「想い」に人は集まる。事業の推進力となるFPF(ファウンダー・プロブレム・フィット)について
こんにちは。事業計画研究所です。
さて、本日は少し以前の記事で取り上げたPMF(プロダクト・マーケット・フィット)を達成するために、最も必要と言っても過言ではない事業の推進力となるFPFについてお話します。
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PMF達成には仮説と検証をくりかえすことが重要
少しおさらいですが『起業の科学』において、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)とは、顧客が熱狂的に欲しがるものを作れる状態と表現されています。
起業家のアイデアをもとに仮説と検証を繰り返すことが、本書のゴールであるPMF達成にとって重要であると記載されています。
「起業」は辛く険しい道のり
ですが、アイデアを思いつくことは序章に過ぎません。
そこからの仮説と検証を繰り返していく道は、先も見えない想像以上に辛く険しい道となります。
私も体験したことがありますが、事業計画自体の見直しを幾度となく繰り返し、資金調達(融資やビジネスコンテストなど)を行うにも山あり谷あり。資金も無限に湧いてくるわけではありません。いつかは底を尽きてしまうかもしれないという不安と戦わなければならないこともあるわけです。
「想い」に人は集まる
そうした困難な状況で歩みを進めていけるかどうかは、それを乗り越えるためのメンタルと、その原動力となる創業者の課題に対する強い想いが必要となります。
そして事業を成功させるために、周囲の心を動かすためには「想い」が必要であると本書では紹介されています。
そもそも創業段階のスタートアップには対外的にアピールできる製品がありません。その段階においては、創業者の思いが投影された「ビジョン」や「ミッション」が、スタートアップの最大の競合優位性となるのです。
(中略)
いくら優れたビジネスモデルを考えても「Why you?(なぜあなたが、それをするのか?)」というシンプルな問いに答えられないなら説得力はないのです。
商品を利用するお客さん(ユーザー)や、一緒に事業を取り組んでくれる仲間を集め、一体感を持って事業を進めていくには創業者の思いが必要不可欠だと考えられています。
FPF(ファウンダー・プロブレム・フィット)
そうした創業者本人と、その創業者が取り組んでいる課題との間に必然性が見出せる状態のことをFPF(ファウンダー・プロブレム・フィット)と言います。
少し大げさな言い回しになりますが「私はこの課題を解決するために生まれてきた」と言えるような状態です。
「Why you?(なぜあなたが、それをするのか?)」
という問いかけに対し、ユーザーの痛みや課題を自分事として理解した「思い」を答えられることが、事業を成功させるための推進力となるだと私は思っています。
※補足
本書では「思い」で記載されていたのが、経営者の感情が込められているという意味で「想い」という風に表記を変えて記載しております。
<参考資料>
入門 起業の科学/田所雅之