことをすればすぐにスパイだとバレてしまいます。
もちろんスマホを持ち歩かなければ、位置情報が漏れることもないのですが、現代ではスマホを持ち歩かないこと自体が不審な行動となってしまうので、それもできません。自分がどこにいるかをしっかり明かした上で諜報活動をするのですから、かなり大変なのです。
もう一つ決定的なことがあります。それはカバーストーリー(架空の経歴)が難しくなってしまった点です。要は身分を隠して別人になりすますこともほぼ不可能になってしまっているのです。
現在は街の至るところに監視カメラが設置されていますので、顔認証や声紋の分析ですぐに変装が見破られてしまいますし、決定的なのが歩き方のパターンです。これをAIで分析されると他人へのなりすましができなくなってしまいます。
AIとスマホの登場によって、エージェントは潜入活動、隠密行動といったものがほとんどできなくなってしまいました。映画や小説にあるような忍者まがいのスパイ活動はできなくなっているのです。では、現代におけるエージェントの存在意義はもうないのか、というとそんなことはありません。
現在のエージェントは自分の身分を偽らず、堂々と名乗って関係各所としっかりした人脈を築いていくことが大切になっているのです。こう書くと普通のビジネスパーソンのようで、本当にビジネスパーソンのような生活をしています。ただし、諜報活動もしています。なぜなら依然として機密は機密として存在し、工作活動も日々行われているからです。
例えば、日本では大震災が何度も起きています。そのたびにアジア系、主に中国人の諜報員が日本人になりすますことをしています。行方不明になった人の戸籍を乗っ取る「背乗り」と呼ばれる工作活動です。日本人になりすました彼らは諜報活動をするわけではなく、日本人として土地を買い、日本人として起業し、日本人として選挙に参加することで日本に浸透していくことが目的です。
彼らは日本人として投票するだけでなく、被選挙権を行使して政治家として立候補することもします。そのなりすました立候補者に、なりすましの日本人たちが投票し、政治を乗っ取っていきます。ここまでくると諜報活動ではなく、侵略と言っていいでしょう。ウクライナ東部が典型的な例で、冷戦後ロシア人が大量に棲みついた結果ロシアのスパイだらけになり、その後実際にロシア軍が侵略し併合されています。諜報活動は基本的に軍事侵攻の前哨戦です。
しかも、日本にはスパイ防止法がありませんから、こういったことがやりたい放題です。仮に発覚したとしても、ほとんどの場合お咎めなしの諜報員天国なのです。ある程度の匿名性さえ担保できれば、日本での諜報活動は大っぴらにできるのです。逆に、積極的に情報発信していったほうが活動しやすいくらいなのです。
そもそも私の仕事は、日本と某国との関係をより綿密に構築していくためのものです。よって情報収集と同時に情報発信も大切です。特に現代のようにフェイクニュースが蔓延する時代においては、情報収集以上に情報発信は重要になってきています。
フェイクニュース。すでに皆さんも何度も聞いたことがあるでしょう。これは専門用語ではディスインフォメーションと言われますが、SNSを中心に玉石混交の情報を流して、国民一人ひとりの判断を大きく狂わせるものです。しかも、狂わされている人々はそれに気づかず、自らが正しいと選択した道を歩いているつもりにさせる、洗脳技術を応用した認知の操作を行う手法です。
現在、世界で最もフェイクニュースを得意としているロシアは、ウクライナ戦争でもアメリカの大統領選挙でも徹底的に情報介入をし、人々の思考と行動を乗っ取ろうとしています。そういう状況下で活動するわけですから、私たちも、メディアに積極的に進出していくのも当然ではないでしょうか?
こうやって本を書くことも、webマガジンに記事を寄稿することも、メルマガを発行することも、私にとっては工作活動の一つなのです。もちろん、工作活動ですから、私の記事にはすべて意図があります。しかし、私のそもそもの任務は某国と日本のより良い関係の構築ですから、日本だけが不利になることは決してありません。
逆に日本の政治や経済が良くなってもらったほうが、某国にとっても利益になります。諜報の極意はウィンウィンな関係の構築です。対米従属的な政治家や媚中の政治家ばかりしかいない日本の政治構造は、他国からすれば、やりにくい部分が多々あります。
はっきり言わせてもらうと、日本人が日本のための行動をしてくれなければ、まともな外交はできません。各々の国が自国の利益のために動くから交渉というものはできるのです。裏交渉と利権まみれの国は中国とロシアだけでたくさんです。残念ながら日本の同盟国であるアメリカもバイデン政権下では中露と変わらないほど、利権の亡者に支配されていますが。
アメリカも信頼できない時代だからこそ、日本がまともな国になってくれることが、大きな意味での諜報活動になるのです。本書はそのために書かれたものだと、ご理解ください。それでは、混迷を極める2024年後半、そしてカオスと化す可能性大の2025年の予測を徹底公開していきましょう!
※本書はジェームズ斉藤のメルマガ『ジェームズ斉藤の戦略インテリジェンス・ワールド』の形式に準じた対話形式となります。
お読みいただきありがとうございました。
続きはぜひ本書にてお楽しみください!
本書は全国の書店・ネット書店にて
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ジェームズ斉藤 著
日本人が知らない
いま世界で起こっている超真実
目次
第1章 2024年後半、世界はどうなるか?
第2章 トランプとは何者か?
第3章 世界の裏側は、どうなっているか?
第4章 世界を牛耳る支配者たちの本当の姿は?
第5章 世界を動かす仕組みは、どうなっているのか?