組織における成功循環モデル
こんにちは、事業計画研究所です。
本日は組織開発論である、成功循環モデルについて記載しようと思います。
これまでにも、組織論についてはたくさん取り上げています。
あわせてぜひ、ご覧ください！
成功循環モデルとは
組織開発をすこしでもかじったことがある方は一度は聞いたことのある組織論ではないでしょうか。
マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授によって提唱された組織開発理論の一つです。
【関係の質】・【思考の質】・【行動の質】・【結果の質】という４つにわけて、それぞれどの質を重視して取り組むべきかを提唱しています。
また、取り組む順番によって【グッド】【バッド】と2種類の循環に分けられています。
それぞれを下記で詳しく記載していきます。
バッドサイクル
いわゆる組織開発の【悪い】循環である状態をさします。
上図のように、【結果の質】から始まり【行動の質】へと一巡する循環です。
それぞれを下記で詳しく考えてみます。
【結果の質】
関係性の構築が不十分な組織やメンバー間において、【結果の質】いわゆる成果の向上を最優先に考えて循環するモデルです。
一時的な収益増加を見込むことはできるものの、上長との関係性悪化や業績に対する厳しい視線による圧力で部下・社員は疲弊していってしまいます。
【関係の質】
社員の疲弊に伴って、関係の質が大きく低下してしまいます。
それぞれが他者へ責任の押しつけ・転換してしまうような社風になってしまいます。
【思考の質】
上長からの数字圧力と社員間の関係性悪化に伴い、
社員は自ら浮かんだアイデアや思考、イノベーションを生む機会をなくしてしまいます。
「どうせ、この社員にいっても取り合ってもらえない」
「いわれたことだけしていたらいいや」
と言った、受動的で指示待ちスキルが高い社員が出来上がってしまいます。
【行動の質】
受動的な思考で働いてしまうようになっては自発的な改善は見込めず、
責任の回避と思考の停止を第一とする思考で凝り固まってしまいます。
これらが次第に結果へと現れるようになり、上長は数字低下に伴い、
圧力を強めてしまうため悪循環となってしまいます。
グッドサイクル
成功循環サイクルにおける、【良い】循環とされるモデルでは
【関係の質】すなわち、メンバー・組織間の関係性の向上から始まります。
それぞれを上記のように細かく考えてみます。
【関係の質】
【良い】循環では、関係性の構築からはじまります。
いわゆる土台固めのような期間になります。
メンバー間の関係性の向上により、下記のような効果が見込めます。
・言いたいことがしっかりと議論し合える
・他社の短所を補い、自分の長所を生かす
・自発性、積極性の向上
その他、様々な効果が得られると考えられています。
似たような考えた方として、心理的安全性が近年注視される傾向にあります。
記事にもしておりますので、ぜひ合わせてご覧ください。
【思考の質】
関係性の向上に伴い、自発的な意見やチーム間での協働が目立つようになり
組織の一員として従事することの楽しさ・やりがいを感じるようになります。
【行動の質】
自発性と協働の向上により、チーム内の業務効率の向上やイノベーション機会の増加が見込めます。
【結果の質】
時間はかかるとも、中長期的に業績目標へと大きく足を進む結果になります。
その結果に裏付けられた自信や達成感が、さらなる帰属意識の向上や関係性の向上につながるというサイクルです。
時間はかかるが、結果的には良い。いわゆる「急がば回れ」という意味ですね。
このようなイメージの通り、しっかりとした地盤に築きあげていくことが大切であるという理論です。
【組織】が成り立っていないと意味がない
グッドサイクルにおける【関係性の質】で、注意しないといけない点があります。
それが、【組織として成立しているか否か】です。
関係性の向上と聞くと、平たくとらえて【仲良くなる】ことですよね。
ここに大きな落とし穴があります。
この成功循環モデルを実施して、出来上がりやすいチームが【仲良しごっこ】です。
仲はいいけど、結果にはつながらない。という本末転倒なことになることが多々あります。
この原因が組織としてそのチーム・企業が体をなしているかという問題です。
組織とは、【共通の目的・目標に向かって協働する集団・チーム】です。
共通の目的・目標という同じ認識のもとに、
それぞれが関係性を構築して高めあう事で初めて関係性の質を高めると言えます。
本日はここまで！
次回は組織開発モデルのＧＲＰＩについて記載しようと思います。
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